社会人になっても成長できる「性格スキル」

掲載日:2018年3月14日

人生100年時代となりつつある現代、個人の就業期間も長期化傾向にある。私が社会人になった頃は、多くの印刷会社は55歳定年であったが、いまでは60歳を過ぎても働く人が多くなった。
そのような環境のなか、仕事に必要なスキルを身につけることはもちろん重要だが、性格スキルも重要なことが分かってきた。その性格スキルとは何か。
一般的に新人の採用面接では、一番重要視する点は性格、人柄だ。テストや成績が良いだけではなく、性格も重要視されている。

性格スキルのビッグファイブ

性格分野において、よく取り上げられるのは、5つの性格スキルである。心理学では、ビッグファイブと呼ばれ、以下5つの因子に分解できるとされている。それらの組合せから個人の性格が形成されていると考えられている。
(1)真面目さ
 目標と規律を持って粘り強くやり抜く資質、勤勉性
(2)開放性
 好奇心や審美眼、想像力、新しいものへの親和性
(3)外向性
 社交性や積極性、コミュニケーション能力
(4)協調性
 思いやり、優しさ、利他性や共感性、仲間と協力して取り組む力
(5)精神的安定性
 不安や衝動が少ない資質、緊張への強さ、自分に対する自信
なかでも、「真面目さ」は会社人生に大きな影響を与えることがわかっている。「真面目さ」の裏付けとして、たとえば高校生時代の無遅刻は、その後の学歴を高め正社員になりやすいことを示している。さらに、大阪大学が実施した日米調査(男性対象)では、日米とも「真面目さ」が年間所得を高めることを示したという。

性格スキルが人生に及ぼす影響

従来、採用時に知能指数(IQ)やスキルに重点を置く企業は多いが、「真面目」であれば仕事において広範囲に学び、能力を伸ばしていくことができる。よって真面目な性格は仕事をしていく上で大切なものである。さらに、人間の寿命も伸びているだけに真面目さが人生において、より有意義なものになる。
実際に学生時代、不登校や遅刻、宿題未提出などの不真面目行動があった人の賃金が相対的に低いこと、テストの成績も賃金と相関関係にあること、そして不真面目タイプの人間は失業率も高いこと、などがその根拠に基づいて発表されている。

性格スキルが賃金に及ぼす影響は対象者の学歴とあまり関係がないことも明らかだ。つまり、どのような学歴の人でも、性格スキルが向上すれば賃金も上がる比例関係にある。性格スキルは大人になってからも、そして年をとってからも伸ばしていくことができる。さらに「精神的安定性」「協調性」については、社会人になってからの伸びが大きいことは興味深い。
また、私のような転勤生活も性格スキルの伸ばすよい機会だといわれている。新たな環境のなかで粘り強く適応していく「真面目さ」が求められたり、新たな人間関係を構築しなければならない「協調性」と「外向性」も鍛えられるという。転勤者の方、頑張ってください。

(西部支社長 大沢昭博、参考:日本経済新聞、慶応大学 鶴 光太郎教授)

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