コンビニ、スーパー、百貨店の動向は印刷産業にどう影響するか

掲載日:2020年2月28日

コンビニ店舗数は減少したが売上高は過去最高を更新、競争激化でビジネスモデルの転換期を迎えている。大手小売業の業績は、印刷会社の需要にどう影響するのか。(数字で読み解く印刷産業2020その1)

コンビニ店舗数は初の減少、スーパー店舗数は過去最高を更新

日本フランチャイズチェーン協会(JFA)は1月20日、2019年末の全国のコンビニエンスストア店舗数を5万5620店と発表しました。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンなど、JFA正会員7社の店舗数を集計したもので、前年末に比べ123店減少しました。2005年以降初めてのマイナスで、コンビニは飽和状態にあることから今後も店舗数は頭打ち状態が続くとみられます。

一方、大手スーパーなどを会員とする日本チェーンストア協会(JCA)が1月23日に発表した、2019年末のJCA会員企業55社の店舗数は1万550店と過去最高を更新しました。100円ショップなどスーパー以外の業種増加が主な理由ですが、2012年の57社7895店から7年連続で増加しています。

百貨店は最近では地方の不採算店の閉店が続き、2019年末の店舗数は76社208店と、ピークだった1999年(140社311店)から約3割減少しています。

コンビニ売上高は過去最高を更新、百貨店はインバウンドが好調

次に3業態の2019年売上高を見てみましょう。
最も売上規模の大きいスーパーは12兆4325億円、天候不順や消費税増税などの影響もあって、既存店ベースで前年を1.8%下回り、4年連続の減少となりました。
前年からの変化を見る場合、過去1年間に開・廃業した店舗の販売額を除いた「既存店ベース」が主に利用されますが、印刷需要に関して言えば、新規出店の告知チラシなどが考えられることから、「全店ベース」で比較したほうがいいかもしれません。ちなみにスーパーは全店ベースで見ると4.3%減となりました。

コンビニの全店売上高は11兆1608億円(前年比1.7%増)で過去最高を更新しました。既存店ベースでは10兆3421億円(同0.4%増)で、初めて10兆円を超えました。カウンター商材、冷凍食品、調理麺、おにぎり、デザートなどの中食の好調、たばこの売り上げ増加、キャッシュレス還元の効果により、客単価が上昇したものとみられます。

日本百貨店協会が1月22日に発表した、2019年の全国百貨店売上高は5兆7547億円(前年比:全店2.2%減、既存店1.4%減)で6年連続のマイナスです。マイナス要因として、天候不順や消費税増税、さらに若年層の百貨店離れや地方経済低迷などの構造的要因が考えられます。ただし、インバウンド(訪日外国人)は客数減を購買単価でカバーし、3461億円(同2.0%増)で3年連続で過去最高を更新しました。

1月売上高はマスク特需でコンビニはプラス、スーパーと百貨店はマイナス

新型コロナウイルスの影響が心配される中、2月下旬には2020年1月の販売統計が相次いで発表されました。
スーパーの総販売額はマイナス(前年同月比:全店7.7%減、既存店2.0%減)ですが、コンビニ売上高は中食の好調とキャッシュレス還元に加え、マスクなどの需要増加によりプラス(同:全店1.0%増、既存店0.4%増)となりました。

一方、全国百貨店売上高は4カ月連続のマイナスです(同:全店4.5%減、既存店3.1%減)。記録的な暖冬で季節需要が減退し、インバウンドは春節の月ズレ(昨年2月5日→本年1月25日)で2桁増ですが、下旬からは新型コロナウイルスの影響で国内外の集客・売り上げともに厳しい商況となりました。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

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