エキスパート資格者の横顔と実技作例を公開

掲載日:2022年1月17日
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次回エキスパート認証試験は、3月13日(日)に東京・大阪・名古屋・福岡、および指定講座会場にて実施します。前回第56期試験の実技試験概要と合格者の提出物を掲載します。

57期試験の受験申請を1月7日に開始した。2月10日まで当Webサイト上にて受け付けている。

2年前の第53期に2段階制試験導入とともに実技試験の評価基準を変更して以来、従来にも増して実技取り組み者のデザインクオリティが高まっているのを感じる。
受験者の承諾を得て、合格作例を数点ご紹介する。

56期実技試験概要

前回試験では、旅行会社が発行する会員向け月刊会報誌の連載ページを題材とした。

ターゲットとなる会員は30代から50代、テーマ性を持った旅をナビゲートする連載ページの第1回として、ドイツのガラス建築を巡る旅を提案するものだ。
仕上がりサイズ、組方向、レイアウト素材、ロゴやQRコードなど紙面構成上必須とする要件に加え、連載企画に即した発注側のデザイン要望や読者ターゲット想定を盛り込んだデザインレイアウトを求めている。こうした要件を受験者に配布(サイトからのダウンロード)される実技試験要項から確実に読み取ることがまず第一歩だ。

第56期試験講評

合格者の横顔

DTPエキスパート認証試験の受験者は、印刷業と印刷関連機器メーカー業で全体のおよそ6~7割、職種ではデザイン制作者、営業担当者で約6割を占める。その他、出版、Webなど各媒体のコンテンツ制作者、印刷以外の一般企業の印刷発注者が取り組む例もある。

今回、一般企業の商品企画の立場からマイスター受験に取り組まれ、合格された方にお話を伺う機会を得た。印刷業内だけでなく、一般企業、あるいは印刷発注者からみたDTPエキスパートの認知の状況を知るべく、取り組みの背景を含めてヒアリングさせていただいた。

インテリア関連企業の商品企画部に勤務するAさんは、ファブリックを中心としたインテリア関連新商品の企画を行っている。前職では印刷物の誌面制作を行っていたため、その実務経験を活かして、商品に添付するラベルから店頭装飾、その他販促物も含めた全般のデザイン制作も含め担当しているという。

商品企画は、企画から店頭に並ぶまでに半年から1年ほどかかるため、常日頃インテリア関連の傾向を知るための情報にアンテナを張ってリサーチしつつ、将来の傾向予測をしながら企画にあたっている。

DTPエキスパート資格については以前から取り組んでみたいとは思っていたものの、業務の多忙さから実現していなかった。現在も短納期の仕事も多い中ではあるが、会社の方針として各自のスキルアップを推奨していること、直属の上司もそうした取り組みに理解がありその姿勢を重視してくれるということもあり、取り組みに前向きになったそうだ。また取引先のエキスパート資格者の方から、幅広い領域を学習することになるが勉強になる資格だというアドバイスもあり、今回受験を決断したという。

実際に取り組んでみた実感としては、印刷・制作関連のことをあらためて知識として整理し、言語化して理解することができるようになったことに加え、現在の業務を一面的に捉えるだけではなく多角的に広い視野で捉えることの大切さを感じたとお話いただいた。


DTPエキスパートの学習範囲は多岐にわたり、現業務に直接関連しない知識も膨大に覚えなければならないのだが、それらが互いに関連しあい、全体像で理解できるようになることで、ビジネスパーソンとしての成長が期待できる。個々のスキルを深めるだけでなく、様々な角度から印刷ビジネスを捉えることで、今後に役立てていただければと思う。

JAGAT資格制度事務局 丹羽 朋子

合格者の作例

優秀提出物

(匿名受験者)

(インテリア業/商品企画・デザイン職)

 

学科問題・実技問題と作例については、こちらのページでも詳しく紹介しています。

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次回実技試験講座【3月5日(土)開催】

事前課題の添削とともに、担当講師が実技制作のポイントを解説します。