協会情報」カテゴリーアーカイブ

2016年9月実施更新試験開始

更新試験専用サイトオープンしました。
更新試験申請者の方は、下記期限内に必ず試験にお取り組みいただくようお願いします。

更新試験専用サイトはこちら

試験実施期間:2016年9月1日(木)10:00~2016年9月30日(金)23:59まで

※試験専用サイトのパスワードがご不明な場合は

更新試験専用サイト上の「パスワードをお忘れですか?」よりパスワードを取得していただくか、
更新試験専用サイトサポート窓口までパスワードをお問い合わせください。

更新試験専用サイトサポート窓口
株式会社 イー・コミュニケーションズ サポート窓口
TEL 03-3560-3905 e-mail cbt-support@e-coms.co.jp
受付期間:試験期間内のみ対応
受付時間:平日10:00~17:00

drupa2016を通して考えるこれからの印刷ビジネス

drupa2016が終了してから2カ月以上が経ち、各業界団体やメーカー報告会も概ね終了し、印刷関連紙誌でのレポートなども一段落といった感じで、既にdrupa2016報告についてはお腹いっぱいという方もいるかもしれない。
しかし、真打ち登場ということで、JAGAT専務理事郡司秀明のdrupa2016レポートをJAGAT info8月号にてぜひご覧いただきたい。

現在、世の中的には「ポケモンGO」が大きな話題を集めているが、この成功を見るにつけ、印刷業界でも新たなビジネスを生み出すためのイノベーション的発想の重要性を感じる。ご存知のように「ポケモンGO」は決して最先端の独自技術のゲームではなく、実体はポケモンという20年にもわたって受け継がれてきたキャラクター・コンテンツと、AR技術(最先端技術とも言えなくもないが)や位置情報サービスなどを組み合わせたものだ。要は既存のコンテンツや技術だったとしても、アイデアと工夫でビジネスの可能性を拡げることができることを証明している。

同様に印刷業界にも培ってきたノウハウや磨き上げられた技術、蓄積されたコンテンツと新しい技術や機器を組み合わせることで、これまでにないビジネスを生み出す可能性はあるわけだ。そのような視点でdrupaを捉えれば、前号の紹介で語った「メシのタネ」を探すのが難しい状況になったというのは一面に過ぎず、依然としてこれからの印刷ビジネスを生み出すヒントを得られる印刷業界最大の展示会といえるのだろう。

  JAGAT info8月号では、7月号に引き続きdrupa2016について報告するが、少し趣を変えて、JAGAT専務理事の郡司秀明がdrupa2016で展示された機器などの傾向とそれらは今後の印刷ビジネスにおいて、どのように影響を与えていくだろうかという視点を交えて報告している。特に今回は各社が提案し、注目を集めたB1デジタル印刷機については過去のdrupaでのデジタル印刷機の流れを交えつつ、独自の視点で実際の生産機としての可能性に言及する。また、デジタル機による加飾加工での付加価値創造によるビジネス展開にも注目する。さらにソリューション的なものとして、「Print4.0」の提唱やHPの「Print OS」などは、まさに、これからの新たなビジネスモデルを生み出すだけのポテンシャルを持っているように感じられる。

JAGAT info8月号は、このほかに技術情報/グラフィックスの特別編として、印刷用紙の発注においてEDI導入により間接業務の大幅な効率化を実現した日経印刷の取り組みを中心に紙卸商側の対応を含めて紹介している。また、経営者インタビューには名古屋・近藤印刷の近藤起久子社長にご登場いただき、自社商品開発への想いや「見える化」への取り組みなどにとついて語っていただいた。

ちなみにJAGATもポケストップです。「ポケモンGO」をしている方は、JAGATに来訪いただく機会がありましたらチェックしてみてください。

(JAGAT info編集担当 小野寺仁志)

2016年8月号目次はこちら

【クロスメディアキーワード】メディアの複合利用

クロスメディアキーワード【第7回】

クロスメディアとは、ある情報について文字や音響、映像などの様々な素材と、ペーパーメディアやデジタルメディアといった複数のメディアを用い、効果的な情報伝達を行う手法である。

複数メディアの利用については、生活者のメディア導線を予測したシナリオにより、メディア毎に適したコンテンツを用意し情報発信を行う。メディア利用の概 念については、「ワンソースマルチユース」や「マルチメディア」、「メディアミックス」など、「クロスメディア」と似た様々なものがある。

ワンソースマルチユース

ワンソースマルチユースとは、基となる印刷用データやWebサイト用データなどから、異なるメディアへコンテンツ展開を行う概念である。「マルチ (multi:複数の)」の意味としては、利用するメディアの数や、コンテンツの再利用回数といった解釈も可能であり、ワンソースマルチユースにより、コ ンテンツの制作効率を高めるといった意味を持ち合わせている。

印刷用に加工されたデータ利用し、他のメディアへ展開を行うには、データの 再加工が必要となる。ワンソースマルチユースを実現するために、印刷用データに含まれる寸法や書体指定のような情報は付加せず、他のペーパーメディアや Webメディア向けといった複数の出力を想定したデータ作成が求められる。

マルチユースは「データベースパブリッシング」の考え方と接な 関係がある。データベースパブリッシングは、リレーショナルデータベースを用い、条件に応じて自動レイアウトを行うシステムである。フォーマットがある程 度定型化されている大型のカタログやパンフレットなどの制作には欠かせないものであり、データベースに蓄積されたデータの活用は、当初のメディアに対する コンテンツ制作や再利用だけに止まるものではない。リーフレットやWeb、デジタルサイネージなど、様々なメディアへのコンテンツ展開を可能にする。

出力メディアを構成するコンテンツに関する情報をデータベース化し、メディアに合わせた検索を行い、データ抽出後に自動レイアウトする手法が普及している。

文書の型を定義付けられるXML(Extensible Markup Language)を利用したデータベースをシステムの中核にし、各々のメディアに合わせたスタイルシートを用意することで、フレキシブルなコンテンツ展 開も実現できる。XMLに対応したDTPアプリケーションを合わせて利用することで、変更や修正を行った箇所をデータベース内のデータに対し同期させるさ せることが可能である。データベースにより派生する、他のメディアのコンテンツに、自動的に反映することができる。このコンテンツ管理手法が「ワンソース マルチユース」といった概念であり、データベースパブリッシングは効率良く実現するための手段である。

クロスメディア

共通データのデータベース化は、情報のクロスメディア展開の際においても有効な資源となる。クロスメディアの概念では、必ずしも「基となるデータ」が1つ である必要はない。情報発信の効果を最大限にするため、「基となるデータ」に対しメディア特性を考慮した加工を施すことや、新たな「データ」を追加するこ とが求められる。

現代の生活者は、製品やサービスを購入する際に関連の詳細情報を求める傾向があり、得た情報の結果に満足しないと購買活 動へと至らないことがある。製品の機能を紹介する場合、プリントメディアでは文字や写真、図表での表現となるが、映像や音響の利用により製品の動きや音の 表現が可能となり、機能の理解度が飛躍的に高まることが期待できる。映像や音響といった「データ」を追加することで、Webコンテンツにより効果的な製品 の機能紹介を実現できる。また、モバイル端末向けWebサイトを併設する場合、端末の動作を考慮し、コンテンツのデータ量を削減する取り組みも求められる ことがある。

映像や音響を扱うテレビ放送であっても、製品の詳細機能を訴求するメディアとしての活用が難しい点がある。テレビ放送は、インタラクティブ性や検索性に欠ける部分があり、生活者が情報を得る際、目的の情報を見付け難いことがある。

クロスメディアを実現するためには、メディア特性を熟慮する必要がある。クロスメディアは「基となるデータ」を効率良く展開することではない。情報の発信 者が想定するシナリオを前提に、情報の受信者である生活者が行動することを促すために、様々メディアの持つ特性を理解しメリットを最大限に発揮させること が重要である。

コンテンツを構成する情報による相互作用や相乗効果を高めるために、クロスメディアの概念が活用される。また、クロスメ ディアでは、QRコードによるWebサイトへの誘導、ICカードを活用した本人認証や決済機能など、各メディアの連携を実現する「橋渡しの仕組み」も不可 欠である。クロスメディアは、制作効率の向上が目的ではなく、情報発信の目的を達成するためのメディア活用手法である。

メディアミックス

メディアミックスは、メディアを組み合わせて情報の到達を最大限にする、クロスメディアと近い概念である。異なるメディアを組み合わせ、活用することにより、各メディアの弱点を補う手法といった原義がある。

コンテンツは、映像でなければ伝えられない情報や、熟読しないと伝えられない情報など複合的に存在するため、必然的に使用するメディアも複合的になる。映 像での情報と紙面(誌面)での情報を連動させ、生活者のコンテンツに対する理解を強化するために、統一したビジュアル表現を採用することもある。個別のメ ディアにおいても、原則的には個別にコンテンツとして完結することを前提にしている。

現在では、特定の娯楽作品が一定の経済効果を持った時、その作品の副次的作品を数種類のメディアを利用を前提に多数製作することで、ファンサービスと販売促進を拡充する手法を指すことが多い。

例題

次の文[ア][イ][ウ]と用語群[A][B][C]の組み合わせとして、最も適切なものはどれか[解答群]から選べ。

ア 一つの素材を複数の媒体で利用することであり、複数の範囲には利用媒体の数の他、再利用等の利用回数も含まれ、効率性を重視している。

イ 文字、音声、映像など多様な形態の情報を組み込んだメディアのことである。

ウ 情報資源を複数の適切なメディアに展開することで、目的達成のためにシナジー効果をもたらす手法である。

[用語群]
 A:クロスメディア B:マルチメディア C:ワンソースマルチユース

[解答群]
 ①アとC イとA ウとB
 ②アとA イとB ウとC
 ③アとC イとB ウとA
 ④アとA イとC ウとB

[解答]
 ③アとC イとB ウとA

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年)のものです。

第19期 プリンティングコーディネータ養成講座 講師陣

印刷業界をはじめ各専門分野で活躍中の一流講師が担当いたします。
プリンティングコーディネータ養成講座 TOPページはこちら

 

 
【講師】
 順不同(敬称略)

noge_tanaka.jpg(株)野毛印刷社 営業企画本部長 プリンティングコーディネーター
田中 浩

1971年横浜生まれ。1994年に新卒採用で野毛印刷社へ入社。半年の工務担当を経て、17年間営業職として、品質を求める美術・芸術・音楽、デザイナー、広告代理店、保険他、多岐にわたる業種の印刷物を手がける。2011年6月より、プリンティングコーディネータ兼工務課長として後進の営業同行と社内指示と共に、生産管理・購買・品質管理など、社内最適化に重点を置いている。

(株)story I  代表取締役
猪俣 恭子

webinomatasan大学卒財団法人生涯学習開発財団認定マスターコーチ                  
国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー

銀行で営業店勤務後、本部で行内研修の企画運営・講師兼人材育成業務を担当する。退職後、家業の印刷会社で営業、制作、工程管理に携わる。その間スクールで印刷・製版業界向け講師、およびDTPエキスパート認証資格試験合格対策講座の講師を担当する。特に印刷会社勤務時代は、現場で人を育てることの難しさを実感し、その後、コーチングを学び現場で実践しながら、本当の意味で人を育てるということを学ぶ。
現在は、コーチ・キャリアカウンセラー・講師として、JAGATをはじめ、数々の企業研修を担当し活躍中。
著書に「女性のためのリーダーシップ術」(幻冬舎/2014年刊)。

 

yoshikawa.jpg(株)サンエー印刷 常務執行役員 研究開発部長
吉川 昭二

1957年東京生まれ。明治大学を卒業後、
株式会社文祥堂入社、株式会社文祥堂印刷取締役を経て
株式会社サンエー印刷入社。印刷会社に35年余勤務しプリプレス~印刷の品質管理やISO運用、製造工程の管理を行う。
JAGAT専任講師として、セミナーや全国印刷会社の企業診断・指導に携わり、分かりやすく歯切れのよい解説により、セミナー等では毎回好評を博している。また業界誌にも執筆を続けている。


ph_miyamoto_yasuo.jpg(株)バリューマシーンインターナショナル 取締役副社長
宮本 泰夫

1993年より東洋インキ製造株式会社、HP Indigo社製デジタルオンデマンド印刷機の技術、アプリケーション開発、ならびにデジタルフロントエンドの企画、開発を担当。

2001年より印刷系ITベンチャーにてシステム開発、ソリューション開発責任者としてオンデマンド印刷のアプリケーション開発に従事。
2003年同社退職し、バリューマシーンを設立、現在に至る。デジタル印刷ならびにバリアブル印刷・Web-to-Printを中心としたビジネスコンサルティングを数多く手掛ける。

(株)トッパングラフィックコミュニケーションズ
第二制作本部 GA部 プリマグラフィ チーフディレクター 
小島 勉
kojima_mono
株式会社トッパングラフィックコミュニケーションズ第二制作本部 GA部所属、インクジェットによるアートプリント制作「プリマグラフィ」のチーフディレクター。
1987年、旧・株式会社トッパンプロセスGA部入社。サイテックス社の画像処理システムを使った商業印刷物をメインとしたレタッチに従事。1998年よりプリマグラフィを担当し現在に至る。
イラスト、写真、CGなど、様々なジャンルのアート表現に携わっている。


.png(株)T&K TOKA 技術本部 研究第一グループ グループリーダー
島村 到

1979年、東華色素化学工業(株)(現(株)T&K TOKA)に入社。硝子インキ課にて硝子ビン用スクリーンインキの研究開発を約3年担当。その後、技術第一部に配属されオフセット枚葉インキ及びオフ輪インキの新製品の研究開発に約12年従事。1994年1月より韓国の合弁企業(韓国特殊インキ)へ3年間出向しインキの改良、輸出インキの拡販に努めた。
帰国後、研究第一グループの枚葉インキの担当に戻り、グループリーダーとして後進の指導とお得意先の技術フォローを行っている。

テーマ:「抑えておきたい印刷インキのバリエーション」
<講師からのコメント>
近年、印刷業界が低迷しています。
印刷会社は、生き残りをかけて差別化を図りクライアントに選ばれる会社、提案できる会社になる必要があります。そのために必要な人材がプリンティングコーディネータです。
印刷の五大要素とは「原稿・版・印刷機・インキ・紙」と言われております。プリンティングコーディネータはこれらすべてについて熟知することが必要ですが、普段の仕事をしながら知識を広げるのは難しいと思います。今回のようなセミナーを積極的に活用してください。
私の担当は「抑えておきたい印刷インキのバリエーション」ということで、通常の色インキ(プロセス、中間色)とは異なる発色、特殊な用途に使用されるインキを取り上げます。これらのインキは一般のものより商品価値の高い印刷物や、特殊な機能性を付加した印刷物に使用されます。本セミナーにより、これらの特徴及び注意事項を確認し、付加価値の高い印刷物を作成してください。

奥村印刷(株) 取締役執行役員 プリプレスセンター長yamadasan.jpg
山田 秀生

1966年東京生まれ。1987年4月 奥村印刷(株)入社
平版印刷事業部 製版部・スキャナ課に配属。
CEPS、カラースキャナなどの担当を経て、製版進行を担当し社内の標準化に努める。
1993年 MacDTP導入とともに立ち上げを担当。カタログの自動組版を実現。その後、マルチメディア部門の創設、デジタルカメラスタジオの創設、カラーオンデマンド印刷機の導入などを実施。
2003年現職を拝命。CTPの導入を実施。機材の導入、ワークフローの整備、品質管理、営業サポートなどを主な業務とする。

(株)竹尾 企画部 部長 aoyanagi_portrait
青柳 晃一

1967年千葉生まれ。1989年(株)竹尾入社。紙営業士。
印刷営業部、営業推進グループ、コーポレート営業部を経て、現在、TAKEO PAPER SHOW、見本帖本店の展示会、青山見本帖などのプロモーション活動を担当。

(株)アドアーツ 代表取締役
仲 将晴0009_gray

1970年北海道生まれ。株式会社アドアーツ代表。
神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科卒業。
日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員、日本タイポグラフィ協会会員。
東京国立博物館や東京国立近代美術館、山種美術館など多数の美術館展覧会のグラフィックや図録のデザインのほか、ミュージアムグッズの企画立案などを手がける。
仕上がりから逆算してデザインするアートディレクターとして、印刷や紙媒体の特性を踏まえたクリエイティブマネジメントを行い、特殊な印刷や加工技術を用いた企画立案でクライアントの要望に応える。
主な受賞に国際カレンダー展金賞・銅賞、日本パッケージデザイン大賞入選など。

加藤製本(株) 代表取締役 顔P
加藤 隆之

91年、産経新聞に入社、社会部などで記者を務めた後、98年に加藤製本に入社。03年に渡欧し、国内で初めて本格的なPUR製本のノウハウを持ち帰る。08年、世界初のPUR無線上製の開発に成功。翌年アジア初のPUR横糊を手掛ける。13年、丸背のフランス、小口折装を開発(登録実用新案)。 14年、並製本の栞紐つけ機を開発(特許出願中)。15年、西岡製作所と共同でトライオートの自動化を実現し、丁合からの一貫ライン構築に成功する。2014年2月に代表取締役に就任。後加工に関する記事を多く執筆し、セミナー、講演も行う。現・日本文学振興会理事。

2hori.jpg


丸栄(有) 代表取締役社長

堀 知文

1964年生まれ、東京都文京区出身。立教大学理学部化学科卒。
1988年、六桜商事入社、イメージセッタ&RIPの販売促進、海外輸入製品のプロモーション、画像処理ソフトなどのマーケティングなどに従事。
2000年に金銀各種箔押、浮出、型抜、紙器加工の丸栄(有)に入社、2004年代表取締役に就任、現在に至る。
業界団体・東京箔押共和会 役員
JAGAT製本加工ハンドブック、編集委員会メンバー

 

 

【クロスメディアキーワード】インターネットとメディア

インターネットは生活者に溶け込み、スマートフォンやタブレット、ケータイ、パソコン、テレビなどを通じ、経済活動だけでなく、息抜きや創作活動 などにおいても幅広く利用されている。ビジネスパーソンにとってインターネットは、最も接触機会が多いメディアを支えるコミュニケーション手段である。し たがって、ビジネスパーソンをターゲットとする情報は、インターネット上で常に増え続けている。しかしWebサイトの中でも、ビジネスパーソンが情報収集 を行う際に利用が想定されるコーポレートサイトでは、評価が低いものも少なくない。Webサイトの評価は、システム構成やデザインだけで高まるものではな く、目的に合ったメディア戦略によるコンテンツ展開により成果が期待できる。

メディア活用の最適化を目指し

インター ネットは、明確なメディア戦略を持ち事業活動を行っている組織にとって、非常に有効な通信手段であることはいうまでもない。通信販売市場は、インターネッ トの普及により大きく変貌を遂げると共に規模を拡大している。インターネットによる通信販売市場の拡大は、購買履歴の活用による注文の簡便化や、受注処理 や決済処理の自動化による管理コストの削減による割引販売の実現といったメリットによるところがある。インターネットは、消費者だけでなくサービスを提供 している事業者にとっても、効率化による恩恵をもたらしている。

Webサイトとコミュニケーション

顧客との接点を目的 としたWebサイトの展開により、発信する情報(コンテンツ)を工夫することで、さらなる効率化をもたらしている。使用方法や修理の問合せなど、商品の購 入者に対する情報発信をコンテンツとして展開することは、その対応業務の簡略化に繋がる。メディア戦略によるWebサイトの展開は、製品やサービスのプロ モーションだけ目的とするのでなく、コスト削減を目指すこともできる。

メディア戦略の重要性

会社組織には、事業継続のため、収入と支出の両面でバランスを考慮したメディア戦略の策定が望まれる。効率化による収益の獲得は、さらなる成長への源泉になる。
印刷物の製造やWebサイトの構築を行う事業者は、顧客となる会社組織との関係を密にし事業構造を理解することで、総合的なソリューションを提供できる ようになる。事業構造の理解とメディア戦略の視点を持つことで、情報のクロスメディア展開によるソリューションを生むことができる。「コミュニケーショ ン」や「経営」、「情報技術」など、メディア戦略に関する要素は、様々な事業を支えるものである。

クロスメディアエキスパート認証制度

IT(Infomation Technology)の発展により、様々な会社組織の情報管理が合理的に行われ、コンピューターシステムとメディアの関係は深度を増している。それとと もに、メディア戦略の役割は大きくなる。クロスメディアエキスパート認証制度は、メディア戦略により社会を支える人材育成プログラムである。

資格制度事務局

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年10月)のものです。

【DTPキーワード】版面の設計

版面[type area ; type page ; text page]

「はんづら」と読む。組版されたページ面のうち、実際に印刷される文字、罫線、画像などが占める面の範囲のことである。結果的に版面の面積は、判型から余白を引いたものになる。
本文部分の各ページの版面は同一である。また左右両方のページを一つの図版として捉えるため、判型に対して版面が中央に位置していることは稀である。

判[size of paper ; size of book]

書籍やポスターなどの紙加工品の仕上がり寸法と形態を指す。
A4 判、A5 判、新書判、タブロイド判などがある。

マージン[margin]

出版物などのページにおいて上下左右に存在する版面以外の余白部分を指す。
各部の余白は上部は天、下部は地、製本で綴じられる内側はノド、その反対側は小口と呼ばれる。

    • ノド[back margin]
    • 本の綴じ目に沿った部分。

    • 天[head ; top ; top edge]
    • 本の上部。本の背以外の中身の三方の内上端を指す。
      「あたま」ともいう。

    • 小口[edge ; fore edge]
    • 仕上げ断ちした本の三方の切り口。一般には前小口のことをいう。

    • 地[tail edge]

    本の下部。本の中身を仕上げ断ちした後の三方の下部の切り口。「けした」ともいう。

マージンと版面の取り方には諸説あるが、判型に対する伝統的な書籍の体裁はノドあきが一番狭く、次に天、小口、地の順となるのが一般的である。
一般に判型が大きいほど余白の比率は大きくなる。
小口の余白は製本のズレが目立ちやすいのであまり小さくできない。

文字の大きさ・字詰め・行間の基本ルール

  • 文字の大きさは読者や本の内容によって異なるが、一般的な書籍・雑誌の本文級数は11〜14 級が標準である。
  • 1 行の字詰めは文字の大きさと判型に合わせて可読性のバランスを決める。
  • 行間は字詰めによって異なるが、文字の大きさの半角(1/2em)から全角アキが標準である。
  • 1 行の字詰めが長ければ行間を広くし、短かければ狭くする。
  • 大きな文字級数や字面が大きな文字は行間を広めにし、小さい場合は狭める。

基本組体裁

雑誌や書籍などのページに対する文字組みの基本となる体裁のことである。
版面の内側で基本組体裁に必要な値を決める。
まず先に書籍の内容表現にふさわしい書体を決め、ターゲットとしている読者が視認しやすい文字の大きさを決める。
次に組方向と行数や字詰めを決め、1 行の文字数が多い場合には段数を決める。多段組の場合には段間を設定する。
行長や字詰めと相互に関連しているのは文字サイズである。可読性という点で横組よりも縦組の方が行長を長く取ることができる。
行と行の間は一般に文字サイズの25%〜100% 程度あける。
文字サイズと行間を足したものが行送りである。
視線の移動を容易にするために、行長が長いほど相対的に行間は大きく取る。

  • 組方向[type set]
  • 本文ページが縦組か横組かを決める。

  • 書体[typeface ; face]
  • 文字の用筆(筆画)や形態が同じもので作られ系統化さている字形。フォントとは異なる。

  • 文字サイズ[font size]
  • 文字の大きさ。Q(1Q = 0.25mm)/ ポイント(1point ≒0.3528mm)で示す。

  • 字詰め
  • 1 行に収容される文字数。1 行の行長に相当する。

  • 行長[line length]
  • 1 行内での文字の配置において行頭から行末までの長さ。

  • 字間[character gap ; separation]
  • 1 行中の上下(縦組)または左右(横組)に隣り合う文字と文字の間隔。

  • 字送り[character pitch]
  • 隣り合う文字から文字までの間隔。

  • 行間[interline ; line space]
  • 組版における行と行の間の空き量。一説に行間の適性値は行長の3%という説がある。

  • 行送り[line pitch]
  • 文字の大きさに行間を足した距離。

  • 段[columns]
  • 行の集合を段と称する。1 行が長くなり過ぎると読みにくくなることから、適度の文字数、適度の行数にて段を形成する。

  • 段組[column composition]
  • 1 ページを2 段以上で組む文字組版の方法。通し組(1 段組)に対して用いる。

  • 段間[column space]
  • 1 ページを2 段以上で組む段組における段と段の間のスペース。通常段を識別しやすくするために行間よりも大きいスペースを確保して段を区切る。また罫線で区切る場合もある。

版面

有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一

(Jagat info 2014年9月号より転載)

プロの意識で取り組むDTP

印刷業界で一般的に使用されるようになったDTP(Desktop publishing)という用語は、ページレイアウトソフト「PageMaker」の販売開始にあたり、米アルダス社ポール・ブレイナード社長が1986年に生み出した造語である。 続きを読む