企業や組織で働いていると、打合せや会議のため時間を費やすことが数多くある。そのほとんどが、勤務時間中に行われるため自らの仕事の調整はもちろん、仕事の中断を余儀なくされるケースも多い。 続きを読む
「協会情報」カテゴリーアーカイブ
表組のケイ
日本語組版とつきあう その43
『DTPの基礎 改訂版』正誤表
『DTPの基礎 改訂版』(2012年2月3日刊)に以下の誤りがありました。
お詫びして訂正いたします。
記
161ページ「●DVDメディア」本文6行目
(誤)読み出し専用のDVD-RAMのほか、
(正)読み出し専用のDVD-ROMのほか、
2014年の印刷ビジネスを振り返り、2015年を展望
4月は多くの印刷会社にとっても新年度のスタートとなるが、新たな経営戦略や事業方針が立てられ、目標を達成するべくスタートが切られたことであろう。JAGAT info4月号の特集は、2014年の印刷ビジネス動向を振り返るとともに、2015年を展望している。 続きを読む
表(オモテ)ケイと裏ケイ
日本語組版とつきあう その42
専務理事就任のあいさつ
2015年4月1日からJAGATの専務理事になりました郡司秀明でございます。まだまだ不慣れのポジションで、皆様にはご迷惑をおかけすると思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 続きを読む
企業の成長と命運を決定づける後継者の育成はできていますか?
次代を担う印刷会社の後継者・経営幹部を育成する「印刷後継者・経営幹部ゼミナール」。2013年に修了した方の生の声をお伝えします。
ギフトカタログのWeb to printと電子版制作
DTPによる印刷物制作とWeb用のHTML制作を別々に進行することは、校正やチェックが2重となり、時間・コスト的にもさまざまな無駄が発生する。コンテンツを一元化し、DTPソフトに依存せずにPDFデータ作成とHTML展開を行うことが出来ないか。
共同印刷の藤森良成氏にギフトカタログのWeb to printに取り組んだ経緯を聞いた。
■DTPによるカタログ制作の問題点
ギフトカタログは定型レイアウトがほとんどで、基本パターンとして1つのページに商品単位の小組をレイアウトする。自動化しやすいケースではあるが、さまざまな要因から自動化されていないことも多い。DTPでフルに制作している場合、商品ごとに製造元や生産者に原稿(データ)と掲載内容に関してアナログなやり取りが発生し、たいへんな手間・コストがかかる。また、DTP上の修正はデータベースに反映することはできないため、次年度のトラブルの種になってしまうという問題があった。
■CatalogPackerの構成と機能
CatalogPackerは、ネットワーク上で定型カタログを制作するためのWeb to Printであり、自動組版システムである。Webブラウザ上で動作するため、OSに依存せず、各PCにDTPソフトウェアをインストールすることも不要である。
商品DBをメンテナンスするユニットとそのデータを組版し割り付けるユニットで構成されている。DBの内容はクライアントや商品のサプライヤーに直接直してもらうことを想定している。DBを修正した後、小組単位で自動組版してPDFを作成し、校了まで進める。
ページアップした後の校正は行わない。実際にはバックグラウンドでXSL-FOを生成し、AH Formatterで組版レイアウトを行っている。
例えば旅行のカタログを作る場合、通常のRDBなら朝昼夕の食事回数を0,0,1と記号化して入力し、印刷物にする際に「朝食0回、昼食0回、夕食1回」という文字列に変換している。
食料品の通販であれば、チルド、冷凍などの区分を文字ではなくマークや画像で表現してほしいとなる。
このような印刷物上のルールを、全部印刷会社側で管理すると校正漏れやミスも多くなる。
そこで、価格・スペックなどを格納する商品DBと、印刷物上の文字列などをXML形式で記述する体裁情報DBに分けた。価格・スペックの修正は、常に体裁情報DBに同期されるようになっている。
小組のレイアウト指示は簡易設定画面から行う。小組の縦横サイズやどの位置にデータベースのどの項目を配置するか、その条件などを設定する。プレビューボタンを押すと、作ったレイアウトにデータベースの1件目が流し込まれて、結果を確認することができる。裏側ではXSL-FOで動作しているが、DTPや組版の専門的な知識は必要ない。簡単なトレーニングでWebオペレーターでも対応できるレベルである。
InDesignなどのDTPでカタログを制作する際、難しいとされているのが爪(インデックス)の自動発生である。例えば、北海道とか東北とか海鮮品なのか野菜果物なのか、フラグによって爪の色や文字、位置を変更する。DTPではオペレーターが手作業で配置するしかないが、XMLなので自動生成することができる。
レイアウト後にデータ修正をする際、画面をクリックすると「データを修正しますか。それともレイアウトを修正しますか」と選択できるようになっている。価格データを修正すると、連動して小組に修正が反映され、PDFが自動で作成される。
また、「今回だけこの価格を特別値引きにしたので、色を変えてほしい」といった修正であれば、レイアウトの情報だけを変更すればいい。
このような形でデータと体裁を分離し、管理しているためコンテンツの一元化を実現することができる。
■今後の課題
実際に運用してみると、一番の問題は商品のサプライヤーが画面上でのデータ修正に慣れていないことであった。
また、この仕組みは定型カタログが対象である。定型カタログはカタログの12~13%でしかない。大量部数であるため仕事としては重要だが、頻度は少ないというのが実態である。
今後は、CSS組版による印刷データ制作にトライしたいと考えている。CSS組版ができれば、Webと共通のラインで紙でも電子でも制作することができる。このような形でコンテンツの一元管理を進めていくことで、印刷会社がシステムインテグレーターやWeb制作会社と差別化することが可能になる。
(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)
XMLを活用した製品マニュアルとHTMLの同時制作
三和印刷工業では、主にAV機器、デジタル製品の取扱説明書やサービスマニュアル等を制作している。XML技術を活用したコンテンツ管理と自動組版、HTML自動生成など、製品マニュアルのワンソースマルチユースを実現し、多言語対応にも効果を上げている。
同社代表取締役の竹内栄司に話を聞いた。
■XML技術を導入した背景と方法
顧客は電機メーカーで、テレビ、DVDレコーダー、ビデオカメラ、デジカメなどのマニュアルを制作している。仕事量は年々減っているが、競合も多く品質や納期面の要求はより厳しくなっている。DTPなど従来の方法では限界があり、大幅な原価削減や差別化を模索していた。
XMLはタグ付きテキストデータであり、1つのデータからスタイルシートを変えることでレイアウト変更や印刷用PDFを書き出し、自動でHTMLを生成することができる。DTPを自動化し、Webマニュアルも同時に自動生成できることから、XML方式を導入することを決定した。XMLの生成方法は、WordやInDesign、XMLエディタも検討したが、オペレータにXML知識が不要で、ワンソースマルチユースが可能なCMSを自社開発することに決定した。データベースのサーバーにテキストやイラスト、スタイルシート等が格納され、そこからXMLが自動出力される。XSLTスタイルシートを経由してアンテナハウスのAH Formatterという変換エンジンでPDFに書き出す。HTMLもCSSを組み合わせて自動でアップする仕組になっている。
■システム開発の経過と成果
初期の段階で、テキストとイラストを多言語も含めて全部データベース化し、PDFとWebマニュアルを同時に作ることができ、また取説の固有名詞を管理するシステムを2年かけて開発した。最初からいろいろな仕組みを一遍に立ち上げたため、安定もせず、効率化もできていなかった。しかし値段だけは安くできたので、顧客も許容してくれた。その後、約3年かけてシステムを強化した。1つのモデルの取説を複数の人間で編集できるようにした。また、例えば5モデルくらいを一度に作り、最小限の修正作業で各ファイルに反映できるようにした。PDFとHTMLも同時に作ることを実現した。DTPに追いつき、追い越したというところである。
さらに、XMLと翻訳システムを連動させた。検査機能や自動メンテ機能を付加し、作業を大幅に削減することができた。システム的に品質向上する仕組みを実現することができた。現在、6年が経過し、編集システムiTrexと翻訳管理システムiTosに加え、PettssというGUIの用語データベースが連動している。
システム導入の効果として、以前の体制よりDTPオペレータと校正者を削減し、執筆者を増やすことができた。XSLTというスタイルシートの設計は、当初外注していたが現在は内製化している。納期面でも、多言語版を含めると大きな効果が出ている。レイアウトも翻訳準備も自動化したため、InDesignで約20日間かかっていた業務が約10日でできるようになった。顧客からも高い評価を受けている。
■今後の展開
Web化することで取扱説明書の付加価値を上げたいと考えている。通常の取説は、目次と索引で必要な事項を探す必要がある。目次にできることを並べているだけなので、どの機能を使って良いかわからない。デジカメなどでは、目次だけで100項目くらいあるので全部は読まれていない。
Webマニュアルであれば、「初めて使うときは」をクリックすると、初めて使うときの手順をエンドユーザーにナビゲートすることができる。「めざまし時計代わりに音楽を再生したい」とか、「プレイリスト風に使いたいときはどうするか」等、事例を挟みながら説明することができる。また、ネットワーク接続は他メーカーの機器と接続するため、取説で説明することは非常に厄介だったが、Webなら条件を選ぶことによって絞り込むことができる。
使い方がわからないとエンドユーザーはメーカーに電話するが、そのサポートもコストになる。Webマニュアルを提案することで、メーカーではコスト削減になり、印刷会社の付加価値にもなる。しかも、手間や費用をかけて制作するのではなく、紙を作ったついでにHTMLにすることを選ぶだけである。これがPDFとHTMLを同時に印刷するという事例である。
(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)
「印刷会社のフリーペーパー展」page2015特別企画報告
page2015では、JAGAT会員企業が企画・編集・制作などに参加するフリーペーパー・フリーマガジンを募集、 会場内に特設ブースを設け、展示を行った。そこから見えた印刷会社のフリーペーパーについて報告する。 続きを読む