現代の印刷ビジネスにおいては、顧客の多様なニーズに応えるとともに、新たな収益を確保するためにも新商品・新サービスの開発が求められている。去る7月4~5日の2日間、(株)日光プロセスが錆猫ギャラリー(吉祥寺)において「製版屋さんのまかない雑貨」展示・即売会を開催し、製版屋ならではの紙を使った商品を中心に展示・販売をした。
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「印刷」タグアーカイブ
リモート時代のOJT教育とコミュニケーションのあり方
OJT(On-the-Job Training)は、主たる教育手法であり、仕事現場に触れながら組織風土や仕事内容、先輩社員の人柄を知り企業の一員になる上で重要なプロセスである。
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印刷会社のテレワーク実態調査に見る方向性
コロナ禍で取り組まれたテレワークの実態はどのようなものか。実施企業は8割超だが、従業員の参加率は2割強にとどまった。製造業のテレワークは難しくも不可避な潮流として捉え、顧客のテレワークに対応する必要もある。課題と成功要因などをレポートにまとめた。
印刷業界向け生産性向上支援訓練のご報告
新型コロナウイルス禍の影響もあり、働き方改革が改めて注目されているが、中小企業が改革と同時に事業を継続的に発展させていくためには、自社の労働生産性を高めていくことが必須であり、そのベースとなるのは社員教育である。
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新しい生活様式のもとでリアル文化に触れる
緊急事態宣言の解除を受け、一部の美術館や博物館などの展示が再開されている。新しい鑑賞ルールに従いつつ、リアルな文化に触れる機会を増やしてみてはどうだろうか。
再始動する新入社員!求められる教育とは?
緊急事態宣言が解除になり、自粛を継続しながらも6月から経済活動が再スタートする。それにともない、在宅勤務、または自宅待機していた新入社員は、あらためて社会人生活が始まる。
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page2020セミナー「効果の高いパーソナライズDMの実際」開催の報告
Webを始めとするデジタルメディアが進展する中、注目されているのが紙(アナログ)メディアのダイレクトメールである。
メールやチラシといった不特定多数向けのメディアではなく、自分の宛名で届きパーソナライズされたダイレクトメールは特別感もあり、購買へつながる可能性が高い。
最近では、ダイレクトメールからネットに誘導するような工夫をこらし、デジタルと融合させたものもよく見かける。ただ単に上質な紙や凝ったデザインだから良いというわけではない。
JAGATは、2020年2月5日(水)~7日(金)の3日間、池袋サンシャインシティーにて、page2020「デジタル×紙×マーケティング for Business」を開催した。
印刷業界だからこそできる顧客満足が得られるダイレクトメールは、どのようにしたらできるのかを考えるべく、「パーソナライズDM」をテーマに、データ取得分析からプロモーション、メディア企画への具体的な手法を学ぶセミナーを行った。
はじめに、有限会社グレイズ代表取締役の小澤歩氏がマーケティングの基礎をわかりやすく解説。続いて、フュージョン株式会社エグゼクティブマーケティングディレクターの吉川景博氏より、ダイレクトメールのトレンド、心に響くパーソナライズDMについて事例を交えながら紹介。2人の講師による内容の詰まったセミナーとなった。
■ターゲットを絞り込みアピール!
「DMやチラシを作ることは目的ではなく、それらを組み合わせ顧客が購入してくれる仕組みを作ることがマーケティングのゴールである。」と小澤氏の講義が始まった。印刷会社は、印刷物を作り、顧客へ納品し業務が終了する。しかし、その先には、顧客から消費者という情報の受け取り手がいるということを改めて感じた一言だった。そして、プロモーションには、「物を紹介する手法」と「顧客ニーズに応じてアピールしていく手法」という2つがあり、物や情報があふれている現在、後者の手法が有効である。なぜなら「顧客ニーズに応じてアピールしていく手法」では、状況に応じて自分の抱えているニーズが解決できることが、その人にとって価値のあるものだという考え方がマーケティングのベースにあるからだ。
状況に応じた提案と顧客のニーズを満たすことで競合との差別化が成立し、1~2回利用した消費者から段階を踏んで何度も利用してくれる消費者へと上げていくことが最も理想的といえる。消費者が未認知から見込み客、一般客、リピート客へと変化していくためには、それぞれの段階に応じた施策を立て、組み合わせていく必要がある。例えば、チラシは不特定多数の人に存在を知らせ、お店に来てもらうという目的である。連絡先などの情報があるリピート客には、チラシではなくDMを送るなど、段階によってアピールする手法が変わってくる。売上は、客数×客単価×リピート回数で、企業の売上を多く作るのは、リピート客であり、リピート対策に適しているのがDMである。とマーケティングの基本を解説し、受講者も納得していた。
■心に響くパーソナライズDMでリピート率up!
吉川氏は講義の冒頭、ダイレクトマーケティング協会の調査やアメリカの市場でのアンケートでも、ダイレクトメールがトレンドだという結果が出ていることに触れ、マーケターがDMに注目していると現状を報告。
DMの活用方法として、新規顧客とリピーターへアプローチしていく2通りを例としてあげた。
出前サービスで注目を浴びているUber EatsはTVCMやデジタルマーケティングを使い、その認知度を高めている。ただし、デジタルだけなく、地域エリアにターゲットを絞り込み、ポスティング等の紙媒体を活用することで更なるプロモーションの強化に努めている。紙DM(チラシなど)でサイトに誘導し、商品を購入してもらう。紙からデジタルへと上手く活用し、集客を得ている例を紹介した。
リピーターから優良顧客への施策も重要視されている。優良顧客とは、来店・来訪回数が多く、企業によって異なるが、例えば、全体売上の上位2割を占める顧客とし、その優良顧客を増やしていくことが必要だ。特別なサービスをDMで案内し、年間を通じて客単価を上げていく。また、実験的にいろいろなDMを送り、データをとってみると訴求力が違うことがわかる。顧客に向けてのアプローチ方法には、クリスマスやお正月といった行事にポイントをあて「みんな」に送るDMと、お誕生日や記念日といった「あなた」に送るDMに分ける。リピーターを増やすためには「あなた」に送るDMをもっとフォローしていく必要があるという結果がでた。データ活用とターゲットの絞り込み、そして、その人に合ったタイミングや内容で伝えるDM、まさにそれがパーソナライズDMというところの要素である。
講義の中で吉川氏は、豊富な具体的事例を示し、心に響くDMの価値と効果が実感できた。
受講者のアンケートを見ると、多くの受講者から「DMの在り方を考えさせられた」「具体的な実績でわかりやすかった」「パーソナライズの効果が確認できた」という意見が寄せられ、「機会があればまた聞きたい」と大多数の方が満足し、講座を終えた。
今回は、2時間という限られた時間だったが、印刷会社の方々にパーソナライズDMの価値や効果など理解していただけたと思う。そして、今後、自社での取り組みとして、印刷会社ならではの提案、形にできるDMを作るヒントになっていただけたら幸いだ。
印刷業界として多くの人の心に残る特別なDMを届けていきたい。
JAGAT 加治 寛子
■page2020 「効果の高いパーソナライズDMの実際」
~データ分析からプロモーション戦略、メディアプランニングの手法を学ぶ~
在宅勤務を利用した人材育成
新型コロナウイルスの感染拡大にともなり在宅勤務の動きは強まる。
一方、この機会に人材育成に力をいれる企業も増えている。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今夜にでも緊急事態宣言が発令される可能性がある。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に、期間は4月8日から5月6日までとする方向だ。
それを受けて、企業の働き方は大きな転換期を迎え、4月8日以降にリモートワーク、在学勤務へシフトしていくだろう。一般社団法人日本テレワーク協会では、テレワークを緊急導入される企業等向けに、同協会の会員企業・団体によるテレワーク緊急導入支援プログラムを紹介し、期間限定の無償プログラムの提供に力を入れている。
こうした制度を有効活用しながら、企業はテレワークの運用に向けた準備を整える必要がある。
■新型コロナウイルス感染症対策:テレワーク緊急導入支援プログラムのご紹介
(日本テレワーク協会)
一方、3月から印刷関連企業へヒアリングを行っているが、在宅勤務の時間を有効活用して、人材育成に力を入れる企業が多い。この機会を投資期間と捉え、しかるべきタイミングで新たな一手を打つための溜めとしているようだ。利用する教育ツールも公開セミナーから、自宅で学習できる教育として、オンラインセミナー、e-ラーニング、通信教育の利用へシフトしている。
JAGATも印刷業界向けの通信教育や書籍を取り揃えているが、4月は新人向けの教育ツールとして、「新入社員コース」「印刷技術・基本コース」の利用が大きく増えている。
JAGAT通信教育を利用した受講者のアンケート結果によると、「通信教育を勉強している主な時間」の質問に対して、50%が休日、35%が帰宅後と回答している。隙間時間を有効に活用できる教育ツールなので、在宅勤務を利用して人材育成をするには利用しやすい。また、通信教育はテキストを読んで問題を解くので、成績表として社員の学習進捗状況を把握できる点は企業のメリットでもある。
ぜひ、在宅勤務を生かした人材育成に通信教育を利用するのはどうだろうか。
なお、経済産業省が4月6日に新型コロナウイルス感染症で影響を受けた企業に対する支援として、資金繰り支援を中心とした制度を発表している。
日々、多様な支援策が講じられるので、情報をウオッチしながら紹介していきたい。
CS部 塚本 直樹
通信教育のWebページ:https://www.jagat.or.jp/cat4
『JAGAT info』2020年2月号

■特別インタビュー
マンガの力で印刷ブームを起こしたい
ウェブ連載中の『今日も下版はできません!』作者 奈良 裕己氏
■DTPエキスパート認証試験制度改定のお知らせ
DTPエキスパート認証試験 2段階制に改定 2020年3月より実施
■特別企画
JAGAT大会2019特別講演報告
「商売と経営〜売れて・喜ばれて・儲かる」
高倉町珈琲 代表取締役会長 横川 竟氏
■私の若手社員時代
独自ノウハウを見生み出し、高品質組版を実現するために奮闘した若手時代
―自分の得意分野を持つことが自信につながる―
寿印刷株式会社 代表取締役社長 井下 精二氏
■マーケティング情報
ライト出版の誕生と広がりに関する考察
商業出版と同人出版の間に生まれた新たな出版スタイル
■デジ印奏論
2020年に日本のデジタル印刷は花開くか?
■技術トレンド/クロスメディア
AIを組み合わせた「進化系AR」でコスメのオンライン販売が身近になる
■技術トレンド/グラフィックス
徹底した情報開示と教育が変革のエンジン
〜オープンブック・マネジメント
■Education
新入社員教育の重要性
■エキスパート資格
実技試験はどう変わる?
■デザイン・トレンド
印刷・加工技術を応用した新素材の提案
第10回 高機能素材Week/第29回 液晶・有機EL・センサ技術展
■森裕司のデジタル未来塾
2020のバージョンアップ
■デジタル印刷最前線
好調のハコプレビジネスを強化する新デジタル印刷機プライムファイア106を導入
共進ペイパー&パッケージのプライムファイア
■DTPエキスパートのための注目キーワード
ワークフローの情報交換
■クロスメディアエキスパート試験でも役立つ課題解決入門
小説投稿サイトの動向とデジタルファースト出版
影山 史枝
『みんなの印刷入門』のご案内/『印刷白書2019』のご案内/『印刷産業経営動向調査2019』のご案内/印刷界OUTLOOK/Keyword2020/西部支社便り/印刷業のための新入社員研修のご案内/『DTPエキスパート受験サポートガイド』のご案内/第6期工場マネージャー養成講座のご案内/印刷営業20日間集中ゼミのご案内/『クロスメディアエキスパート受験サポートガイド』のご案内/JAGAT印刷総合研究会のご案内/JAGAT通信教育のご案内/図書のご案内/印刷経営ウォッチング/ニューメンバー・消息
2020年2月15日発行 A4判


人気の「page2020カンファレンス」のみどころ!
page2020カンファレンスでは、印刷メディアにとどまらず、デジタルも含めた幅広い領域をテーマに、各界の第一人者がココだけの話も含めたディスカッションを全12本で繰り広げます。 続きを読む