赤系統のインキの版への影響。(261)

掲載日:2014年9月8日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:インキローラー

 

赤系統のインキの版への影響。(261)

 

【概要】
 赤系統のインキは、他のインキに比べて、親水層を壊すなど版に対する影響があるように思われるのですが。

 【解決方法】
 赤系統のインキには、紅・赤・金赤等があります。顔料は、紅が「ブリリアントカーミン6B」,金赤が「レーキレッドC」,赤は紅と金赤の顔料を混合したものです。従来は赤に「ウオッチングレッド」という顔料を使用していましたが、現在は混合されたものが多いようです。
 金赤の顔料「レーキレッドC」は水と相性が良い(完全な親水性ではありません)という性質を持つため,乳化を起こしやすくなります。しかし,親水層を壊すということは考えられません。汚れが出るとすれば,金赤の乳化によるインキの水への泣き出しによるものと考えられます。
 乳化は浮き汚れにつながりますので,金赤を使用した特色等は、湿し水の量を抑えてインキ乳化にならないように注意しましょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)