ユポ紙への印刷について(247)

掲載日:2014年9月8日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

 
ユポ紙への印刷について(247)

 

【概要】
ユポ紙への印刷について
 インキは合成紙用、水は汚れの出る手前まで絞って印刷していますが、ポスターなどのベタが多い物では刷り出し30枚位でブロッキングを起こし(500枚程度で板取り)、ベタが少ない物では50~100枚程度でインキがのらず網点のかすれが発生します。原因及びユポ紙への注意、有効な印刷方法を教えてください。

 【解決方法】
ユポ紙の印刷で、ポスターなどのベタの多い印刷物が、刷り始めの30枚位がブロッキングを起こすのはデリバリ部の紙の不揃いが原因と思われます。特に刷り始めでは、デリバリ部の紙が少ないため、紙の揃えが悪くなる結果と考えます。
ベタの少ない印刷物でインキがユポに乗らないのは、決して湿し水が多いわけではありません。
 通常水を絞って印刷を行ってもブランケットの上には0.02ミクロンの水膜があるといわれています。少し水上がりが多ければ0.04~0.06ミクロンになります。
 普通の用紙ですと、その水膜は印圧によって紙に叩き込まれますが、ユポのように非吸水性の合成紙はブランケット上の水膜を吸い取らず、水は表面に蓄積されぬれていますのでインキの着肉が悪くなるわけです。
 有効な方法として「水無し平版印刷」をお勧めします。ユポ用のインキも用意されています。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)