リニューアルよりも手軽、コツコツ型でより良い結果を求める「A/Bテスト」とは

掲載日:2018年5月10日

A/Bテストとはなにか、なぜ実施するのかなど基本的な内容を紹介します。【初心者向け】

Webサイトでよく使われる改善手法のひとつに「A/Bテスト(エービーテスト)」があります。無料で使えるツールのほかMAツール内にA/Bテスト機能を備えているものも普及し、数年前から活用する企業が増えています。

改めて確認したい「A/Bテスト」とは

A/Bテストとは、現在行っている施策【A】と、テストしたい新たな施策【B】について、どちらが効果的かを評価する手法です。グループ分けしたユーザーに対してそれぞれの施策を表示し、どちらがより効果があるかを検証します。主にWeb関連で使われています。

たとえば、「バナーのクリック率をアップしたい」という場合を考えてみます。「〇〇の場合は、ビジュアルがない文字表現のほうが情報が伝わるのではないか」という仮説を立てて、現在表示している大きく写真を配置したバナー【A】と、インパクトのあるテキストだけのシンプルなバナー【B】の2種類を用意します。

ツールで条件や表示比率などを設定すると、サイトを訪問したユーザーには【A】か【B】どちらかのバナーが表示されます。

一定期間たつと、どちらのバナーの方がよりクリックされたかのデータが蓄積されます。それにより、よりクリックされたデザインのバナーに変えるとクリック率向上が期待できます。

なぜ実施するのか、どんな効果があるのか

A/Bテストは、主にコンバージョン率の向上を目的に実施します。

コンバージョン率とは、「商品を購入してもらう」「特定のページを見てもらう」などのゴールに対してアクションを起こしてくれたユーザーの比率を指します。さきほどの例だと「ページ訪問者のうち、バナーをクリックしてくれた人の比率」になります。

サイトをよりよくする方法としては、Webサイトをリニューアルするという選択肢もあります。しかし工数も費用もたくさんかかります。A/Bテストであれば、それほどコストをかけなくても表現や配色などを少し変えるだけで、結果的に大きな効果に繋げることも可能です。

Web広告のクリエイティブ改善にも広く活用されており、Googleでもブログ上で動画広告でA/Bテストを行うことを勧めています。(→動画リワード広告の A/B テスト方法 |Google Developers)

印刷物でもA/Bテストは行われている

紙媒体でもA/Bテストを実施して効果測定することがあります。

たとえばDMの封筒デザインを2種類用意してどちらが反応が良いかをテストしたり、数種類のデザイン分けしたチラシで効果測定をおこなったりします。デジタル印刷を活用することでスピーディに細かな出し分けも可能になってきています。

いまはツールの充実度やコスト面などからWebで活用されることが多いA/Bテストですが、技術進化やMAツールの連携によって紙でのA/Bテストもいっそう増えていくかもしれません。

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A/Bテストを続けるためには、仮説を立てたりテストを設計したりする前段階の工程が重要になります。また繰り返し行うことで効果があがるので、コツコツと作業していくことが必要です。いろいろな仮説を立ててテストしてみるだけでなく、他社のA/Bテスト事例を知ることも注目すべき視点や改善するポイントなどがつかめるので参考になるでしょう。

(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)

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