信頼関係を構築するための「傾聴」
 −『JAGAT info』6月号のご案内−

掲載日:2025年6月13日

 新入社員の早期離職は、企業にとっていわば積年の課題である。厚生労働省が毎年発表している「新規学卒就職者の離職状況」(リンク先はこちら)を見てみると、例えば2000(平成12)年3月に大学を卒業した新入社員の就職後3年以内の離職率は36.5%であった。そして同月高校を卒業した新入社員の就職後3年以内の離職率を見ると、なんと50.3%を記録している。ちなみに直近のデータでは、2021(令和3)年3月の卒業で、それぞれ34.9%と38.4%である。
 労働市場の動向を踏まえると、人事面での課題は新入社員の早期離職防止だけにとどまらない。一例を挙げると、女性活躍推進法の施行・改正に伴い、中小企業においてもさまざまな対応を行うことが要請されている。しかし、その一方で「管理職登用に関して、女性社員の手本になるような先輩女性社員(ロールモデル)がいない・少ない」「新規採用者(新卒・中途)に占める女性の割合を高めたいが、想定どおり進まない」といった切実な声も聞かれる。人手不足や人材難と叫ばれて久しいこのご時世、採用して自社に定着してもらうことの重要性はかつてないほど高まっているといえるだろう。
 さて、厚生労働省では「女性社員の活躍を推進するためのメンター制度導入・ロールモデル紹介・地域ネットワークへの参加マニュアル・事例集」という資料を公開している(リンク先はこちら)。ここで言及されているメンター制度とは“斜めからの支援”とも呼ばれており、直属の上司や先輩ではなく、他部署の経験豊かな先輩社員がメンターとなる点が特徴である。そして「対等な関係で相手の意見を受け入れ、相互に視野を広げて信頼関係を築く」ための会話を行うべく、メンティ(対象となる後輩社員)の意見に耳を傾けることが大切であるとしている。
 このように耳を傾けることを「傾聴」と呼ぶが、最新号の特集ではこの「傾聴」という言葉が重要なキーワードとして登場する。詳しくは本誌をお手に取っていただきたい。

 

『JAGAT info』2025年6月号のご案内

◯特集
 page2025開催報告
 若手が辞めない!育成のための魔法の杖はこれだ
  泉谷史郎氏(TOP社労士事務所代表/
        TOPPAN情報コミュニケーション事業本部ビジネス
        プロデュースセンター第六プロデュース本部本部長)
  坂口雄人氏(キヅキウム代表取締役社長)

 若手社員の離職が経営課題となっている昨今、人材育成や組織の活性化についてどのように取り組んでいけばよいのであろうか。特集では、page2025オンラインセミナー「若手が辞めない!育成のための魔法の杖はこれだ」の講演要旨を収録する。
 部下との信頼関係の構築という魔法の杖を手に入れるために必要なことは何か、長年その課題に取り組んできた二人の講師にその秘訣を伺うと、ポイントは「傾聴」と「Judgement」にあるという。経営層をはじめ人事労務担当者や中間管理職も必読の内容である。

◯特別企画
 講演録 AIを活用したデータ分析講座
  講師:本間充氏(マーケティングサイエンスラボ代表取締役所長)

 JAGATでは、各分野の有識者を講師に招いて職員向けの勉強会を随時開催している。特別企画では、今年春に実施した、AIの活用とデータ分析をテーマにした講演の要旨を紹介する。
 レクチャーしていただいたのは、本誌でもおなじみの本間充氏。デモンストレーションを交えつつ、分かりやすい語り口で本質に迫っていただいた。

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(『JAGAT info』編集部)