お客様の成功へのサポート

掲載日:2014年8月21日

※本記事の内容は掲載当時のものです。
事業紹介インタビュー:お客様の成功へのサポート 

 

ハイデルベルグ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 山本幸平氏に聞く

 

 ドイツ・ハイデルベルグ社は世界170カ国に20万社の顧客をもつグローバル企業である。
そのハイデルベルグの印刷機が初めて日本に上陸してから今年で80周年。そして、未来に向けて、ますます日本の印刷業界、お客様に対するサポートを強化しているハイデルベルグ・ジャパンに、印刷機器メーカー、またトータルソリューションプロバイダーとしての事業展開と顧客支援ついてお話を伺った。

――印刷産業市場とハイデルベルグ社の現況についてお聞かせください。

山本 まず、世界の印刷産業市場を見ますとヨーロッパは微増、北米はM&Aによる企業格差の増大が特徴的で、成長しているのは南米と中国・インドを中心としたアジアです。日本は企業格差が拡大しています。印刷の事業者数が減り、1事業所当たりの売り上げが伸びてきています。また、世界の製品別印刷媒体の生産割合では販促物のシェアが一番高く、パッケージ・出版・ビジネスが多いのですが、今後はパッケージ印刷が伸びていくと考えています。カラー化も進んでいて印刷物出荷量で4色以上の割合は1990年に35%だったものが、2005年には50%、これは予測ですが2020年には70%に達すると見ています。
ハイデルベルグの社員数は1万8700人(このうち日本法人は約500人)で、設備の活性化によって今年度は力強い成長を維持しています。ヨーロッパ、アメリカ、日本など印刷先進国での10、12色の両面兼用機、UVやコーティングなどの特殊機、生産性と高品質のためのXL105機の出荷増によっています。それから中国やインド、ラテンアメリカで4色機などの標準仕様を中心とした高成長です。

――開発と生産への取り組みはいかがでしょうか?

山本 ハイデルベルグはドイツを中心に世界に14の生産・開発拠点をもち、ソリューションプロバイダーとして印刷プロセスを取り囲むハード、ソフト、ブレインウエアを提供しています。印刷の将来を見据えた総合的な研究開発のために昨年は総売り上げの約6%を投資しています。約1500人が研究開発に携わっていて、そのうちの約350人がソフトウエア開発に従事しています。大学、研究所、サプライヤーなどとの国際的なネットワークを構築し、研究開発に活用していて年間5500件の特許を申請しています。
ウイスロッホの組み立て工場は87万3000m2あり、サッカー場の約120面に相当する広さで、従業員が6000人です。アムシュテッテンにある鋳造工場では、ギアやシリンダー、フレームなど印刷機の品質を実現するために重要な役割を果たす部品が鋳物から作られています。非常に優れた品質でハイデルベルグの機械が高精度に保たれている一つの理由です。

――どのような顧客支援をされていますか?

山本 今、お客様にとっての課題の解決を3つの観点からサポートさせていただいています。一つは「スピードアップ」を求められているということ。次に「コスト削減」、それから「付加価値(印刷価値)の向上」です。
スピードアップについてはプリネクトによるプロセスの最適化と全体生産性の向上を図っています。基本的にお客様にとっての理想的な生産工場、生産現場とはどういうものかということを考えています。いくらデジタル化や技術が進んでも、やはり印刷というのはアナログの感性が必ず必要になってきます、そういうことをアナログの感性を損なわずにデジタルネットワーク化への適合をご説明して提供させていただいています。営業、制作、工場がやはり共通の認識をもってお客様サイドでスキルアップに努められる環境作りのお手伝いさせていただく。それから、多種多様な仕事、非常に効率良く対応できる生産設備を提供・提案させていただく。これによって工場内での標準化、つまりだれが刷っても品質にムラがないように指導させていただくこと。無駄のないワークフローのご提供で環境に優しく、人に優しい工場を作っていきましょうということ。これが弊社の営業担当者のエッセンスです。お客様の必要に応じて提供できるソリューションがたくさんありますけれど、それを駆使して印刷の前から後ろまで製品完成品が納品できるまでのフローのお手伝いがワンソースでできますよ、ハイデルベルグ・ジャパンとお付き合いしていただければできます。そういうアプローチをさせていただいています。

――今後、どの分野で成長が期待できますか?

山本 高品質の印刷を正確に行うためには印刷機と連動するCTPが不可欠ですが、ハイデルベルグのCTP、特にサーマルのスープラセッターに対する評価が非常に高くなっています。印刷機も生産性向上に貢献しています。同じ菊全判の4色機でも2000年と比べて2004年では20%アップしていますし、2006年では50%アップしています。値段はほとんど変わっていません。
新しい技術の一つとしてアニカラーが、今年から日本に入って来るのですが、これが驚異的な機械です。従来機に比べて損紙が約80%削減でき、前準備時間も50%削減できるんです。100~1000部くらいのロットの仕事に最適です。この部数でしたらデジタル印刷機より高い利益率が得られます。
後加工の効率化では断裁機、折り機、中綴じ機の導入も進んでいて無線綴じ機も間もなく日本仕様で入ってきます。
パッケージ部門は非常に強化していてヤーゲンベルクを買収してから後工程の加工技術が急速に向上しました。

――ハイデルベルグだから提供できるさまざまなソリューションについてご紹介ください。

山本 まず、装置の先進性が挙げられます。生産性の高い装置は設備投資の額も高くなりますが、お客様にとってのメリットは非常に大きいのです。さらに、印刷の標準化を徹底的に追求するサービスと、PMAによる人材教育のサポート。そして保守メンテナンスプログラムの豊富さも弊社ならではの特徴です。幅広い人材が揃っており、彼らがプロセスを超えてコミュニケーションしサポートしますので、いい機械をきちんとメンテナンスさせていただくと同時に最高のレベルに保つことができます。こういった観点からも、お客様のトータルコストの削減に寄与できると思います。入り口から出口まで一気通貫でいかにコスト削減ができるか、いかに収益を確保できるかということが、今の印刷会社には大切なことだと思います。
また、リモートサービスと呼ばれる遠隔サービスも提供していますが、これはインターネット回線を使ってお客様の機械とつなぎ、状態を見ながら診断をするというものです。リモート点検でトラブル対策もできますし、リモート操作指導もできます。機械の状態を見ながら電話で担当者が適切なアドバイスをいたします。
昨年は、ジャパンロジスティックセンターも開設しました。今まで以上に、ハイデルベルグの機械に最適なパーツや消耗品を素早く確実にお届けできるようになっています。 プリント・メディア・アカデミーでは、印刷業界のお客様と従業員の方々のために豊富なトレーニングコースをご提供しています。また、ファイナンスサポートでは設備投資の資金調達だけでなく、財務コンサルティングといったこともお手伝いさせていただいています。

――付加価値向上についてはいかがでしょうか?

山本 付加価値向上という観点からスーパーファインカラー、ワイドカラー、UV特殊印刷、インライン加工など印刷に関する技術指導を行っています。有償でプリントコンサルタントという専門スタッフが印刷工場のオーディット(現地監査)を行って問題解決への提案をしています。印刷の高品位化・標準化、収益性の改善、経営効率の改善などです。また、会員数が約700社のハイデルフォーラム21もマネジメント、テクノロジーなどに関する最新情報の提供やお客様同士のネットワーク構築の場として活動を支援しています。

ハイデルベルグ・ジャパン株式会社
〒140-8541 東京都品川区東品川3-31-8
TEL:03-5715-7255 FAX:03-5715-7250

 

(2007年5月)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)