水落、油落、パウダー落を防ぐ決定的な方法を教えて下さい(066)

掲載日:2014年9月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:パイリング・紙むけ・ヒッキー

 

水落、油落、パウダー落を防ぐ決定的な方法を教えて下さい(066)

【概要】
 水落、油落、パウダー落を防ぐ決定的な方法を教えて下さい。

 【解決方法】
 淨除以外決定的なものはありません。しかし、それぞれ、水たれ、油たれ、パウダー落ちに原因があります。水落には、水槽(水タンク)の回りに露結した水玉が落ちる事があります。湿し水を冷却すると起きる現象で対策として水槽の回りを発砲スチロールなどでくるみ、露結を防ぎます。
 連絡給水方式の水調整ローラー(メタリングローラ)とクロームローラ、それと着ローラの端から水がハネル場合があります。その時は、ゴムローラの端の部分をサンドペーパーなどで若干削ると直ることがあります。ほんの端だけですよ。
もうひとつは、冬期連休の後などシリンダーに露結することから水たれが起きます。それは機械が冷えている時に急に暖房などで部屋をあたためた時に起きます。夜間や休みの日でも工場内温度は20℃を下回らないようにすることです。水たれのクレームが多いのは冬の厳寒期に多いことでも判ります。
 油落ちは給油後、オイルニップルやグリースニップルの油を拭き取ることが大切です。しかし、シリンダーの爪軸に一ヵ所で給油する方式がありますが、給油パイプの中の圧力は非常に強く、ブルドーザーの油圧アームと等しい程の圧力になる事もあります。それが機械回転中にオイルニップルなどから遠心力によって飛び散ることがあります。爪軸の集中給油の場合銅パイプによるものは、パイプを取り外し、オイルニップルだけに取替えることをすすめます。デリバリの爪竿の給油は、注油後ウエスで拭き取ることが大切です。油を注ぐから油落ちがあると給油を止めてしまう会社がありますが、とんでもない間違いです。給油は決められた手順通り行って下さい。 給油不足のための機械事故は意外にも多いものです。
パウダー落ちは、ほとんど爪竿から落下するものです。1日の作業終了時には必ず爪竿のパウダーは、ハタキとかコンプレッサーからのエアーなどでキレイにして帰る習慣をつけると良いでしょう。これでほとんど無くなります。
 印刷インキ(枚葉)は普通に使用していると裏付は事故は発生しない様に設計されています。スプレー粉はなるべく少なくしましょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)