スマホ時代に適応して印刷にチャンスを生みだす

掲載日:2017年1月13日

スマホシフトが進む中、どうやったら売れるコンテンツを生成することができるのか。メールとDMを使い分けるためにはマーケティングやデータ分析、そして消費者の動きを知ることが不可欠だ。

メディア接触の3分の1近くはスマホとタブレット

テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアは転換期を迎えているといえるだろう。そして、Web、スマートフォン、ソーシャルメディアなど新たなメディアはこの数年間で大きく変化した。

博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の調査によると、メディア接触時間は大きく変化している。1日当たりのメディア接触時間は、2011年の350.0分が、2016年には393.8分と増えている(東京在住15~69歳男女)。デバイス別では相変わらずテレビは1位だが、スマホ、パソコン、ラジオ、タブレット端末、新聞、雑誌の順になっている。

 スマホ保有率は7割を超え、接触時間は1日平均90分まで増えた。タブレット所有も2015年の27.5%から10ポイント以上増えて38.8%にまで増えた(東京地区)。一方パソコンや新聞、雑誌に触れる時間は減り続けている。電車の中で本や雑誌を読んでいる人の姿は、もはや過去の光景でスマホを見ている人が圧倒的に多い。これは1999年のiモード登場の頃から始まった現象だが、すっかり定着している。

今ではスマホは身体の拡張メディアともいえ、ニュースやメールを見たり、ゲームをしたり、LINEをしたり、検索していたりする。スマホは、良くも悪くも一日を通して、生活に欠かせないものになっている。

モノが売れない時代にどうやったら売れていくのか

スマホシフトが進む中、生活者は自ら検索して賢い買い物をしたり、情報をとりにいくことができるようになった。実店舗で見て、ネット通販で買い物をするショールーミングなどは当たり前で、価格比較サイトで一番安い情報を自ら探してもいる。

デジタルが好きとか嫌いという問題ではなく、利便性や生活スタイルの変化によるものなのである。自分がスマホを使って、買い物や検索をしていることを思えば、生活の一部になっていることがいやでもわかるだろう。

一方、情報提供側からすれば、これまでどおりのスタイルでは売り上げが落ちてくることは明白である。マスメディアにおいても、紙媒体がデジタルに置き換わるケースが増えている。そこでこのままではいけないという「危機感」をきっかけに、新規ビジネスが生まれている。

モノが売れない時代にどうやったら売れていくのか。賢くなった消費者のニーズに対して、これまでとは違う「なぜ選ばれるのか」の視点で考えていかないといけないだろう。

 紙の優位性を訴求するにしても紙とデジタルを対立項で捉えるのではなく、相乗効果を考えるべきではないか。例えば、Webやスマホのほうが効果的と考えられる場合にはDMよりもメールによる集客がいい。もちろん、優良顧客には意匠を凝らしたDMを送ったほうが販促に役立つ場合がある。費用対効果を正確に把握し、クライアントに提案できることが必要になってくる。当然そこにはデータ分析が必要になってくる。

これからのビジネス展開にはデータ分析や消費者の動きを知ることは、不可欠な要素なのである。そこにはマーケティングが介在するが、印刷会社のビジネスチャンスは必ずあるはずだ。

(JAGAT 研究調査部 上野寿)

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