「アライアンスNEXT」をテーマにした基調講演1

掲載日:2018年1月10日

新年あけましておめでとうございます。page2018のテーマは「アライアンスNEXT」ですが、スタートを切る基調講演1はテーマそのものの内容「アライアンスNEXT」です。必ずやお役に立つと信じておりますので、今年もよろしくお願い申し上げます。

今の印刷業界を見ていると、成長する希望(野心の方が適切か)というより閉塞感に苛まれていると言える。このような閉塞感をどのように払拭するか?その切り札となるのが、アライアンス戦略と言える。

例えば、これからはパッケージ、それも軟包装だということで、いきなりグラビア印刷を始めるには無理がある。技術的にもオフセットとは全く異なるノウハウが必要だし、グラビアの設備はメッキ等の大がかりなモノが必要不可欠である。やはりこれから新規ビジネスとなると、グラビアよりは水性フレキソと考えるのが妥当、論理的だろう。

page2018基調講演1に登壇する浅野会長の株式会社金羊社も、水性フレキソについて長いこと社内で研究してきたのだが、相手が食品パッケージとなるとそれほど簡単なことではない。いざ実ビジネスをスタートする時に、十分な経験を持っているトーホー加工とアライアンスを組んで、宇都宮工場ではフレキソビジネスの立ち上げを行った。フレキソ印刷機を金羊社が購入、機械のハンドリングはトーホー加工と金羊社の社員が一緒になって運用するという方法で、短時間にフレキソビジネスを会得できたと言える。そしてFFGSの新フレキソシステム(FLENEX DLE System)を設備した愛知の大口工場の新設とつながるのだ。

金羊社はアライアンス戦略を推し進め、佐川印刷(京都)、アドプレックス(広島)、小松写真印刷(山形)、セキ(松山)の計6社で協業(アライアンス)を結んで技術力向上を考えている。六社中の金羊社、佐川印刷、アドプレックスではフレキソ印刷機が稼働(総計10台以上)しており、残りの三社でも早期導入予定である。

また、浅野氏が社長を務める株式会社廣済堂では、バリアブル(デジタル)印刷で有名な福島印刷株式会社(金沢)とアライアンスを組んでいる。廣済堂では福島印刷と同じデジタル印刷ラインを有しており、埼玉工場では福島印刷の埼玉サテライトオフィスが入っており、建屋の上下(一ラインは福島印刷埼玉サテライト、もう一台は廣済堂の計2台)で、補完できるようになっている。福島印刷としても同一ラインを計3台保有することになり、互いにメリットは小さくない。福島印刷のOne to oneプリントのノウハウは半端ではないし、現場同士が付き合うということは、言葉に表せない+アルファがあるものである。

株式会社アドヴォネクスト」は旧名「アド井上」と言い、もっと前は井上印刷という甲府の老舗印刷会社だ。現社長の井上雅博氏が活躍するようになって、いち早くMacを導入したり、ネットワークをフルに利用したビジネスを、まだネットワークが貧弱な頃から積極的に展開している。アライアンスについては

・大手印刷会社とのアライアンス
-話せる範囲で解説いただく。
かつてネットワークが貧弱な頃、ネットワークで東京と甲府をつないで印刷会社の一部門まるごとBPOしていたのだ。甲府の通勤は車なので電車通勤は関係なし、極端なことを言えば、夜中に働きたい人だって少なくないのだ。CG製作のようにロサンゼルス、パリ、シンガポールで24hrs.リレーで働くようにやっていたわけだ。現在は大手印刷会社と同じビルに同居して外注的にやっているが、親密であることに変わりはない。

・印刷近隣分野でのアライアンス1
-マーチング委員会
これには、余り解説は必要ないだろうが、マーチングの取りまとめ役として頑張られている。マーチングが果たした町興しの実績は大きい。

・印刷近隣分野でのアライアンス2
-NPO法人地域創生機構
-DigQR・アイセック(海外インターンシップの団体)を通してインバウンドの活用
“DiGQR”とは、システム開発会社(株)アンダースが開発し、NPO法人地域創生機構が全国会員企業を代理店として店舗や観光施設への普及活動を開始した新しいシステムで、外国人観光客の地方誘致によるインバウンド需要の地方への取り込みを目指している。アイセックは学生に対しての海外インターンシップ関連の団体であるが、井上社長が大学の講師等で得た人脈をフルに活用している。

・他分野でのアライアンス
-日本での農業
-タイ国(アジア)での農業
こんなところにも触手を伸ばしている。これが大化けするのだ。

フュージョン株式会社は印刷会社の子会社として生まれたが、今やクライアント側からは印刷会社の上位に位置づけられる会社になっている。つまり印刷業界が苦手としているマーケティング業務を行う会社なのである。どのようにDMを打っていくのか?どのようにマーケティングオートメーションMAを使っていったら良いかを印刷会社にコンサルティング、もしくは一緒になってやっていくというアライアンスそのもののビジネスなのである。

花井会長は印刷会社の跡取りとして生まれたので、MAをバックにしたダイレクトメールの活用方法などの花井会長の話は、印刷業界人には腹にすっと落ちる。非常に分かり易い。なぜ小ロットなのか?なぜOne to oneなのか?これを自社だけでやるよりも、数社の知恵を結集した方がより現実的且つ創造的であるという話は、とても実践的ですぐに役立つと思う。

こんな基調講演で始まるpage2018、今回はお役立ちをかなり意識したレベルにしているつもりである。是非ご参加いただきたい。

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