さようなら平成、こんにちは新元号

掲載日:2019年1月10日

JAGAT大阪 西部支社から平成最後の新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。関西ではインバウンド景気の影響や万博開催も決定し追い風が期待されます。そして、今春は改元があります。今回のケースは「譲位」、「退位」のため(「崩御」ではなく)、「自粛ムード」は全くなく、祝賀行事など盛大になるでしょう。

元号の文字は限られている?

元号(年号)は、年につける称号であり、改元とは元号を改めることである。日本では645年の大化に起源がある。元号の起源は中国にあり、その文化の影響を受けた日本や朝鮮など周辺諸国に広まったものだ。過去には、一代で複数の改元も見られ、元号が短命なケースもあった。
孝徳天皇の大化(645~650)が始めとされるが、継続的に用いられるようになったのは文武天皇の大宝(701~704)からである。当時から元号は、学者の年号案に基づき、公卿(くぎょう、最高幹部)の討議を経て勅裁したものが公布された。改元の時期にかかわらず年初にさかのぼって用いられたという。通常2文字であるが、奈良時代には「天平感宝」など4文字も存在した。
年号に用いられる文字は、中国の古典を出典として選ばれたが、奈良時代の前後には慶雲(夕空に現れる瑞祥とされる雲)など具体的な現象を表現したものもある。また、平安時代以降は大同など吉祥(句)や儒教政治理念を表したものも現れる。日本の年号数は大化から平成まで247種類を数えるが、使用文字は、わずか72字しかも約40文字が繰り返し使用されている。中国の年号は重複が存在するが、日本は重複して使用した例はない。日本の1800年以降の元号は、以下のとおりである。
享和、文化、文政、天保、弘化、嘉永、安政、万延、文久、元治、慶応、明治、大正、昭和、平成。

理想を表現する漢字2字とは

元号法とは、元号に関する法律である。元来、元号は天皇が定めるものであった。明治以後は、一世一元制(同一天皇の一代は同じ元号)になり、現在は元号法により皇位継承のときに限り年号を改めると規定されている。
1979年、元号法(法律43号)により、元号は政令で定めること、皇位の継承があった場合に限り改める(一世一元制)ことなどが戦後あらためて定められた。
新元号誕生の手続きは、まず内閣総理大臣が何名かの有識者を選び、候補名の考案を委嘱する。有識者は各人数個の候補を説明付きにて提出する。その後、総理府や内閣の長官らによって候補が精査され、いくつかに選定、全閣僚会議で協議し閣議において改元の政令決定という段取りである。
候補の考案に際し、以下のような条件がある。
・国民の理想としてふさわしい(よい意味をもつ)
・漢字2字
・書きやすい
・読みやすい
・これまでに使われていない
・俗用されていない

新年号は、明治、大正、昭和、平成、すなわち「M」「T」「S」「H」が頭文字にならないことが、ほぼ確定しているという。ではそれを排除した場合、どんな新年号になるのだろうか。
元号は、時代の理想を表すものである、ということが重要であり、数十年先を見て、どのような理想を実現するのか、体現する漢字であることも考慮されるという。新しい時代の理想を託すのにふさわしい文字が選ばれるという意味だ。
ちなみに、元号制度を用いているのは、世界でも日本だけのようだ。新しい時代の幕開けを新元号の予想をしながら楽しみに待ちましょう!

(西部支社長 大沢 昭博)

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