ユニバーサルポスト、連帳インクジェット火入れ式報告

掲載日:2019年10月2日

ユニバーサルポストはDMで成功している印刷会社だが、「デジタル×紙×マーケティング」の具体例とも言えるべく、連帳インクジェット機を導入、2019年9月26日に導入場所の大洲工場で火入れ(始動)式を行った。

ユニバーサルポストはDMで大成功した会社だが、他のDMを得意としている会社にBF出身印刷会社が多い中、オフセットの商業印刷を母体にしている広島の印刷会社である。

DMに舵を切ってから様々なノウハウもため込んでいるので、今さらPODやバリアブルということもないのだが、いままでのトナー機と比較しても連帳インクジェット機というと価格も高く、設備投資も大きな額になってくる。そこでの経営判断となったわけだが、印刷ビジネスが、デジタルマーケティングを中心に発展していこうとする時に、今回の導入は避けられなかったと言うことである。喜瀬社長は大きな影響力で、印刷業界を引っ張ってこられた方だが、JAGATもあらゆる面でお世話になっている。

印刷物もタダ言われたことだけを印刷しているのではなく、印刷発注者のビジネスの助けになるための印刷物であって、その助けになる事自体が印刷会社のビジネスになっても良いわけである。それが、ユニバーサルポストが考えている印刷商品であり、具体的にはまず「QRロト」がある。マーケティングデータとリンクできなかった印刷物をひも付けしてやろうという商品である(図1)。

図1: QRロト

図2が、ユニバーサルポストが独自に運営しているオウンドメディア「BUCKETTY広島」であり、スマホやフリーペーパーと連動しているメディアである。

図2: BUCKETTY広島

印刷会社が運営したメディアの場合、紙のデザイン等は慣れているので、メディア的にはしっかりした安心したモノにつながる。逆のことも言えるが、私はこちらの方が保守本流だと思っている。時間をかければ通常のオフセットでもスマホとフリーペーパーの融合は出来るが、そんなテンポでは相手がスマホ等の場合は全く意味が無いのである。今日起こったことが明日PR出来ないとイケないのだ。そんな状況をよく分かっていて喜瀬社長も「私の役目は、若い人達の邪魔になる年寄りどもの圧力を除いてやることだ」とハッキリ言っている。

火入れ式のイベントで働いている人達も若い企画室の女性ばかりだ。先頭に立って説明してくれた前田尚子取締役(喜瀬社長のお嬢さん)を中心に毎日真剣に議論して挑戦していくのだろうと思う。私も影ながら応援したいと思ってしまった。七転び八起きではないが、これから大失敗もすると思うが、負けずに頑張っていただきたいと願っています。

今回のイベントもそんな気持ちから喜瀬社長が言い出したこととのことである。「Be a First Penguin」がユニバーサルポストグループの心意気である。群れで暮らすペンギンには、最初に海に飛び込むペンギンが必ずいるものだが、「そんなペンギンでありたい」という意味も含めて喜瀬社長自ら「Be a First Penguin」のTシャツを着てくれている(図3)。

図3: Be a First Penguin

ところでこのユニバーサルポストニュースはイベントをしている間に写真撮影、DTPをして、始動式の時に印刷して皆さんに持って帰ってもらったというものであり、その中で興味があるものを複写したのが図1、2、3である。写真4がイベントの時の喜瀬社長の挨拶の写真だが、Webより早く印刷物が出来上がっているということである。

写真4:喜瀬社長の挨拶

そしてデモということになったのだが、今回導入された機械はSCREENのTruePress520HD+である(写真5)。

写真5: SCREEN TruePress520HD+

もちろんSCインキなのでオフセット用紙に特別なコーティングなしで印刷できる。写真6が神妙な面持ちでスイッチオンしている喜瀬社長だ。神事に頼ったことはなかったらしいが、今回は神主さんも呼んでお払いまでしたとのことである。写真7がTECNAWのスタッカーである。ロールの送り出し(これもTECNAW)で始まり、排出は巻き取りではなく、ペラ出力となっている。その後はHorizonのペラ丁合機と製本機が控えている。

写真6:火入れ式の様子
写真7: TECNAWのスタッカー

DMに関しては、 ユニバーサルポストは十分なノウハウを持っているが、頁ものも考えているのは当たり前で、ワタシテキにはこの辺が今後増えていくのではないか?と考えているので、また時を変えて再度お邪魔して詳しい情報をデジタル印刷レポートとして報告したいと思っている。

(JAGAT専務理事 郡司秀明)