印刷業界向け生産性向上支援訓練のご報告

掲載日:2020年6月12日

新型コロナウイルス禍の影響もあり、働き方改革が改めて注目されているが、中小企業が改革と同時に事業を継続的に発展させていくためには、自社の労働生産性を高めていくことが必須であり、そのベースとなるのは社員教育である。

 

厚生労働省所管の「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」が主催する「生産性向上支援訓練」は、民間の事業団体が実施機関となり、企業の生産性向上に関する課題を人材育成の視点で解決していく。「生産・業務プロセスの改善」や「組織マネジメント」「売上げの向上」をテーマとしたさまざまなカリキュラムを基に研修を実施し、企業で働く個々の社員の能力や意欲を高め、効率化や環境改善につなげることを目的としている。

 

JAGATはこの訓練の実施機関に認定されて3年目を迎えるが、過去に実施してきたすべての講座が定員に達する盛況ぶりで、受講者の満足度も高いカリキュラムを提供してきた。
昨年度、実施した5講座のアンケート結果では、
「自分を見つめ直すとともに、今後の営業に何が必要かわかった」
「仕事内容や業務の改善点を明確化することができた」
「部分的な知識しかなかったが仕事を論理的に整理することができた」など好評を博したが「同僚や部下に伝達・指導ができる」と複数の方が回答したことに注目したい。インプット・アウトプットすることにより、本人の理解が深まるとともに個人の能力向上が職場全体に波及する相乗効果が期待できるということだ。

 

 

今年度は、昨年に引き続き、印刷実務に役立つ講座や営業力・企画提案力を高める講座、新たに価値のある印刷物の提案手法や自社のブランディング手法といった6講座を予定している。各講座、専門的な視点で基礎知識から実践手法をわかりやすく学び、業務に関連したスキルアップのためのヒントをつかんでいただきたい。

■印刷会社のマネージャーなら知っておきたい財務知識の基本 (7/7・8)
 財務の概念と財務諸表の構造を知り、印刷会社に必要なコスト、資金管理、財務分析の手法を理解する。
■成功するDM企画立案のポイント~事例から学ぶマーケティング志向の営業活動~ (7/15・8/6)
 国内外のダイレクトマーケティング事例をもとに企画立案手法を紹介し、成功するDMのポイントを解説。
■印刷現場を強くする継続できる改善活動手法  (8/4・5)
 現場の改善目的を明確にし、現状における問題点を分析しつつ、継続して実践できる手法を習得する。
■印刷営業の基礎知識と提案力向上 New(8/20・21)
 印刷営業の基礎知識を身につけ、提案営業の基本プロセスを学び、顧客の課題解決のための提案営業の手法を学ぶ。
■印刷会社に必要なビジネス開発の手法と実践 (9/2・3)
 自社の「強み」を整理しコンセプトの設定、マーケティングシナリオの設計まで、印刷ビジネスの開発手法を学ぶ。
■印刷会社のクリエイティブでつくるブランディング New(9/9・10)
 印刷会社だからこそクライアントに提供できる価値ある印刷物の提案や自社のブランディング手法を学ぶ。

 

2日間集中講座なので、知識習得だけでなく、演習を交え、実践的に体得できる講座となっている。日々、業務の中で直面する課題の解決法や考え方を学び、一人一人のスキルを上げ、会社全体としての業務の効率化、さらには生産性向上へとへとつなげていただければ幸いだ。

JAGAT 加治 寛子