制作効率をアップするカタログ自動組版とWeb連携

掲載日:2015年4月30日

モバイルデバイスなどのメディアは多様化が進んでいるが、だからと言って販売促進や情報発信にかける人員や経費を増やすことは許されない。

ワークフローサーバーやデータベース連動の自動組版が進化しており、製品カタログやフリーペーパーの制作で効果を上げることが可能である。
ビジュアル・プロセッシング・ジャパン(VPJ)の鈴木優氏に自動組版ソリューションとWeb連携について話を聞いた。

多メディア時代の制作ワークフロー

VPJではワークフローサーバーの導入・運用を中心にビジネスに取り組んでいる。この5年ほど、出版社や一般企業の宣伝部門などコンテンツを持っている企業が、自らコンテンツの制作・管理に取り組むケースが増えている。

実際にクリエイティブの現場では、カタログ制作やWeb制作に必要な写真などの素材がすぐに見つからない、商品情報が最新かどうかの確認や校正に手間取るといった問題が山積している。このような問題を解決し、人員の負担やコストを削減するには、メディア制作環境を一元化し、商品情報や商品画像を共有することが必要となる。

例えばワークフローサーバーやデータベース連動の自動組版を導入することで、販促素材を一元管理し、制作ワークフローを統合することが可能である。
商品情報を商品写真の素材や履歴を一元管理し、関係者で共有する。

Easy Catalogは、Adobe InDesignのプラグインとして動作する自動組版ソフトウェアである。ほとんどのデータソースに対応し、データソースと紙面情報の相互リンクが可能、といった特徴がある。
ターボサーバーは、Webブラウザ型のユーザーインターフェイスを持つコンテンツマネジメントシステムである。Webブラウザのみで操作することができ、主要なアプリケーションのブラウザプレビューが可能である。

EasyCatalogの自動組版とターボサーバー

EasyCatalogでは、データを読み込んでレイアウトするための小組を設定する。データソースの形式はExcelやCSVなどの形式に対応している。どのデータをどのフィールドに流し込み、スタイル適用するかなどの定義付けを行う。定義付けしたセットをライブラリに登録し、テンプレートとして利用することもできる。
1レコードごとに読み込んで配置することもできるし、一括して流し込みすることもできる。データベースとの相互リンクが保持されているため、流し込み後の修正をフィードバックすることや、データ更新による再流し込みにも対応している。

Webブラウザを起動してターボサーバーにログインすると、画像や商品情報、InDesignのレイアウトデータをプレビューで表示することができる。また、Web用の素材やWord、Excel、パワーポイントや動画、HTMLのデータもプレビューすることができる。

入稿は原稿や素材データをドラッグ&ドロップするだけで簡単に行える。属性情報を付加することで、検索する際のタグとして利用することができる。自動通知メールで関係者に知らせる機能もあり、原稿の受け渡しを効率化することができる。

オンライン校正では、注釈ツールで修正指示をすることで、関係者で校正内容を共有することができる。また、WebサイトやECサイト用のデータが必要な時には形式を変換してダウンロードすることもできる。必要な解像度を指定し、CMYK/RGBなどのカラースペース変換、JPEGやPNGなどのフォーマットに変換することができる。一括ダウンロードにも対応している。

通販企業のオットージャパンでは、ターボサーバーによる商品情報の一元管理とオンライン校正、ECサイト向け素材制作、EasyCatalogによる自動組版などを導入している。関係者全員が常に最新の商品情報や素材データにアクセスできることや、ECのために個別にデータ変換する必要がなくなったことで、大きな成果を上げている。

 (まとめ:JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)