再定義される「印刷」、サービス業としての「印刷」業 〜『JAGAT info』2022年3月号のご案内

掲載日:2022年3月17日

今からちょうど30年前に刊行された、『JAGAT info』の前身である『プリンティングインフォーメーション』1992年3月号には、「総務庁による初のサービス業基本調査 経済のサービス化実態調査への第一歩」という特別企画記事が掲載されている。タイトルが示すとおり、総務庁(当時)による初のサービス業実態調査が実施されたことを受けて、その内容を解説したレポートである。
ここで、なぜサービス業を対象とした調査が平成に入るまで実施されてこなかったのか、疑問に思われる方もおられるだろう。それについては、カテゴリーが曖昧であることや、標準産業分類の体系的な修正が必要であること、統計調査が省庁による「縦割り」であることなどが、同記事内で指摘されている。

印刷産業でこのことを考えてみると、例えば製造業を対象とした「工業統計調査」によれば市場規模は約5兆円であるし、製造業とサービス業を対象とした「経済構造実態調査」だと約7.8兆円である。大雑把に言えば、出荷製品としての印刷物に着目するのか、それとも印刷を含めたサービス(事業)全体を見るのかで、数字にこれだけの差が生じるのである。
先のpage2022では、「印刷」の再定義が必要であること、そして「印刷」業もサービス業になるべきことが繰り返し提唱された。要するに、印刷産業がこれから先も存続していくためには、従来型の製造業から、印刷を含めたサービス業への「リセット」が必要だということである。
JAGATでは、それに資するためのさまざまな活動を2022年度も実施していき、調査報告などを『JAGAT info』などで公表していく。新年度もぜひご支援いただけると幸いである。

そこで一つ、第44回「JAGAT印刷産業経営力調査」のことをお知らせしたい。
経営・戦略・設備の3つの視点から総合的に印刷会社経営を捉える唯一の調査である「JAGAT印刷産業経営力調査」のシーズンに今年も入った。本調査にご回答いただいた印刷会社にはもれなくレポートを提供する。JAGAT会員企業の特典として、この機会に本調査をご活用いただきたい。
なお、調査票はJAGAT会員企業各社に郵送したほか、ウェブサイトからのダウンロードも可能である。回答の締め切りは2022年4月8日(金)。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 ※ダウンロードはこちらから → https://www.jagat.or.jp/archives/96393

 

『JAGAT info』2022年3月号のご案内

◯特集 page2022開催報告
 基調講演「リセット・ザ・印刷ビジネス(結論編)」

2022年1月31日から2月10日まで開催した「page2022」では、2月2日から4日まで東京・池袋のサンシャインシティコンベンションセンターで2年ぶりとなるリアル展示会を催したほか、1月31日にプレセミナー、2月1日に基調講演、そして2月7日からはカンファレンス・セミナー計10本を、いずれもオンラインで配信した。
基調講演では、ジェイコブス&クレベンジャー社CEOのロン・ジェイコブス(Ron Jacobs)氏による「2022年のビジネスを再構築する回復力、関連性、リフォーカス」と題した約30分間のビデオ講演を放映し、それを受けてこれからの印刷業界の在るべき姿、このようにするべき課題を、論客2人を迎えてそれぞれの立場から議論を交わした。そのディスカッションパートの抄録を掲載する。

◯特別企画 page2022リアル展示会レポート
 「リセット・ザ・フューチャー」をメインテーマにリアル開催で実施
 〜出展各社がその役割を再定義する場として、来場者の期待に応えた〜

印刷・メディアビジネスの総合イベント「page」は、2021年は完全オンラインでの開催であったが、2022年は展示会をリアル開催とした。コロナ禍の影響で、さまざまなイベントが中止もしくはオンラインでの開催となったが、印刷業界のイベントは、実機の稼働展示あるいはサンプルを手に取れることに大きな意味がある。コロナ禍後を見据えたリアル展示会はどのようなトレンドであったのか、レポートする。

(『JAGAT info』編集部)

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