投稿者「平岡 由美子」のアーカイブ

印刷業に仲間入りした246名の新入社員は就活でどの媒体を利用したか

JAGATでは毎年「新入社員意識調査」を行い、今春に入社した246名の新入社員から回答を得ている。今回は、新入社員が就活で利用した媒体・機会を紹介し、企業と学生のコンタクトポイントを考える。



■新卒採用意欲は回復傾向

今年も東京・大阪開催のセミナーに加えて、宮城・富山・石川・愛知・岐阜の各県印刷工業組合にご協力をいただいた。2023年は、新入社員246名(女性51.4%・男性48.6%/院卒1.7%・大卒53.3%・専門、短大卒16.3%・高卒28.8%)からの回答があった。また、配属予定職種は、営業46%・製造29%人・制作20%・総務3.2%・IT、Web1.1%で、営業職での採用が最も多い結果となった。2022年の183名と比べると回答者数が大幅に増えている。コロナの影響による採用抑制が一段落し、印刷業における新卒の採用意欲が回復していると推察する。

 

■採用パンフレットの利用機会が増える

企業の人材施策における課題は、優秀な学生を採用できるか否かにある。ファーストステップは自社の存在を学生に認知してもらうことであり、就職媒体や機会の有効活用が不可欠だ。印刷業を志望した学生が就職活動に活用する手段や機会は以下の通りとなる。

Q.就職活動で利用した媒体・機会(複数回答可)

就職ナビサイト、学校求人、合同説明会は常に上位3位に入り例年の動きと変わりはない。学生が最初に企業を知る可能性の高い媒体であり、企業視点でもエントリーしてもらうための母集団の形成には欠かせない。一方、採用パンフレットの利用率が12.7%(前年6.1%)と倍増している。リアルでの説明会や面接が増えたことで、モノである紙媒体の採用パンフレットを手にする機会が増えたことが一因する。つまり、学生の選考へ進むか否かの判断軸として、採用パンフレットは重要なツールとして認識するべきである。

 

■逆求人、新卒特化型ハローワーク等の新たなサービス利用

母数はまだ少ないが逆求人が4.9%(前年1.2%)と利用する学生が増えている。逆求人とは、学生が自身のプロフィールを掲載し、それを見た企業が学生にアプローチする方法で「OfferBox」や「dodaキャンパス」が代表的なサービスである。同サービスの性質上、学生が自ら発信する必要があるため必然的に意欲の高い人材が多い。利用する学生も徐々に増えているため、企業の採用アプローチの一つとして検討する余地はある。

その他、フリーコメントで多かったのが、厚生労働省が提供している「新卒応援ハローワーク」を利用している学生だ。ハローワークは中途向けのイメージが強いが、現役学生から第二新卒までを対象にした就職支援専門のハローワークである。求人紹介だけではなく、エントリーシート、履歴書の書き方、模擬面接など無料でサービスを提供している。公的機関が実施しているので、信頼度も高く利用する学生も増えている印象だ。

印刷業の大半は中小企業であり、新卒採用活動においてまず学生に知ってもらうこと、そして選考まで進んでもらうことは容易ではない。そのためには認知され理解してもらうことが重要だ。印刷業界の仲間入りした新入社員246名は、何かしらの情報を見て現職である印刷及び関連会社を知り入社に至っている。その最初の接点である就活媒体や機会は何を利用しているのか、そこを知ることで企業の学生へのアプローチ手段の参考にしていただきたい。

※詳細はJAGATinfo2023年12月号に掲載する予定です。

JAGAT 塚本直樹

 

【関連講座】
2023年度 【オンライン】秋の印刷入門
若手向けオンデマンド動画研修

営業成果を高めるデータ活用と運用面の課題

勘や経験に頼らない営業組織にするには、データに基づいた営業分析が必要です。ただし、成果を出すには運用面の課題があり、営業パーソンの「心理的障壁」と「人材スキル」がキーポイントとなります。


属人化から組織営業へ

営業成果を高めるには、会社、部門等の組織単位で営業の戦略と戦術を考えていく必要があります。しかし、多くの営業部門の課題として個の営業担当に依存する属人化が挙げられます。優秀な営業パーソンが多ければ個に依存することは、短期的な目で見れば成果は出るし良い側面もあります。ただし、長い目で見れば組織に営業ノウハウが蓄積されない問題が生じます。また、個人レベルで営業情報が止まるケースが多く、客観情報に基づいた営業部門全体の問題分析や改善がしにくいです。結局、個の営業担当に依存するほかなく、勘や経験だけの営業活動になり属人化への負のループが繰り返されます。

 

進むIT投資、課題となる運用

そこで、組織営業の重要性が叫ばれ、営業データ活用による分析が必要になります。そのためには情報の蓄積が必要であり、CRM・SFAに代表するようなシステムツール、営業・売上分析のBIツールを導入する企業が増えています。一方、IT投資によるハードの整備が進んでも、上手く使いこなせない、頓挫するケースは少なくありません。その多くの要因は、ソフト面での課題が多いことが要因です。

【ソフト面の課題】
1)営業パーソンが情報を入力しない(できない)
2)入力された情報にバイアスがかかっている
3)営業情報を分析、活用する人材のスキルがない

上記の3つの課題はすべて「人」に起因しています。その「人」を大まかに二つに分解すると「心理的障壁」「人材スキル」です。会社や営業部門の上長の目線では、可視化や見える化で情報を透明化することは重要ですが、部下の目線だと管理されている、監視されている、あるいは入力する作業が面倒である等の感情が生まれます。運用として半ば強制的に入力されるルールや、それをしないと評価が下がるような引き算式評価制度を作ると、心理的な壁を更に厚くする恐れがあります。そうすると、うるさいからとりあえず入力だけしておこうが発生し、信ぴょう性に欠ける質の低い情報が蓄積されます。

 

営業パーソンの動機付けには目に見える営業成果が重要

営業パーソンが能動的に営業情報を収集して共有するには、相応の動機付けが必要になります。それは評価と報酬です。手間暇かけて収集し入力したデータが生かされて、営業成果に結びつき自身の評価や報酬に繋がることです。見える化は経営側の論理であり、評価と報酬がセットになっていなければなりません。それを実現するには、営業パーソンが汗水垂らして収集したデータを営業活動に活かす必要があります。そこで重要なのが、データ分析と活用できる「人」のスキルです。近年では、データ分析人材を育成することが急務となり、取り組んでいる企業が増えています。データ分析というと膨大なデータや高度な分析が求められるイメージがありますが、それでは中小企業にはハードルが高いです。まずは今ある社内のデータである過去の受注履歴、営業日報、CRMデータ等、から整理して、現状の営業プロセスの課題をExcelベースでもできるデータ分析の人材育成からスタートするのが現実的です。「問い合わせ」「訪問ヒアリング」「提案」「見積」「受注」のプロセスで、どこで失注しているのか、あるいはムダ打ちが多いのか。「社内指示」「校正」「印刷」「納品」のプロセスで、やり直し等による提案営業以外の活動がどれ位あり、営業効率が下がっているのか。社内にあるデータからでもスモール分析、改善ができます。分析の実践を踏んでスキルを高め成果を少しずつ出していき成功体験を積み重ねることがスキルアップのポイントとなります。

組織営業を展開し営業成果を高めるには、従来の勘や経験も必要ですがデータによる客観分析が重要です。そのためには、質の高いデータが集まりやすい環境整備と、データを生かした有効な営業施策が打てる人材の育成が必要です。JAGATとしても創注をキーワードに掲げており、そうした人材育成の場も設けていきたいと考えております。

JAGAT 塚本直樹


【関連講座】

営業活動のためのデータ分析と活用入門
印刷会社の強みを活かした商品開発と販路開拓

営業活動のためのデータ分析と活用入門~DXゼロから学ぶシリーズ~

 

データを利活用する企業が増えている今、従来の勘や経験のみに頼るのではなく、営業活動のデータ分析による有効な営業施策の立案が必須になります。とは言え、「データ分析と聞くとそもそもデータも無いし、分析なんて難しくてできないよ」と敬遠する人も多いです。

本講座は、経験がゼロの方でも取り組みやすい入門編にしています。営業の方が身近に感じられる事例として、新規開拓、既存顧客の深耕や離反防止を題材に、今あるデータでもできる分析と活用の方法から解説します。難しい統計学、プログラミングの内容ではなく、Excel ベースでもできる分析手法を紹介します。
営業活動におけるデータ活用の目的づくりと成果を出すためのストーリー設計の流れを学んでいただける講座です。


 

開催日時

2023年7月26日(水) 13:00~16:00

 

<カリキュラム>

Chapter 1  はじめに
 1-1. セールスアナリティクスとは?
 1-2. 3 大テーマとその事例紹介
    事例 1:新規顧客の獲得
    事例 2:既存顧客の離反阻止
    事例 3:既存顧客の取引額拡大
 1-3. セールスアナリティクスで利用するデータ例

 

Chapter 2  データを利益に変えるデータ活用ストーリー
 2-1. DX のホップ・ステップ・ジャンプ
 2-2. データ活用ストーリーを作れば上手くいく
 2-3. データ活用ストーリーの作り方

 

Chapter 3  どうやってデータ分析を進めるの?
 <STEP1> データの準備
 <STEP2> 目的変数と説明変数の設定
 <STEP3> データ理解のための見える化
 <STEP4> 数理モデリング
 <STEP5> 情報(分析結果など)の出力

 

Chapter 4  Case Study – 実際のデータを使った実演
 4-1. 利用するデータ分析ツール(Excel データ分析)の準備
 4-2. 事例説明
 4-3. Excel による実演

 

最少催行人数 

6名

 

受講対象

・データに基づいた意思決定を目指す経営者の方
・営業部門の役員・部長・課長
・営業部門のリーダークラスで営業成果を高めたい方
・データ分析の基本をゼロから学びたい方

 

講 師

 高橋 威知郎 (たかはし いちろう)

    (株)セールスアナリティクス 代表取締役
    らくらくビジネスデータサイエンス主宰

中央省庁および情報・通信業などを経て現職。
大学卒業後、一貫してデータ分析や数理モデル構築などに関する業務(研究・開発・社内活用・事業化)に従事。製造業や流通業を中心にデータサイエンス実践支援および数理モデル(予測モデル・異常検知モデル・最適化モデルなど)の開発支援、そのアドバイスなどを実施。データ分析やデータサイエンスに関する著書多数。

 

参加費(税込)

JAGAT 会員 14,300 円 /一 般 19,800 円

※上記価格は、1名様の価格です。
 複数名でご視聴の際は、人数×受講料をお支払いください。

 

お申込み  

 Webからのお申込み

必要事項をご記入のうえ、お申込みください。

 

FAXでのお申込み  
annai-2
お申込書をプリントアウトし必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216
までFAXにてお送りください。

 

■ 参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。

口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

 

● 研究会・セミナーのZoomウェビナー参加方法のご案内

研究会・セミナーのZoomウェビナー参加方法のご案内

● セミナーお申し込み後の流れについて

オンラインセミナーお申込み後の流れについてのご案内

【内容に関して問い合わせ先】
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3411

【お申し込み及びお支払に関して】
管理部(販売管理担当)   電話:03-5385-7185(直通)

公益社団法人 日本印刷技術協会

2023/7/26 営業活動のためのデータ分析と活用入門 お申込み

セミナー名:営業活動のためのデータ分析と活用入門~DXゼロから学ぶシリーズ~
開催日:2023年7月26日(水) 13:00~16:00
参加費:JAGAT会員:14,300円(税込)/一般:19,800円(税込)
詳細案内ページ

申込みは、下記のフォームに必要事項をご記入のうえ、送信ボタンを押してください。
※ご注意ください※
本 メールにご登録いただくと、申込完了メールが送信されます。登録後、数分経ってもメールが受領できない場合は、迷惑メールフィルタ等の要因が考えられま す。その場合は、お手数ですが、メール()またはTEL(03-3384-3411)までお問合せください。

※3名以上でお申込みいただく場合は、備考欄に参加者名等をご記入ください。

 

【ご入力いただいた個人情報に関する内容は厳正に取り扱います。】

    1.参加費用 ※選択してください。

    JAGAT会員(14,300円)一般(19,800円)

    ■参加人数

    2.会社の情報

    ■社名(例:公益社団法人日本印刷技術協会) ※必須

    ■シャメイ(例:ニホンインサツギジュツキョウカイ)

    郵便番号(例:166-8539)

    ■住所1(例:東京都杉並区和田1-29-11)

    ■住所2(例:印刷技術協会ビル3F)

    3.申込みする方の情報


    申込む方と参加される方が異なる場合は、請求書をお送りする方の情報をご登録ください。

    ■部署名(例:総務部)

    ■役職名(例:課長)

    ■お名前(例:印刷 太郎) ※必須


    申込者は参加しない

    ■メールアドレス(例:taro_insatsu@jagat.or.jp) ※必須

    このメールアドレスに登録完了メールが送られます。

    ■FAX(例:03-3384-3168)

    FAX受講証をご希望の場合は、この番号に受講証が送られます。

    ■TEL(例:03-3384-3411)

    なにかあったときのお問合せ先となります。

    4.申込者以外の参加者情報


    申込む方と参加される方が一緒の場合は、本欄は入力不要です。

    【参加者1】

    ■部署名(例:企画営業部)

    ■役職名(例:主任)

    ■お名前(例:印刷 花子)

    ■メールアドレス(例:hana_insatsu@jagat.or.jp) ※必須

    【参加者2】

    ■部署名(例:企画営業部)

    ■役職名(例:主任)

    ■お名前(例:印刷 次郎)

    ■メールアドレス(例:jiro_insatsu@jagat.or.jp)※必須

    ■その他備考

    5.JAGATからのご案内について


    よろしければJAGATからセミナー開催案内や関連のご案内を送付させていただきます。

    不要の方はチェックを入れてください。

    JAGATからの案内を希望しない


    [confirm "確認する"]

    [back "戻る"]

    お申込みありがとうございます。登録完了メールをお送りいたしました。
    しばらくしてもメールが届かない場合は、お手数ですが再度ご登録いただくか、
    webmaster@jagat.or.jpまでお問合せください。