投稿者「hori」のアーカイブ

自社の製品・技術に誇りを持って

JAGAT主催の、印刷・メディアビジネスの総合イベントpageを担当する人間として、様々なイベントに訪問する機会があるが、その中で最近感じることは、あらゆるイベントに印刷会社の出展が増えているということである。 続きを読む

「御用聞き」がソリューション営業を行うには?

国民的アニメ「サザエさん」に出てくる「三河屋のサブちゃん」をご存じだろうか?磯野家御用達の酒屋の若旦那として配達にやってくるこの男は、営業の観点でみるとなかなかの強者と言える。

 

「御用聞き」営業を侮るなかれ

「こんちわー、三河屋です。」
「カツオくんが、草野球でホームラン打ってましたね。」
「頼まれてませんが、お酒と一緒に、お醤油も持ってきましたよ。」

元気な挨拶と共にやってくるサブちゃんは、その絶妙なタイミングもさることながら、磯野家の内情によく精通している。そして帰りがけには、「あ、それから今度来るときはお味噌もお願いね。」などと追加注文を稼ぐこともしばしばだ。このサブちゃんの「営業」スタイルは、いわゆる「御用聞き」である。しかし鮮やかに関連商品の販売、「クロスセル」を行っている。さらにすごいことに、サブちゃんが出入りする場所は磯野家の玄関ではなく勝手口である。これは相当の顧客の信頼を勝ち得ていることに他ならない。組織(磯野家)のトップがかなりの強面(波平)と言うことを考えれば、かなりのスキルといえる。

 

 

ソリューション提案の前にやるべき事

昨今、顧客へのソリューション提案が重要と言われている。しかしソリューション(問題解決)の前には、まず顧客の問題を発見しなければならない。いくら美しいプレゼン資料で、「こちらが御社へのソリューションです。」とコンサル気取りで提案しても、顧客の悩みや問題を把握していなければ、その提案書は意味をなさない。その点、サブちゃんは実に良く顧客の問題を把握しており、言われなくても磯野家の調味料がいつ無くなるか、把握しているだろう。御用聞きにも出来ることはあるのだ。

(こちらの記述は、この書籍より引用しました。)

 

 

プロダクト型営業からソリューション営業への移行は簡単にできるのか

サブちゃんの話はBtoC、しかもフィクションであるから、BtoBの実例も紹介する。

飲食店の検索サイト「ぐるなび」、今でこそ「新しいお店に行くには、まずぐるなびを見てから」という行動が当たり前だが、開設当初はとにかく登録してもらう飲食店を増やすべく、営業マンが足で稼いで集めていた。一方、株式会社ぐるなびの創業者である滝久雄は、「新しいメディアを作る」と言う理想の元、掲載店1万店を目標に、後発の他社サイトより掲載料を大幅に安い3,000円/月に設定し、また営業マンにもかなりの高額のインセンティブを設定していた。しかしその掲載料ではシステム維持費を踏まえると収支は厳しいため、掲載店が1万店を超えた後は掲載店舗を、より一層ぐるなびを活用して集客や販促に活用する「正会員」へ移行させる施策に転換した。つまりぐるなびの営業マンは、ぐるなびサイトへのコンテンツ掲載というサービスを売る「プロダクト営業」から、飲食店の販促コンサルを行う「ソリューション営業」への転換を求められたのだ。

 

販促ツールのパッケージでソリューション提案

営業にとっては、販売商品や手法が変わるだけでなく、営業ノルマも数十倍になり、反発もかなり多かった。しかし滝はその改革を断行したが、ただ黙っていたわけではなく、営業が売りやすい様々な販促ツールを用意するとともに、毎月発行の「ぐるなび通信」には集客の成功事例を徹底的に掲載するなど、様々な仕掛けを行った。また、担当営業とは別に、パート採用した主婦などを「巡回スタッフ」として、正会員店舗に週1~2回訪問させ、それぞれの店舗の要望を吸い上げる仕組みを構築した。その結果、営業マンは飲食店に対し、集客に関する年間予算をあらかじめ組んでもらい、その範囲であればぐるなびを活用する回数、タイミングを一任させるという「AE(アカウント・エグゼクティブ)」型の展開を行うようになった。つまり、営業マンのトークが「ぐるなびに掲載してください。」というプロダクト型から「毎月○○万円の予算をいただければ御社の売上を○○万円上がります。」というソリューション型に変貌したのであった。

(こちらの記述は、この書籍から引用しました)

 

 

印刷会社の営業もAEに

受注産業である印刷業界もソリューション・プロバイダーへの移行が叫ばれて久しいが、現実はそう甘くないと思う。さらに昨今、印刷会社でもマーケティングの概念も必要とされるなか、現実との乖離を感じることも多いかもしれない。しかし、どの会社にも既存顧客は必ず存在し、コミュニケーションが円滑にできる顧客が必ずいるはずで、その中から顧客の問題を発見して行くことは出来ないだろうか?また、広告代理店においては常識である「AE(アカウント・エグゼクティブ)」と言う概念を、同じメディアを扱う印刷会社が踏襲できないとは思えない。このあたりはpage2016の基調講演に登壇頂いたシンフォニーマーケティング庭山社長が推奨するABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の概念と合わせて次回、考察したいと思う。

 

(CS部 堀 雄亮)

pageで未来は創れたか

2016 年2 月3 日から5 日までの3 日間、東京・池袋のサンシャインシティで開催した弊協会主催の印刷・メディアビジネスの総合イベント「page2016」は、盛況裡に閉幕した。イベント事務局の視点から、今回のpage2016を振り返ってみた。

DSC_0118

 

 

展示会場に未来は創れるのか

今回のpage2016のテーマは、「未来を創る -メディアビジネスの可能性を拡げる-」である。これは今年4月にJAGATより刊行した「未来を創る THIS POINT FORWORD」に起因する。基調講演・カンファレンスは、文字通り「メディアビジネスの可能性を拡げる」ような内容のテーマを盛り込んでいたが、展示会場を彩るのは他でもない出展企業の皆様である。まして今年のpageの開催日程は、昨年9月の「IGAS2015」、そして今年5月31日~6月10日まで開催される世界最大の印刷機材展「drupa2016」に挟まれており、どれだけの出展社に集まってもらえるかの不安は拭えなかった。

 

DSC_0128

 

 

ビジネスに直結するからこそ未来が見える

ただ上記の事は当然想定しており、出展社募集に際しては、かなり前から準備を進めてきた。新規の出展企業を対象にした出展社募集説明会を8月から毎月3回実施したのも、例年9月末で締め切る出展社募集をIGAS2015閉幕の1ヶ月後の10月16日に延長したのもそういった理由からであった。その結果、出展社数(145社)、小間数(510小間)とも前年を上回る企業さんにお集まりいただけただけでなく、近年pageへの出展を見合わせていた企業の復活も相次いだ。ある出展社は今回の「page2016」を「drupa序曲」と位置付けるなど、当初の心配は杞憂に終わるほど、展示会場は熱気にあふれていた。またdrupa、IGASと違い、機械の展示が難しい会場の特長を逆手に取り、各社ともソリューションや成果物のサンプル展示といった「ビジネスにどうつながるか」を明確にした出展内容が目立っていた。page創設以来、「pageは機材展ではない」と言い続けてきたが、他でもない出展企業の皆様がそれを理解し、実践されている姿に深い感銘を受けた。

 

DSC_0125

 

 

 主催者だからこそ「全体最適」を最優先に

今回のpage2016の総来場者数は3日間で70,370名となり、page2013以降、4年続けての増加となった一方で反省点も当然ある。現在、出展社を対象に、振り返りアンケートを取っている最中だが、それを見ると、導線変更によるブース位置の有利不利は若干生まれてしまったようだった。これは、全ての出展企業の希望を反映することは出来ない中で、何を優先するかと言う基準が曖昧だったことが原因と推測する。出展社が増え、規模が大きくなればなるほど、重要なのは「全体最適」であり、それが軸となればこういう意見は顕在化しないはずである。今回の意見を少数意見だと切り捨てるのではなく、しっかりと次につなげていく事が重要だと思う。

 

DSC_0147

 

 

 未来を創る土壌を生み出す

あらためて、今回のpage2016を終えて感じる事は、「未来を創る」のは、皆さんの知恵と、業界に対する熱い思いであり、それを結集するのが私たちJAGATのような協会の使命なのだと言うことである。2017年2月8日~10日に開催予定の「page2017」は、節目の30回目の開催であり、次々回のpage2018が開催される2018年度は、JAGAT50周年にあたる。drupa開催周期の短縮に伴うIGASの周期短縮、JGASの開催中止と言った外部要因に、こちらにとってanniversary的な要素が重なる中、イベントを単なるお祭りにするのではなく、業界の皆様にしっかりと貢献する土壌を生み出していきたいと思う所存である。

 

DSC_0190

(CS部 堀 雄亮)

 

次回「page2017」の日程です

page2016では、誠にありがとうございました。次回「page2017」の日程をお知らせいたします。

 

 

「page2017」開催日時は、

 

 

IMG_1941

 

 

2017年2月8日(水)~2月10日(金)
(搬入などの準備期間は、2/6(月)~2/7(火)) 

DSC_0150

 

 

場所は、今回と同じサンシャインシティです。

 

 

 

何卒よろしくお願いいたします。

 

page2016事務局

page2016 2/5(金)の来場者数及び総来場者数

page2016 3日目(2/5(金))の来場者数を発表いたします。

 

 

 

 

 

2/5(金) 27,700人(page2015 3日目 27,460人 前年比101%)
2/4(木) 23,260人(page2015 2日目 23,030人 前年比101%)

2/3(水) 19,410人(page2015 初日 17,500人 前年比110%)

 

 

page2016 総来場者数 70,370人
(page2015 総来場者数 67,990人 前年比103.5%)

 

 

おかげさまで、本当にたくさんの方々にご来場いただき、ありがとうございました!

 

 

page2016事務局

page2016 2/4(木)の来場者数

page2016 2日目(2/4(木))の来場者数を発表いたします。

 

 

 

 

 

2/4(木) 23,260人(page2015初日 23,030人 前年比101%)
2/3(水) 19,410人(page2015初日 17,500人 前年比110%)

2日間合計 42,670人(page2015初日、2日目合計 40,530人 前年比105%)

 

 

明日、最終日もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

page2016事務局

page2016 2/3(水)の来場者数

page2016 初日(2/3(水))の来場者数を発表いたします。

 

 

 

 

 

2/3(水) 19,410人(page2015初日 17,500人 前年比110%)

 

 

明日もどうぞよろしくお願いいたします。

 

page2016事務局

page2016の出展社・小間数が確定

この度、page2016の出展社数・小間数が確定いたしましたので、あらためてご報告申し上げます。

 

 

 

 

出展社数:145社
小間数:510小間

 

出展社数・小間数ともpage2012から5年連続の増加となります。また出展社数145社というのは、PAGE2009の157社に次いで、これまでで2番目の数です。これだけたくさんの企業にお集まりいただいたことは、主催者冥利に尽きます。本当にありがとうございます。

各展示ホールの図面と出展社リストはこちらをご覧ください。

3日間で約68,000人が訪れる展示会場はこれまで通り、活気にあふれたものになるでしょう。その来場される皆様のために、様々な企画をご用意しており、その中には、今年初めて行う企画もございます。

展示会場の特別企画はこちらをご覧ください。

しかしpageは単純な機材展ではありません。問題解決のためのソリューション展示会です。その為のカンファレンス・セミナーのプログラムを多数設けております。中にはタイトルだけを見れば、「これって印刷と関係あるの?」と思えるようなものもあり、業界外の方から驚かれることもあります。しかし印刷業界の未来を創るべく、自信を持ってお届けいたします。

そんなpage2016のカンファレンス・セミナープログラムはこちらをご覧ください。

 

さあ、page2016開幕まであと9日!どうぞよろしくお願いいたします。

PAGE2016_poster_1032-1460_RGB

page2016はここに注目!

JAGATは2016年2月3日(水)から5日(金)まで、東京池袋のサンシャインシティコンベンションセンターにおいて「未来を創る -メディアビジネスの可能性を拡げる-」をテーマにpage2016を開催する。出展社数142社、510小間(2015年12月18日現在)が参加する今回の展示会の見どころと、特別企画を紹介する。

 

page2016 特設ゾーン、特別企画

◆[ クリエイティブゾーン ]
文化会館2F 展示ホールD

印刷業に深くかかわってきたアドビ システムズ社が印刷関連展示会に唯一残っているコーナーです。
ここでは、ワンソースマルチユースするためのDTPに関するソフト・ソリューション、クリエイティブプロフェッショナルのための製品展示や具体的な事例等を紹介しています。見て・聞いて・感じることによって、具体的なメリットが手に取るように体感できるコーナーです。

◆[ パッケージ・ラベルゾーン ]
文化会館4F 展示ホールB

印刷品目別に将来の成長が見込まれるパッケージ・ラベル。小ロット対応、オンデマンド需要、ブランディング対応などこの分野の新たな市場創出と拡大を提案します。

◆[ マーケティングソリューションゾーン ]
文化会館4F 展示ホールB

今回のpage2016では、テーマである「未来を創る」に則り、マーケティングオートメーションツールのベンダーや、CRM関連企業のブース、ミニセミナー開催が出来るエリアを設けます。基調講演、カンファレンスとのシナジーを体感できます。

☞JAGAT関連企画コーナー

◆[ 見どころツアー ]
展示会に行くと、見なくてはいけなかったもの・ことを見落としてしまうことがあります。そのポイントを業界に精通したツアコンがご案内いたします。今回はプレミアムツアーと、見どころツアーの2本のコースを設定します。

◆[ フリーペーパー展示 ]
文化会館4F 展示ホールB

今回で29回目を迎えるpageは、池袋という立地特性上、印刷業界以外の人も多く訪れる展示会です。そこでpage2016では、印刷業界内外に、印刷会社の取り組みと可能性、地域における役割について、フリーペーパー展示を通じて訴求します。フリーペーパーは、地域における印刷会社の役割や活動、その機能をわかりやすくイメージいただくのに適しています。page2016での展示をとおして、地域色豊かな各地のフリーペーパーを見ながら、印刷メディアにはどのような良さと可能性があるかを再考する機会を提供いたします。

◆[ JAGATコーナー ]
文化会館4F 展示ホールB

書籍販売コーナーでは、JAGATで刊行している書籍を販売しています。
JAGATコーナーでは、DTPとクロスメディア資格試験の情報を提供します。受験を考えている方は、効果的な学習ための情報収集にぜひ役立てていただきたいと思います。DTPエキスパートやクロスメディアエキスパートなど各試験の情報収集に役立つ展示や資料の配布を行ってまいります。

PAGE2016_poster_1032-1460_RGB

(CS部 堀 雄亮)

レコード人気再燃 から考える、五感に訴える力の重要性

昨今、アナログレコードの人気が復活しているという。CDに音楽鑑賞の主役の座を奪われてから30年以上、今や音楽はそのCDではなくダウンロードしてスマホで聴く時代に、である。

 

2014年8月にオープンした「HMVレコードショップ渋谷」は、およそ500㎡の店舗内に、約8万点のレコードが並ぶ。また吉祥寺駅近くにある「クアトロラボ」は、5,000枚を超えるアナログレコードを中心とした音盤のコレクションを聴きながら、ゆったりと飲食を楽しめる。今年11月1日に、オープンから1周年を迎えたこの店をプロデュースしたのは、ファッションビル大手のパルコが展開するライブハウス「クラブクアトロ」だ。

 

人気再燃のきっかけは、2012年に発売されたビートルズの復刻レコード。これによりレコードの魅力が見直され、ジャズやロックの名盤の復刻版が相次いで発売された。それにプラスして、1万円前後で購入できる再生機器が発売されたことも大きい。上述のHMVでは、このプレーヤーと一緒にレコードを買い求める人も多く、手軽に聴けるようになったことで、レコードを聴いた事の無かった若者の利用も増えているという。こうした需要の増加により、今年に入ってからは福山雅治やAKB48などの人気アーティストが相次いで新作をレコードで発売し、レコードの生産枚数はすでに昨年を上回っている。

 

とはいえ、なぜ、今レコードなのか?レコードにあって、音楽配信サービスに無いものの一つがジャケットだ。絵画のようなデザインが気に入って、文字通り「ジャケ買い」でレコードを買っていた学生が、そのままレコードの温かみのある音色に魅了されるケースもあるという。

 

だからと言って、時代はレコードだ!と声高に訴えるのは時期尚早だし、ひいてはデジタルに置き換えられてきたアナログの逆襲が始まる、と言うわけではないだろう。実際レコードの生産枚数は、ここ数年、対前年比1.5倍で増加しているものの、全盛期だった1970年代の0.5%にも満たない。しかし作り手の思いを体現する美しいデザインのジャケットや、針を落としたり、A面とB面を入れ替えたりする「面倒臭さ」を経た上で音楽を聴くという部分は、デジタルの便利さの裏側に潜む無機質さと対極にある魅力ではないか。そしてこのようないわゆる五感に訴える魅力は、印刷物にも十分あてはまるのではないか。

 

JAGATとしても、これまで表面加工の重要性をテーマにした研究会を行ってきたが、今後、page2016のカンファレンス・セミナーでも、印刷物の五感に訴える力をPRしていきたいと思う所存である。

(CS部 堀 雄亮)