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【資格採用企業インタビュー】経営陣自ら資格を取得し 社員の意欲を引き出す

新宿区西早稲田に本社を置くタクトシステム株式会社は、カタログ制作を中心に業務を展開するコンテンツ制作会社である。現在では、カタログ制作の業務改善提案や、エンドユーザーへの訴求効果を高める手段の提案など、マーケティング業務も視野に事業を展開している。
取締役の大熊 努氏は、2017年8月のクロスメディアエキスパート資格取得に続き、2018年8月にDTPエキスパート資格も取得した。経営陣自ら両資格に取り組まれた背景を含め、タクトシステムの人材育成方針等についてお話を伺った。

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大熊 努 氏
タクトシステム株式会社 取締役/経営管理本部長

貴社の事業と最近の傾向についてご紹介ください。

10 年ほど前、通信系の上場会社であるフォーバルテレコム株式会社が、当社を100%子会社化しました。私自身もフォーバルテレコムグループ出身のため、印刷業界は経験ゼロというところから始めています。もともとフォーバルグループは通信系の会社が中心であるため、グループ内での当社の位置付けは異質に感じられるかもしれませんが、顧客基盤の共通化による異業種シナジー効果を期待していました。

当社はカタログ制作が売り上げの7~8 割を占めています。ただし、カタログによる訴求効果が薄れてきている面もあり、お客様からは従来通りのカタログだけでなくさまざまな手段を提案してもらえないかという要望があります。こうした現況を踏まえ、マーケティング視点を持ったエンドユーザーとのコミュニケーションを念頭に置いた提案や、カタログ制作での業務効率改善の提案なども行っており、現在はそうした業務の比重が高まってきています。

従来事業に加え新規事業も増えていく中で、貴社では人材にどのようなことを求めていますか。

人材育成については、OJT だけでは欠落してしまうところがありますので、資格を取得して知識の欠損を埋めることを推進しています。フォーバルグループの会長(大久保 秀夫 会長)は自らも国家資格を取得するなど、グループ全体で前向きに資格取得に取り組むことを推奨してきました。

10年前の子会社化の際、フォーバルテレコムの上層部は当社でも資格取得に取り組もうと話したのですが、当時社員には資格取得に対して懐疑的な空気がありました。3年ほど前にフォーバルテレコムから現社長(梅林 保典 社長)が社長に就任後、あらためて資格取得を推進していこうという機運が本格化しました。梅林自身も資格取得については非常に積極的に取り組んでいます。

トップダウンで資格取得を推進するのは難しい側面があると思いますが、資格取得の機運が高まった要因は何ですか。

グループ内の会社で積極的に取り組んでいるため、当社でもやらざるを得ないという雰囲気になってきました。外圧の影響というのでしょうか。当初社員は嫌々取り組んでいる感もありましたが、そのうち積極的に取り組む人間が出てきました。会社の推奨資格は幾つかあるのですが、その中で比較的やさしい資格から取り掛かっていき、最終的には当社の核であるDTP 制作に最も近い資格であるDTP エキスパートを筆頭に取得してほしいという方針を掲げ、3年近くが経過したところです。現在では、資格取得を盛り上げていこうという声が社員の中から立ち上がってくるようになりま した。

貴社のウェブサイトには、取得資格の一覧など詳しく掲載されていますね。

ウェブサイトで掲載もしていますが、さらに資格取得を推進する中で、毎月一回資格取得者を掲載した社内通達を出し、全社員に対し閲覧を必須としています。会社推奨資格のうち、新たに資格に合格した社員の情報と、これまでの取得者、累計合格者の一覧をまとめたものです。当社の推奨資格には3 段階あり、推奨資格、昇格要件資格、一時金支給対象資格、というものがあります。エキスパート認証資格はその全ての対象となる資格に位置付けています。これを定期的に社員の目に触れるようにし、各自の取り組み意欲を刺激しようというのが目的です。

費用面の会社からのサポートとしては、全ての推奨資格について、合格の場合受験料を負担し、また一時金対象資格については、資格ごとに規定を決めて一時金を支給しています。

資格取得に対して社内を盛り上げる雰囲気づくりでご苦労された点、工夫された点はありますか。

今、中心的に取り組んでいるのは若い層なのですが、マネージャー層にはまだ資格取得に対するアレルギーがあるようです。これを解消するには、まずは経営陣である私自身が会社推奨資格をすべて取得したうえで、こういうメリットがあるということを話していこうと思い、今回もDTPエキスパートに取り組みました。

実際に取得してみると、この資格の必要性を実感しました。オペレーターや制作業務者向けに最適といわれている資格かもしれませんが、私が取り組んでみて感じたのは、営業部門や生産管理部門などが取得するとむしろ良いのではないかという点です。体系的な知識が身に付くため、トラブルがあったときなどの知識の拠りどころになります。今後そういう方向で勧めていこうと思っているところです。

資格を推進することで、社外からの反響はありますか。

弊社CMB(クロスメディアビジネス)事業部門に、クロスメディアエキスパートを取得した者がいるのですが、その者が中心となり営業とタッグを組んで、資格で得た知識をベースにして弊社のマーケティングを積極的に行っています。クロスメディアからスタートしまして、GAIQ(Google アナリティクス個人認定資格)で得たスキルなども含めて弊社のマーケティングを行ったところ、その成果が表れてきているのです。今まで新規開拓が思うように進まなかったのですが、ウェブやマーケティングオートメーションなども絡めて取り組んだところ、今まで弊社が相手にしていただけなかったお客様からお問い合わせが来るようになりました。資格取得推進が営業面、顧客開拓に結び付いたという実感があります。

会社として資格に取り組むメリットはどのような点ですか。

資格で得た知識が業務に直接生かせるという点が最も大きいと思います。

私は、学生の頃に公認会計士の勉強をしたことがありました。資格に向けた勉強の中で得た知識が30年たった今の業務に非常に有効に生きていると感じています。ですから、この業界での大型資格と言えるDTPエキスパートを勉強することで得た知識やツールの使い方などのスキルは、業務に大きく生かされてくると思います。そうした勉強とは確実に身になるものなのだ、ということを社内で伝えて啓蒙していき、社員をやる気にさせていきたいと思っています。

人材の成長を促すプロセスとして、資格以外に取り組まれていることはありますか。

基本的に外部のさまざまな研修を受けさせています。DTP に関するものはもちろん、またDTP の周辺領域として、最近ではRPA など、印刷だけではなく他の領域との接点に関わる研修にはよく参加させています。その他展示会なども含め、業務に役立つものであれば、部門長の判断もありますが、行けるときにはできるだけ参加し、成長してもらいたいと思っています。

今後、社員にはどのような人材に成長してもらいたいとお考えですか。

本来の業務に関する知識はエキスパート資格により補完するよう取得を促進していくとともに、簿記検定などにも取り組み、会社の数字も分かる社員、経営者の視点を持つ社員に育ってほしいと思っています。自分たちの業務がどれだけ会社としての成果につながっているのかという点を客観的に数字で捉えることは重要です。制作業務など目の前の作業のみを中心に行っていると数字意識を持たなくなりがちですが、会社組織ですから、会社の目線でも考えられる視点は持ちつつ成長してもらいたいと思います。

取材・まとめ JAGAT CS部 丹羽 朋子
-JAGAT info 2019年2月号より転載-

2019/7/20 第52期DTPエキスパート対策講座(解説講座のみ)

 

セミナー名 2019/7/20 第52期DTPエキスパート対策講座(解説講座のみ)
開催日:2019年7月20日(土) 13:00-17:00
参加費(税込):
一般 14,040円 優待(JAGAT会員またはDTPエキスパート有資格者(紹介)優待) 8,640円  

参加費お振込み先:みずほ銀行 中野支店(普)202430  シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ

申込みは、下記のフォームに必要事項をご記入のうえ、送信ボタンを押してください。
※ご注意ください※
本 メールにご登録いただくと、申込完了メールが送信されます。登録後、数分経ってもメールが受領できない場合は、迷惑メールフィルタ等の要因が考えられま す。その場合は、お手数ですが、メール(webmaster@jagat.or.jp)またはTEL(03-3384-3115)までお問合せください。

    0.参加費用


    ・ポイント解説講座のみ 一般(14,040円)・JAGAT会員またはDTPエキスパート有資格者紹介優待(8,640円)

    ■参加人数

    ・ポイント解説講座のみ 一般(14,040円) 
    ・ポイント解説講座のみ 優待(JAGAT会員またはDTPエキスパート有資格者紹介優待)(8,640円) 
    ※有資格者紹介優待の場合:ご紹介者エキスパートIDとお名前をご記入ください。

     

    ■受講料お振込み予定日

    ※カレンダー形式日付選択が表示されない場合は、YYYY-MM-DD(例:2017-12-05)で入力してください。

    1.会社の情報

    ■社名(例:公益社団法人日本印刷技術協会) ※必須

    ■シャメイ(例:ニホンインサツギジュツキョウカイ)

    郵便番号(例:166-8539) ※必須

    ■住所1(例:東京都杉並区和田1-29-11) ※必須

    ■住所2(例:印刷技術協会ビル3F)

    2.申込みする方の情報


    申込む方と参加される方が異なる場合は、請求書をお送りする方の情報をご登録ください。

    ■部署名(例:総務部)

    ■役職名(例:課長)

    ■お名前(例:印刷 太郎) ※必須


    申込者は参加しない

    ■メールアドレス(例:taro_insatsu@jagat.or.jp) ※必須

    このメールアドレスに登録完了メールが送られます。

    ■TEL (例:03-3384-3115) ※必須

    ■FAX(例:03-3384-3168)


    FAX受講証をご希望の場合は、この番号に受講証が送られます。

    2.申込者以外の参加者情報


    申込む方と参加される方が一緒の場合は、本欄は入力不要です。

    【参加者1】

    ■部署名(例:企画営業部)

    ■役職名(例:主任)

    ■お名前(例:印刷 花子)

    ■メールアドレス(例:hana_insatsu@jagat.or.jp) 

    【参加者2】

    ■部署名(例:企画営業部)

    ■役職名(例:主任)

    ■お名前(例:印刷 次郎)

    ■メールアドレス(例:jiro_insatsu@jagat.or.jp)

    【参加者3】

    ■部署名(例:企画営業部)

    ■役職名(例:主任)

    ■お名前(例:印刷 次郎)

    ■メールアドレス(例:jiro_insatsu@jagat.or.jp)

    ■その他備考

    3.受講証の受け取り

    受講証について、ご希望の受け取り方法をお選びください。

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    【第27期与件:オーダースーツ】クロスメディアエキスパート 記述試験

    状況設定について

    あなたは、首都圏にある中堅総合印刷会社のX社に勤務するクロスメディアエキスパートである。X社は、商業印刷物やSP企画・制作、Webサイトの構築・運用のサービスを顧客企業に提供している。X社にはデザイン制作、およびWebコンテンツや映像・動画の企画制作を専門とする系列子会社があり、グループ総従業員数は160名である。

    A社提案プロジェクトについて

    オーダースーツの製造と直販を手掛けるA社は、X社が過去に取引を行った顧客企業である。同社のチラシ・パンフレット製作やWebサイトの一部を手がけた実績もある。
    営業担当者より「A社は生活者との新しいコミュニケーション戦略を検討している」との報告があった。そこでX社では、営業部門や企画部門、制作部門に所属する数名で、A社提案プロジェクトを立ち上げることになった。クロスメディアエキスパートであるあなたは、本プロジェクトのリーダーを任命された。
    X社は、本プロジェクトにて提案書を作成し、2週間後の2019年3月27日にA社へ提出する予定である。

    面談ヒアリングについて

    A社について調査を進めたところ、X社の競合企業Y社がインターネットやモバイル端末を活用した企画提案を行う準備をしているとの情報が入った。X社は、営業担当者が中心となり、社長と事業企画部長と面談(※ヒアリング報告書参照)を実施した。
    A社は、コミュニケーション戦略を立案するにあたり、社外からの優れた提案を取り入れ、実施を検討する方針である。

    2019年3月15日

    A社ヒアリング報告書

    X社 営業部 第一課
    牧野 沙織

    概要:A社からの提案依頼に伴う、ヒアリング調査
    日時:2019年3月13日(水) 10:00~12:00
    対応者:滝田社長、長谷川事業企画部長

    1.提案へ向けて

    A社は、紳士スーツの製造~卸~販売というサプライチェーンにおいて、時代に合わせたポジションを自ら開拓し、事業展開している。1923年の創業当初は服飾生地の卸商であったが、戦後、2代目は紳士用オーダースーツの製造を始めた。その後、3代目の時代に大手百貨店向けのオーダースーツ製造が拡大したが、百貨店の業績不振により経営が悪化。現社長(4代目)の立て直し方策のうち、オーダースーツ「TAKITA」の直販事業により、業績回復を果たしつつある。
    現社長の滝田展隆は、「体に合わないスーツほど格好悪いものはない、日本人のスーツ姿を格好よくしたい」と言っており、TAKITAとは異なる新ブランド「テーラー滝田」を創設した。次のステップは、オーダースーツのわかりやすい説明とブランド認知を拡大させることである。ネットを通じて生活者とのコミュニケーションを確立し、関係性を重視した継続的なプロモーションの実現を模索しており、それに伴うコンテンツやメディア展開案を求めている。

    2. 施策の運営と実施効果測定

    • 週単位でメディア展開の実績を確認したい
    • 可能な範囲でメディア利用者のレスポンスを把握し、活用したい
    • A社の担当者は、店舗チェーン本部の運営部を中心に2名を予定

    3.想定予算

    • 印刷物やWebサイトの企画・制作、ハードウェア、ソフトウェア、開発費などで、総額1,800万円以内を想定(初期費用のみ。サービス開始後の維持費は別途算定として構わない)

    4.施策の実施期間

    • 2019年4月に発注先を選定。5月に要件定義と設計、6月~7月に準備、8月は閑散期なのでテストのみ。施策は9月1日に開始し、2020年2月末までの半年とする。その後、施策の評価と見直しを行う。

    5.市場動向:紳士スーツ市場とオーダースーツ業界について

    • 戦前までの紳士スーツは、個人テーラーに注文するオーダーメイドが一般的だった。
    • 1950年代後半~1960年代頃、紳士スーツ既製品の大量生産が始まり、高度経済成長とともに百貨店などを通じて販売されるようになった。
    • 1970年代以降、大手アパレルメーカーのブランド戦略が奏功し、有名ブランドスーツの販売が増えていった。
    • 百貨店は有名ブランドの既製スーツ販売が中心であり、それ以外にオーダースーツ部門が併存する形式となっている。
    • 1970年代~80年代に、郊外型紳士服店が誕生し、低価格(3〜4万円)の紳士スーツ既製品の販売が始まった。後に大手紳士服チェーンへと成長した。
    • 大手紳士服チェーンは、2000年頃より「スーツTOWN」「スーツSelection」など若者向けの別ブランドを立ち上げ、既製スーツを販売している。
    • 1990年代以降、アパレルCAD/CAMの開発が急速に進展し、世界的に普及した。アパレル製品のデザインや生地の裁断に利用されている。既製スーツやオーダースーツにおいても、日常的に使用されている。
    • 近年、有名既製服ブランド並みの高級感・オシャレ感と価格(6~8万円)を売りにしたオーダースーツ専門店も登場し始めている。
    • また、大手紳士服チェーンでも低価格オーダースーツブランドを創設し、オーダースーツ専門店の開設を始めた。主力の既製品スーツより若干高額(4~5万円)の設定である。

    6.A社の創業と事業モデルの変遷

    • 1923年、滝田定三がA社を創業。当初は服飾生地(スーツ生地)の卸商であった。
    • 1950年頃、2代目の滝田茂司はオーダースーツの製造・販売を始める。
    • 1960年、大量生産が可能な縫製工場を設立。紳士スーツの国内需要は高度経済成長とともに大きく成長したため、事業は安定した。
    • 3代目の滝田久仁雄は、国内工場をさらに強化・拡大(宮城工場を新設・稼働)し、大手百貨店のオーダースーツ製造を受託する。
    • 1989年、中国・北京市にオーダースーツ工場を建設、日本への輸出と中国国内での製造・販売を開始する。
    • 1990年代より積極的にCAD/CAMシステムを導入し、採寸データによる裁断自動化を推進。
    • 2000年に主要取引先の大手百貨店が破たん。A社売上の半分以上を占めており経営危機となる。
    • 2004年、現社長の滝田展隆が直販戦略を打ち出す。東京神田にオーダースーツ直販店「TAKITA」1号店を開店。
    • 自社中国工場の品質は年々向上し、OEMや卸先にも認知された。安価な中国製と細かいオプションが可能な国内工場製の2グレードを提案できるようになり、利益が拡大した。
    • CADシステムを活用したマシンメイドのフルオーダーと工場直販により、低価格・高品質のオーダースーツ提供を実現。他社のオーダースーツ事業との差別化を図っている。

    7.A社の現在の事業と直販店「TAKITA」

    • 現在の事業構成は、オーダースーツ直販、オーダースーツOEM、オーダー礼服・オーダー制服の製造・販売、オーダースーツ販売店の開業支援などである。
    • オーダースーツ直販店「TAKITA」は、「安価で良質のオーダースーツを提供する」方針で、インターネットおよび周辺地域にアピールする手法で成果を上げている。
    • 2018年時点で「TAKITA」は全国で42店舗を運営している。
    • 「TAKITA」の店舗の多くは商業ビルの2階以上にあり、目立たず高級感もない。店舗を見て来客するのではなく、ネット検索やネット広告で知って来店することがほとんどである。
    • Webサイトの来店予約フォームで、来店受け付けを行っている。予約して来店した客は、ほぼ採寸後に注文している。
    • A社のオーダースーツは、初回特別価格19,800円、通常で24,800円(オプションや生地により価格は変動)。マシンメイドのフルオーダーと工場直販によって、高品質と低価格を実現。
    • 大手紳士服チェーンの既製スーツ価格帯が2~4万円であり、価格面の競争力は高い。
    • オーダースーツの出来は「注文者の身体的特徴や要望を採寸データに反映すること」にかかっている。「TAKITA」では必ず来店してもらい訓練されたスタイリストが会話しながら採寸する。
    • スタイリスト教育には力を入れており、接客・スーツ知識・Web知識など、毎年2日間のスキルアップ研修を実施している。

    8.「TAKITA」の販売促進

    • Webサイトでは、「マシンメイドによるオーダースーツ」のメリットや高品質など自信をアピールしている。価格はオプションも含めて公開されており、シミュレーション可能。
    • インターネット広告やSEO対策を通じて、低価格オーダースーツに関心ある層に「TAKITA」を訴求している。
    • パンフレットの他に小冊子「はじめてのオーダースーツ採寸」を作成し、店頭やイベント等で配布している。小冊子はオーダースーツの敷居を低くする目的だが、分り易いと好評である。
    • 社長が自らオーダースーツ姿で富士登山や東京マラソンなどに挑戦し、YouTubeチャンネルで動画配信している。TVの経済番組やニュース番組の取材を何度か受け、放映された。
    • オフィシャルスーツサプライヤーとして、プロサッカーチーム(Jリーグ)やプロ野球チーム等にオーダースーツを提供している。団体肖像権やチームロゴなどの使用権を得て、Webページやポスター・パンフレットに選手のスーツ姿を掲載している。
    • オーダースーツ完成時に試着写真をスタイリストがスマートフォンで撮影し、Webページの「お客様スーツコレクション」で紹介している。撮影レベルには個人差があり、写真掲載の評判は必ずしも良いとは限らない。
    • Webの登録会員やメールアドレスを登録した人向けにメルマガを配信(月1回)している。
    • メルマガ・コンテンツのスーツ豆知識「紳士のたしなみ」シリーズには固定ファンがおり、好評である。
    • 公式アカウントとして、Facebook・Instagram・Twitterで情報発信をしている。
    • 店舗近隣地域への新聞折込チラシは、集客効果が小さく配布していない。

    9. A社の新ブランド「テーラー滝田」

    • 「TAKITA」は有名ブランドや大手紳士服チェーンに比較すると一般的な認知度も低く、低価格のアピールに留まっている。
    • 今後、さらにオーダースーツ市場への参入が増え、競争が激化する兆候がある。
    • そこで、より高級感やオシャレ感を持たせた新ブランド「テーラー滝田」を創設した。価格帯は、3~5万円とする。
    • 熟練スタイリストの存在や店舗での採寸、豊富なオプション類、利用者の満足度などをアピールしたい。
    • 2018年、1号店として新宿店を開設した。新規開店、および既存「TAKITA」からの改装店と併せ、今後3年間で12店舗の設置を予定している。
    • 基本スタイルとして「ニューブリティッシュ」「イタリアンソフト」「アメリカントラディショナル」を選択し、オーダーする。
    • ターゲットは、オーダースーツに関心のある20~30代の若年層を中心とする。
    • 初めてスーツを購入する大学生は、主要ターゲットの1つである。
    • 女性スーツの拡大を狙いたいと考えている。
    • 採寸の抵抗をなくしてもらうため、女性スタイリストを全店に配置する予定である。
    • コンセプトは「自慢したくなる、贈りたくなるオーダースーツ」である。高級生地や遊び心のあるオプション選択を充実することで、ブランドの差別化を行う。
    • 店は伝統を醸し出すべく、ロンドンの名門紳士服店通りSavile Row(サヴィル・ロウ)にある店づくりを参考にした。

    10.「テーラー滝田」の販売促進

    • 大学構内の広告掲示は認められていないが、首都圏の大学カフェテリアでは、テーブルに三角POPスタンドで広告を出すことが許されている。
    • 大学周辺駅でのチラシ・ティッシュ配布は、過去の経験から効果はかなり限定的である。
    • 認知拡大策の1つとして、「テーラー滝田」二つ折りギフトカードを主要ネットショップで販売する。ギフトコードが印字されており、1万円、3万円、5万円の商品券に相当する。
    • スーツは半耐久消費財であり、次回来店してもらえるのが1年~数年先になることもあるため、その間も継続的なコミュニケーションによってブランドの親近感を維持したい。
    • 購入者限定で誕生日2か月前に5,000円引きクーポンコードを印字したカードDMを送りたい。
    • 注文から受け取りまで約1ヶ月かかるため、この間に「テーラー滝田」を印象付け、さらにファンを増やしたい。
    • Webページ「お客様スーツコレクション」の評価を上げるために、撮影用背景スタンドとカメラスタンドを用意する。スタイリストに撮影技術の講習を行い、スキルアップを図る。

    11. A社「テーラー滝田」の競合(B社「ディスタンス」)

    • 大手紳士服チェーンB社が、低価格オーダースーツの新ブランド「ディスタンス」を創設した。価格帯は「テーラー滝田」と同等の4~5万円である。首都圏の主要ターミナル駅周辺に店舗を設置し始めた。
    • 「ディスタンス」は、スマートフォンによるAI採寸・ネット完結をPRし、注目されている。
    • 「ディスタンス」も、A社同様にプロサッカーチームのオフィシャルスーツサプライヤーになっている。チラシ・パンフレット等では、選手の闘う「決めポーズ」を使っている点などA社と酷似している。
    • また、ネット通販大手のZ社では、スマートフォン採寸によるオーダー方式をPRし始めた。スマートフォンで360度撮影するだけで採寸が完了し、来店不要で受け取ることができる。技術の先進性や未来的なイメージを強調している。店舗へ行けない人たちがメインターゲットと思われ、競合ではない。

    12. 今後の方針

    • 今まで「TAKITA」とコーポレートサイトは同一のWebサイトとなっていた。今後、コーポレートサイト、「TAKITA」、「テーラー滝田」の3サイトとする。先の2つのWebサイト改修は、発注済み。新たに「テーラー滝田」のWebサイトを用意したい。相互送客も行いたい。
    • スポーツチームのオフィシャルスーツサプライヤーとして、選手と同じモデルを販売するときは、今後も選手起用のチラシを活用するが、ビジネス層へ訴求する場合は変えたほうが良いかもしれないと考えている。アドバイスが欲しい。
    • オーダースーツはスタイリストによる採寸が重要と考えており、今後も変わらない。採寸は敷居が高いと感じる人向けに作った冊子「はじめてのオーダースーツ採寸」をビデオ化し、Webでも閲覧できるようにしたい。
    • 今は、注文してくれた帰り際に「出来上がりを楽しみにお待ちください」と笑顔で見送るだけなのだが、本当に「待つことを楽しみ」にできるよう、何かを実現したい。
    • 今回は、「テーラー滝田」のWebサイト、チラシか小冊子もしくは大学カフェテリア三角POPスタンド、サイト内のビデオ、継続コミュニケーション策などを発注したいと考えている。AIDMAやAISAS等の消費行動モデルに合わせて、どのようなメディアとコンテンツ、何を訴求し、どのように各メディアを関連付けると効果的なのか、説明を含めた提案が欲しい。

    A社の概要

    【基本情報】

    • 法人名 株式会社滝田
    • 設 立 1961年
    • 従業員 230人
    • 資本金 5,000万円
    • 売 上 25億4,733万円(2018年3月期)
    • 所在地 東京都千代田区岩本町(本社)
    • 役 員 代表取締役 滝田 展隆、 専務取締役 倉田 博
    • 事 業 紳士・婦人向けオーダースーツの製造・販売、店舗運営支援
    • 事業所 本社、宮城工場、中国(北京)工場、45店舗

    【企業沿革】

    • 1923年 服飾雑貨卸商として滝田定三が創業
    • 1994年 1950年 2代目社長滝田茂司により、オーダースーツ製造を始める。
    • 1960年 オーダースーツ縫製工場を設立。
    • 1972年 工場にオーダースーツ専用ラインを構築。
    • 1986年 3代目社長滝田久仁雄により、大手百貨店や紳士服店からオーダースーツ受注。
    • 1989年 中国北京市にオーダースーツ工場を設立、日本への輸出と現地での製造・販売を開始。
    • 1991年 工場にCAD/CAM(自動裁断システム)導入。型紙不要、省力・短納期に。
    • 2000年 取引先の大手百貨店が破たん。A社売上の半分以上だったため、経営危機となる。
    • 2004年 新戦略として東京神田にオーダースーツ直販1号店「TAKITA」を開設。
    • 2015年 工場直販オーダースーツ事業を柱に、3年連続の増収増益を達成。
    • 2018年 オーダースーツの新ブランド「テーラー滝田」を開設、市場拡大を狙う。

    【経営理念】

    • 少しでも安く、できるだけいいものを。
    • 変化をいとわず、新しいことに挑戦する。
    • 日本のビジネスシーンを明るく元気にする。

    【A社損益計算書】

    単位(千円)
    決算年月 2017年3月 2018年3月
    売上高 2,432,180 2,547,325
    売上原価 1,576,813 1,597,414
    売上総利益 855,367 949,911
    販売費及び一般管理費 764,241 839,721
    営業利益 91,126 110,190
    営業外収益 2,471 2,382
    営業外費用 1,881 1,791
    経常利益 91,716 110,781

    【社長プロフィール】

    滝田 展隆(たきた のぶたか)(1974年生まれ、45歳)

    • 学 歴 :
      1996年 1996年 国立H大学経済学部を卒業
    • 職 歴 :
      1996年 大手化学繊維メーカーに入社。営業マンとしてアパレル関係を担当
      2003年 株式会社滝田に入社
      2005年 代表取締役社長に就任
    • 家族構成: 妻、長女、実父、秋田犬
    • モットー: 「考えるよりも行動」「迷ったら茨の道を行け」「幸せのおすそ分け」
    • 趣味 : 登山、磯釣りなど。

    (設問)与件文を読み、次の設問の解答を、別途配布された解答用紙に記述しなさい。

    [問1]A社の顧客コミュニケーションにおける課題を優先度の高い順に3つ記述しなさい。

    [問2]問1の課題を解決するための具体的なコミュニケーション施策を箇条書きで記述しなさい。
    ターゲット、コンテンツ内容、使用するメディアと選定理由についても記述しなさい。

    (1)コミュニケーション施策
    (2)ターゲット
    (3)コンテンツ内容
    (4)使用するメディアと選定理由

    [問3]A社に提出する提案書を問1、問2の内容を踏まえて記述しなさい。
    (記述形式:A4縦・横書き・3枚)


    【資格採用企業インタビュー】人材の力と組織力で 総合的に顧客をサポート

    『ものづくりとマーケティングプロモーション』をテーマとして掲げる株式会社光陽メディアは、企業としてエキスパート試験に10年以上の取り組み実績がある。人材育成の方針や課題について、取締役管理本部長 大塚 美世子氏にお話を伺った。

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    大塚 美世子氏
    株式会社光陽メディア
    取締役管理本部長/コンテンツ制作部部長

    貴社の事業傾向について変化はありますか。

    当社の業務構成としては、出版・学参関連印刷物が多く、全体の約3~4 割を占めています。その他、商業印刷として販促チラシやポスターの製作、ウェブ制作などもコンスタントに行っています。

    印刷を含めた売り上げは減少下降傾向にあります。その点は当社も例外ではないため、かなりの部分を占める印刷だけに頼らない事業展開を図っています。そうした中、お客様側からの要望としては、お客様の抱える困りごとへの対応が求められる傾向があります。

    そのような事業傾向やお客様の変化を踏まえ、人材には何が求められていると思われますか。

    広範囲の知識や対応力とともに、例えば営業職でいえば、お客様のどのような課題に対しても相談に乗れるような人間力というものが必要になっていることを感じます。そういう人材を育てようとしているのですが、すぐに育つわけではありません。ですので、各人材に知識を身に付けてもらうとともに、会社としての総合力・組織力を生かして対応しようという方向性をとっています。人材教育を経営の方針にしっかりと位置付け、営業、制作、製造現場を含めて課題を明確にして取り組むことを念頭においています。

    また、DTP、ウェブ、印刷というそれぞれの部門が、おのおのの知識や技術力をもって、お客様の要望に沿うよう協力し合いチームとして応えられるような組織づくりに取り組んでいます。

    企業として長年エキスパート資格に取り組まれていますが、どのように取り組みを開始されたのですか。

    10年以上前になりますが、初めは会社としてというより、取得したい意欲のある人には勧めるというかたちで取り組み始めました。数回経過するうちに、会社全体として取得推進する方針となり、試験期ごとに対象者を決め、それらの社員に対して共同で研修会をやったり、社内で模擬試験を数回行ったりするようになりました。個人に任せるのではなく、会社として全職場共同で取り組むという方針で行い、累積合計で80 人以上の社員がエキスパート資格を取得しました。現在も取得したい人には支援をしたり、制作実務経験のない営業がDTP エキスパートを取得する際には実技試験のフォローをしたりしています。

    また、お客様の要望の変化への対応力が求められる中、その基盤となる知識習得の必要性もあり、クロスメディアエキスパート取得も継続的に推奨しています。

    教育手段の中で資格取得をどのように位置付けていますか?

    DTP エキスパートにしてもクロスメディアエキスパートにしても、一過性のイベントではなく、さまざまな対応力の前提となる基礎知識、必須知識として社員全員に取得を推奨しています。資格取得のために専門用語を学ぶだけでも十分に意味があり、そうした基礎知識を身に付けていると実務での対応力も変わってきますので、推奨資格として位置付けています。

    資格取得が実務に生かされていると感じる点、社員の変化を感じる点はどのような場面ですか。

    取り組みを開始した頃は、社員側から負荷が大きいという声もありました。特にDTP については、実技の技術的なところでは苦労していたと思います。とはいえ実際に取得した社員は、自身の日常の業務の中で、習得した知識が血肉となって生かされていると感じているようです。会社としてカラーマネジメントへの取り組みを開始したときには、DTP エキスパートで勉強してきたことが実際に生きているという実感がありましたね。用語を覚えるだけではなく、その展開において社員自身の役に立っているという感触です。

    DTP については、歴史をたどれば文字組から製版工程など膨大な技術の蓄積があるので、一度資格試験に合格したからといって全てが身に付くものではないし、日常的に触れるわけではない部分もあります。しかし、例えば高精細印刷がトレンドになってきた時には、DTPエキスパートで学んだスクリーン線数の知識などが必要になります。習得した知識の必要性を感じない時期もあるかもしれませんが、新たなトレンドが持ち上がり、かえって過去習得した知識が生きてくるということもあるのです。その意味で、印刷に関わり続ける以上、いつどこで必要となるか分からない知識をまずは網羅しておくことは重要だと思います。

    またクロスメディアエキスパートについては、営業職など直接お客様の課題に触れる人には、取得を推奨してきました。組織として各部門協力してお客様の課題に対応するため、制作職の社員でも知識とともに対応力を広げる必要性があります。世の中の傾向はどんどん変化し、それに伴い新しい領域も増えています。

    そういう面では、数年前に勉強したことと同じ勉強をしているだけでは追い付かない、対応できないことも出てきていて、大変だなと思います。お客様の困りごとを解決するにあたり、紙メディアに限らずさまざまなメディアを活用して解決していくという方向の中、クロスメディア資格や各種研修を併せて行い、複合的に人材育成をしています。それら全体の効果として、従来よりも対応力が上がってきているという変化を感じます。

    ビジネス動向の変化の中で、印刷業界に求められていることはどのようなことと捉えていますか。

    お客様側の変化として、お客様自身の事業の発展、売り上げや会員等の増加といった悩み、課題に対し、当社は何をしてくれるのか?という投げ掛けをされるようになってきました。以前であれば、そうした課題解決のためにチラシを作るという答えがあらかじめ出ていたうえで、ではどんなチラシを何部刷りましょうか?というのがお客様との打ち合わせ内容だったのですが、今では、そういった答えはお客様側から示されるのではなく、私どもでサポートできること、何をするのかをこちらから考えなければならない場面が増えてきました。印刷のことだけを考えていたのでは全く対応できないという点で、人材に求められる能力が変化していると思います。この点は、どのようなお客様についても共通している点です。

    お客様からは、悩みや課題に対する総合的な提案を求められています。その際、私たちが解決方法を考えて、こういう方法はどうですか?という提案をするやり取りができなければなりません。例えば印刷なら、価格面では印刷通販が競合するわけですが、プロモーション業務への展開においては別の業界が競合として現れるわけです。新たな競合と対抗していかなければならないわけですから、のんびりしてはいられません。新領域を吸収しつつ、当社が培ってきたノウハウや技術面を生かしてどのようにお客様を総合的にサポートしていくかということが重要です。当社の場合長くお付き合いさせていただいているお客様が多いので、従来のやり方で馴れ合いになってしまう場面もあるかもしれません。そうではなくて、当社も変化しているということをアピールしていかなければならないと思っています。

    出版物を作るにしても、早く安く作ってほしいという要望がお客様からあった場合、制作側に負荷のかかる方法で対応するという単純な捉え方ではなく、早く安くやるためにはお互いにどのように改善していくかをお客様側と一緒に考えましょうという話ができないと、要望に対する限界があります。例えばオンライン校正、オンライン入稿を使って効率化したり、校正回数を減らすための提案をしたりして、その結果安くできたね、というかたちで改善していかなければ、どちらにとってもメリットはありません。お客様にとってもメリットのあるような仕組みを作っていくことが大切だと思います。

    取材・まとめ JAGAT CS部 丹羽 朋子
    -JAGAT info 2019年2月号より転載-

    第51期DTPエキスパート実技試験提出締切

    2019年3月17日(日)実施第51期DTPエキスパート認証試験(本試験)につきまして、実技試験提出を締め切りました。
    お取り組みいただいた受験者のみなさまお疲れさまでした。
    試験結果は、5月下旬に当Webサイトにて掲載予定です。

    アビリンピック東京大会の試み

    独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構東京支部では、「障害者が日頃培った技能を互いに競い合うことにより、その職業能力の向上を図るとともに、企業や社会一般の人々が障害者に対する理解と認識を深め、その雇用の促進を図ること」を目的として、東京障害者技能競技大会(アビリンピック東京大会)を開催している。

    競技種目としては、パソコン操作からワード・プロセッサ・表計算等のオフィスソフトを駆使し正確な文書作成や効率の良い図表の作成を競うものから、喫茶サービス、ビルクリーニング、製品パッキング(デモンストレーション競技)等のサービス対応業務など、幅広い分野から選定されている。各競技とも、金・銀・銅賞の他、特に優秀な成績を収めた方や努力が著しいと認められた方には東京都産業労働局長賞が授与され、次年度全国アビリンピック大会の東京都代表選手として出場推薦の対象となる。

    2013年度大会よりDTP競技が追加され、DTPにおける基本的技術および印刷用データ処理能力とともに、効果的な印刷物を制作する技能を問う競技を実施している。JAGATでは、東京大会でのDTP競技開始当初よりサポートを行い、課題の設定や採点ポイント、受賞者選考基準策定などの協力を行っている。

    2018年度大会は、去る2月2日(土)小平市にある東京障害者職業能力開発校をメイン会場として開催された。DTP競技については、隣接する職業能力開発総合大学校に於いて競技者11名にて実施された。

    大会会場  競技中の様子



    約2時間の競技時間中に、支給素材を用いて指定の印刷物用データを制作するという競技となっている。今回は、『フードロス』問題をテーマとした啓蒙ポスターを制作する内容となった。競技では、デザイン性や印刷技能(各要素とも印刷に適したデータ処理がなされているか)等の点が問われる。設定されている印刷物の用途に適したデザインとなっているかという点では、配色や文字組版、レイアウトの構図など、同じ告知物であっても、手元で見るチラシと掲出されるポスターとでは異なるデザイン性が求められる。

    提出作品では、短時間の競技であるにも係わらず、独自にアイコンを起こして紙面を特徴づけたり、支給画像素材の配置に工夫を凝らし訴求力を持たせたりと、DTPオペレーション作業に留まらない作品が何点も見られた。毎回の大会実施後アンケートでも、「DTP競技者の全体レベルが高く大変驚いた。」といった声が寄せられている。

    競技終了後には即時選考が行われ、表彰会場にて多数の見学者が見守る中、全競技合同の結果発表と表彰式が行われた。

    表彰式 優秀作品サンプル



    大会会場では競技の他、点字・車いす体験や各福祉作業所等制作の物品販売、また国際アビリンピック関連映像上映の場などが用意され、障害を持ちながら社会参加する方々、またそうした方々を支援する活動が紹介された。さらに今回から、障害者雇用を検討する企業の担当者に理解を深めてもらう方法として、障害者雇用ミニセミナーおよび競技見学ツアーを行うなど、競技者の意欲的な取り組みとともに雇用の活性化を図る新たなプログラムも実施された。

    こうした活動を通して、多様性のある働き方を推進する社会の拡がりに期待したい。

    (CS部 丹羽 朋子)

    更新試験開始のご案内

    本日より更新試験を開始しました。

    更新申請された方々には、3月29日(金)ご登録メールアドレス(自宅)あてに試験専用サイトへのログインパスワードをご案内しております。

    未着の場合は、下記いずれかの方法でパスワードを入手してください。

    試験専用サイトログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」より自動取得

    ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」から、IDおよび受験申請時に申請されたご自宅メールアドレスを入力いただくと、パスワードを自動再通知いたします。 IDは、エキスパートIDと共通です。 

    ※試験専用サイトへのログインパスワードは、エキスパートWeb基本台帳のパスワードとは異なりますのでご注意ください。

    ○上記で解決しない場合は、サポート窓口までお問い合わせください。

    CBT 方式試験のシステムや取り組み方に関するお問い合わせ
    株式会社 イー・コミュニケーションズ サポート窓口
    TEL 03-3560-3905 E-MAIL cbt-support@e-coms.co.jp
    受付期間:試験期間内のみ対応 受付時間:平日10:00~17:00
    制度内容に関するお問い合わせ
    公益社団法人 日本印刷技術協会 資格制度事務局
    TEL 03-3384-3115 E-MAIL expert@jagat.or.jp

    第51期実技試験課題A支給素材訂正

    第51期試験受験者各位

    【課題A支給素材訂正】
    実技試験サイト上からダウンロードいただく支給素材データについて、 課題制作の手引きに示しているものと異なっていることが判明しました。

    訂正個所:
    A課題制作の手引き8ページに記載の「photo_1.tif 」 と支給素材データ「photo_1.tif 」 が異なっている。

    3月25日(月)16:43時点で正しい素材データに差し替えましたをお知らせします。

    なお、すでにデータをダウンロードのうえ制作を進めていらっしゃる方については、差し替え前の素材データのまま進めていただいても採点上不利になることのないよう対処いたしますのでご安心ください。


    JAGAT資格制度事務局

    新たな仕事にチャレンジしながら自分を成長させる

    産業用ロボットメーカーの広告宣伝業務に長年携わってきた水野雪氏は、実業務を通した自らの成長を次の新たな業務に生かしながら、多様な経験を積んできた。成長のプロセスに資格取得をどのように活用されたかをはじめ、自律的なキャリアの蓄積と展開について、お話を伺った。

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    【資格者インタビュー】水野 雪氏 株式会社C.C. デザイン

    これまでのお仕事の経歴や現在の状況についてお話しください。

    (株)安川電機にて、中国事業の立ち上げ支援業務などを経て、社内CS 推進業務を担当していました。当初は事務職ではありましたが、社内広報、宣伝活動を通して、社内イントラなどの業務知識を身に付けました。その後グループ会社の広告代理店である安川オビアス(株)へ出向となり、約12 年間にわたり、広告、情報誌、カタログ、ウェブなどの企画・編集・デザイン制作の業務に携わりました。

    2015年に都内のPR 会社に転職し、クリエイティブディレクターとして主にウェブ広告やPR を中心に仕事の幅を広げ、2017 年にフリーランスとしての活動を開始しました。

    昨年には(株)C.C. デザインとして法人化し、広告・宣伝物の編集、デザイン制作やイベントの開催など、企画・PRを中心に活動しています。

    さまざまな資格にチャレンジしていますが、どのような経緯からですか。

    常に新しい仕事や、自分のレベルより少し難易度が高めの仕事に手を挙げてチャレンジするようにしてきました。

    会社員時代は、新たな業務に取り組むには、まずはOJT で先輩や上司に教えていただきながら仕事をしてきました。そうして何らかの壁にぶつかったり、それをクリアしたりという経験をしていると、それらの業務について体系的に学びたいと思うようになります。そのように仕事をしながら学びたいテーマが定まってきたら、関連の資格を利用して全体像を把握しながら勉強するという方法をとってきました。実務に関連して既にさまざまな疑問や質問点を持って資格取得に臨んでいるので、吸収しやすく身に付きやすいように思います。

    例えば広告の案件を単発で制作しているうちに、マーケティングやメディア、広告手法、効果測定などを全体的に理解する必要を感じるようになり、上司の推薦で関連講座を学習し、BtoB 広告マスターを取得しました。

    また日々の編集制作を担当している中、著作権などの問題によく出会いました。当初は一つ一つ調べたり、上司に確認相談したりしていましたが、法律の全体像を把握することが不可欠だと思い、会社の推奨資格でもあった著作権検定を受けました。

    こうして学習と実践を繰り返すことによって、仕事も徐々にお客様への提案型スタイルに変わりました。お客様に喜んでいただけたことで、さらに仕事を任せていただけるような良い循環につながりました。

    資格試験の合格は目的ではなく、むしろプロとして仕事をするうえでのスタートラインだと思っています。資格を取得すると自分に自信がつきますし、こうした経験を積み重ねていくことで、本来の意味での成長ができるのではないかと思います。

    勉強する方法は人それぞれですが、人生は長く、時代はどんどん変わっていきます。新しいものを吸収していかなければついていけなくなりますから、学び続けることは当然のことだと思っています。

    資格で習得したことがご自身の実務に生きていると感じるのはどのような点ですか。

    クロスメディアエキスパート認証試験を初めて受けた時は合格には至りませんでしたが、私にとっては、この試験を受けたことそのものに大きな意味がありました。というのは、論述試験で試される課題抽出と解決のための施策立案という考え方は、この試験で初めて触れた捉え方であり、大変刺激になったからです。課題に対するアプローチの仕方を知ったことで仕事への向き合い方が変わり、よりよい仕事につながるようになったと思います。この時の受験料は、仕事の仕方、捉え方を知るための授業料よりも価値のあるものだと思ったほどです。

    今では、全ての仕事は「問題もしくは課題を解決すること」だと捉えて臨んでいます。さまざまな勉強を続けることで、解決のツールを増やすことができると思っています。

    クロスメディアエキスパート資格の学習教材は、実業務にあたる際、今でも振り返って参考にすることもあります。会社員時代は、企業規模の大きいプロモーション業務の中の一部を担当するというパターンが多かったのですが、独立後は中小規模企業のプロモーションを総合的に提案する機会も増えてきました。そういった場面での企画提案については、クロスメディアの論述試験で学んだことが大いに役立っていると思います。

    さまざまな領域に意欲的に取り組んでいらっしゃいますが、その秘訣は何ですか。

    自分はお客様に鍛えられ、育てられてきたと思っています。業務知識がないとお客様からのニーズに応えられないため、勉強せざるを得ない状況となります。それを乗り越えると、お客様からの信頼につながり、次の依頼が来るということが何度もありました。自ら自身の現状よりも少し高めのレベルの仕事に手を挙げ、お客様からチャンスをいただき、その対応をしながら業務の幅を広げる、という繰り返しにより、強くなってきたように思います。

    例えば安川電機時代は、主力商品である産業用ロボットの商品紹介制作物を作ることもあったのですが、最初は技術者の説明が理解できずにいました。私の仕事は商品を知ってもらえるような案内物を作ることですから、人に知ってもらうためにはまず自分が商品を理解しなければなりません。「自分が理解することで誰にでも分かりやすい内容での商品紹介をする」という目標を立て、どんどん自分から技術知識についても調べ、また社内の技術者にもよく質問するようになり、その結果社内外から「案内物の内容が良くなった」と評価をいただきました。常に自身の力と現実の間にあるギャップを課題として認識し、それを埋めるために勉強するようにした結果、学ぶこと自体も面白く思えてきましたし、お客様にも認めてもらえるようになったのだと思います。

    最近では、ある企業のカタログ制作を受注したのですが、その仕事の展開として商品パッケージ自体のデザイン制作の依頼をいただきました。実はパッケージ制作の経験はないのですが、これもさまざまな方法で学びながら、取り組んでいるところです。

    もともと自分をアピールしていくタイプではないので、特に独立後は周囲の方との関係作りや人脈によって仕事が軌道に乗ってきた面も大きいと思います。

    ご自身の現在の課題は何ですか?

    業務進捗管理や制作時間管理、価格設定などの数字に関わる面が、今後の課題だと思います。

    会社員時代は、価格テーブルやある程度の費用感などが取引の前提としてあったので、あまり意識しなくても仕事ができたのですが、独立後はより「時間」「コスト」といった数字の意味を理解し、意識するようになりました。また以前は、会社にいるだけでも情報が自然とインプットされました。独立後は、自らアンテナを張ってセミナーや勉強会に参加し、見識を広げる努力をしています。

    そういったこだわりと数字意識を持ちながら、プロジェクトを捉えていけるようにしたいと思っています。

    取材・まとめ JAGAT CS部 丹羽 朋子
    -JAGAT info 2019年2月号より転載-

    3月17日(日)実施試験受験票発送

    2019年3月17日(日)に実施いたします下記試験の受験票を発送しました。(受験申請時に指定いただいた連絡先ご住所あて普通郵便発送)

    • 第51期DTPエキスパート認証試験
    • 第27期クロスメディアエキスパート認証試験

    受験当日のご案内を下記に掲載しておりますので、併せてお読みください。

    DTPエキスパート認証試験 受験上のご注意

    クロスメディアエキスパート認証試験 受験上のご注意

    なお、3月11日(月)を過ぎましても受験票が届かない場合は、JAGAT資格制度事務局までご一報ください。代わりの受験票を発行いたします。

    JAGAT資格制度事務局
    e-mail: expert@jagat.or.jp
    tel: 03-3384-3115