クロスメディアエキスパート」カテゴリーアーカイブ

「くつろぎの場」としての喫茶店を強みとしたクロスメディア・プロモーション

第20期クロスメディアエキスパート認証試験(2015.8.30実施)
第2部論述試験「提案書」解答例


A社御中

「くつろぎの場」としての喫茶店を強みとしたクロスメディア・プロモーション

― 新規顧客の獲得と優良顧客の育成施策 ―

【はじめに】

貴社は、昨今のセルフサービスを好まない生活者やくつろぎを求めている生活者の存在を機会と捉えられています。
そこで弊社は、貴社の強みである「くつろぎの場」としてのブランド価値と、高いサービス力を活かすことで、新規顧客の獲得と優良顧客としてのファン作り施策を提案させていただきます。
ご検討のほどよろしくお願いします。

【現状の課題】

貴社の強みを活かすには以下の課題があります。

1.「くつろぎの場」としてのブランドの訴求不足
2.顧客満足度向上のためのサービス力強化
3.顧客との手軽かつ密接なコミュニケーションの確立

【施策方針】

現状の課題をふまえ、以下の3点の施策を提案します。

1.顔認識システムを活用したイベントプロモーション
2.タブレットを活用したくつろぎコンテンツアプリの導入
3.SNSの設置による顧客とのコミュニケーションの促進

[施策1]顔認識システムを活用したイベントプロモーション

コンセプト:顔認識システムを駅中やビジネス街に設置し、顔の年齢から「おつかれ度」を計測する体験イベント
目的:新規顧客の獲得とA社喫茶店のブランドイメージの認知
内容:ビジネスマンの動線上にカメラとディスプレイを設置します。顔認識システムを活用し、「おつかれ度(顔年齢)」を計測します。自身の年齢と効果の差が大きい人ほど割引率の高いクーポンを配布します。
(今後、「北千住」と「大森」に新規出店する際のイベントとしても利用可能です。)

イベント会場では小冊子も配布し、「都会のオアシス」であるブランド力の認知を行います。

[施策2]タブレットを活用した「くつろぎ」コンテンツアプリの導入

コンセプト:各テーブルに専用タブレットを配置し、顧客に自由に使用してもらいます。
目的:サービス力の強化と「くつろぎの場」としての新しい価値の提供
内容:各テーブルに専用タブレットを配置
タブレットには「くつろぎ」コンテンツアプリが搭載されています。
・メニュー一覧
・おすすめ商品
・コーポレートサイトの閲覧(無線LAN使用)
・店舗の裏情報
・ダウンロードされた書籍(小説、マンガなど)
・紹介動画、CM閲覧
・SNSの紹介、誘導

外国人対応として、順次多言語対応も可能となっております。

[施策3]SNSの設置による顧客とのコミュニケーションの促進

コンセプト:ソーシャルメディアを活用し、情報発信及び拡散を行います。
目的:優良顧客の育成、情報の拡散
内容:
・お得なクーポンの配布
・ハッシュタグによるユーザー参加型のイベント
・情報拡散によるキャンペーンへの応募
・顧客との質疑応答
・各種イベント(コミュニティサークル)の告知

【導入スケジュール・費用】

【導入後の効果】
貴社の強みである「くつろぎの場」としてのブランド価値と高いサービス力の認知によって新規顧客を獲得します。
また、SNSの設置によって顧客とのより密接なコミニュニケーションを行い、優良顧客の育成を行っていきます。

以上


(作成者) 
Y.S (株式会社DNPデジタルソリューションズ

(コメント)
企画を考えるには、日々の暮らしの中の何気ないイベントやキャンペーンを意識することが大切だと感じています。そこで得た様々な情報から新しい発想が生まれ、それが企画提案の際の新しい価値の創出に繋がることで試験やビジネスシーンで活かすことができます。
是非頑張ってください。

課題解決のための『クロスメディアエキスパート総合対策講座』東京-大阪ライブ

クロスメディアエキスパート認証試験は、デジタルメディアと印刷メディアの効果的展開により、マーケティングソリューションを推進する人財を育成するための試験制度です。 複合的なメディア活用による課題解決に向けた企画提案のありかたを学んでいただく試験として、知識を確認する第1部学科試験、実践への展開の第一歩となる第2部論述試験で構成されています。

本対策講座では、

  • 企画提案に必須となる重要キーワードの解説や学科サンプル問題へのトライアルとともに、習得した知識をどのように展開し活かしていくか
  • 施策立案のポイント解説とともに、提案書へどのように落とし込んでいくか

を一連のプロセスとともに学んでいただきます。

開催日程 講座名
6月22日(金)13:00~17:00 企画提案必須知識講座―学科試験対策―
7月6日(金)10:00~17:30 企画提案書記述講座―論述試験対策―

※試験合格のためには2日間通し受講が効果的ですが、いずれか一日のみのお申込みも可能です。
※大阪会場でライブ中継聴講が可能です。

企画提案必須知識講座―学科試験対策―

【開催日時】 2018年6月22日(金) 13:00~17:00

【内容】

企画提案に必要な知識を体系的に理解し、学科試験サンプル問題を交えて試験で問われるポイントを解説します。 提案の骨子を組み立てるには、マーケティングやメディアの知識をベースにコミュニケーション設計をする必要があります。 第1部学科試験対策としてだけでなく、第2部論述試験で効果的に展開可能な提案書とするためにも、本講座で理解を深めておくことをお勧めします。

  • クロスメディアエキスパート学科試験オリエンテーション
  • 最新学科模擬試験とキーワード解説
  • 企画提案への展開に求められる知識

【対象】 クロスメディアエキスパート認証試験受験予定者

【定員】 20名(最少催行人数5名)

【講師】 小野 雅史(株式会社サイバーテック 取締役)
XMLデータベースのマーケティングに従事。出版印刷業界でのXML活用に軸足を置き、新たなビジネスモデルや提案、ノウハウ共有などを幅広く実践している。

企画提案書記述講座―論述試験対策―

【開催日時】 2018年7月6日(金) 10:00~17:30

【内容】

過去試験での出題与件をもとに、企画提案書を作成する演習を行います。 試験で求められるポイントを押さえたうえで、与件を基に、現状分析→ターゲット設定→メディア施策立案へと進める企画手順と提案書作成方法を習得し、提案書としての完成度を高めます。

  • 論述試験出題与件サンプルの読解と設問解説
  • 設問ごとの解答ポイント解説
  • 立案のポイントと検証
  • 答案への落とし込み

【対象】 クロスメディアエキスパート認証試験受験予定者

【定員】 20名(最少催行人数5名)

【講師】 影山 史枝 株式会社スイッチ JAGATエキスパート資格講座講師 DTPスペシャリスト 
東北芸術工科大学非常勤講師 PCメーカーにて教育事業を担当。その後人材派遣会社にて派遣社員の教育全般、 画像処理メーカーにて出力業務、マニュアル制作など営業サポート業務を担当。現在は、印刷会社のテクニカルアドバイザー、教育機関のDTP講師、DTPエキスパート認証試験対策指導を行う。講演、執筆実績多数。

受講料 (税込)

講座名 東京会場 大阪ライブ聴講会場
一般 優待 一般 優待
企画提案必須知識講座―学科試験対策―
※最新学科模擬問題付き
12,960円 8,640円 10,800円 7,560円
企画提案書記述講座―論述試験対策― 14,040円 9,720円 11,880円 8,640円
2日間セット受講 21,600円 14,040円 18,360円 11,880円

優待料金:JAGAT会員・大印工組合員またはDTPエキスパート有資格者

振込先

※開催日の2日前までに下記の口座へお振込みください。

みずほ銀行 中野支店 (普)202430 シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ

会場

アクセスマップ

●東京会場 公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム
東京メトロ 丸の内線 中野富士見町駅下車 徒歩5分

●大阪会場※ライブ中継聴講講座 大阪印刷会館セミナールーム
大阪環状線桜ノ宮駅より 徒歩5分

申し込み方法

Webからのお申込み

東京会場Web申込フォームへ 

大阪会場Web申込フォームへ

FAXによるお申込み

下記より申込書をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、JAGAT販売管理担当(03-3384-3216)までFAX送信してください。お申込み内容を確認後、参加証をお送りします。

東京会場FAX申込書(PDF)►大阪会場FAX申込書(PDF)

お問い合わせ

☞お申込みについて 販売管理 TEL(03)5385-7185
☞講座内容について CS部資格制度事務局 TEL(03)3384-3115
E-MAIL: cme@jagat.or.jp

☞大阪ライブ中継聴講について 西部支社 TEL(06)6352-6845

第26期クロスメディアエキスパート認証試験実施要項

リアルイベント、クロスメディアを活用した農産物直売所運営事業向上のための顧客コミュニケーション

第25期クロスメディアエキスパート認証試験(2018.3.18実施)
第2部論述試験「提案書」解答例


A社御中

2018年3月26日

リアルイベント、クロスメディアを活用した
農産物直売所運営事業向上のための顧客コミュニケーション

~リピーターとなる消費者会員増とファン育成を目指して~

【はじめに】

このたびは提案の機会をいただきありがとうございます。
貴社は「他にはない新鮮で美味しい農産物を入手できる直売所」として経営基盤を築き、向上してこられました。しかし1993年より「道の駅」事業のスタートに始まり、昨今競合直売所も増えてきまして、貴社も変化がご必要なタイミングかと存じます。
そこでイベントやクロスメディアを活用した優良顧客育成コミュニケーションを提案いたします。

【現状分析と課題の整理】 貴社ヒアリングに基づき、下記3点の課題をピックアップいたしました。

・近郊のみならず、遠隔地のファン層を開拓するために、顧客との関係性をより重視したコミュニケーションが必要(顧客との関係性向上)
・既存会員の維持に注力することを継続しつつ、新規会員獲得とその優良顧客の育成に尽力することが必要
・消費者ニーズを常に読み取ることで、農業経営者を育成しつつ、消費者目線に立った価値の高い商品を提供し続けることが必要

【提案概要】  (上記課題点をもとに3施策を提案致します)

①特設サイトの新設およびWebサイト改修による認知度アップとブランディング向上
②リアルイベント実施による集客・購買・販売力アップ施策
③SNSを活用したファンづくりとリピーターの育成

【提案内容】

〔施策① 特設サイト・Webリニューアル〕

<目的> 貴社直売所3拠点の魅力を見込み客に確実に伝え、認知度アップ、ブランド力向上をはかる。また購買率の高いリアルイベントへの誘導をはかります。
<ターゲット> 30~60代世代男女/生活の中で食材を仕入れる層全て
<内容>
①リスティング広告や自然検索で特設サイト(イベント告知)やWebサイトへの来訪を促します
②特設サイトでは、イベント(施策②参照)の告知とそこで利用できる割引クーポンをつけます
③Webサイトを改修し、新規/リピーター顧客の活性化をはかり、以下情報を能動的に発信することで、認知・ブランディングを向上します。
 ・貴社の強みコンテンツ(直売のしくみや新鮮さのしくみ)
 ・3拠点の情報公開(作っている物の紹介から生産者の声、土地の四季風景)
 ・商品を使ったアレンジレシピの紹介と考案者(料理家)ブログの新設
 ・購入者Webアンケートの実施 ⇒各農業経営者へ結果を戻し、改善する部分等含めアンケート結果としてWebサイトに公開します
 ・マイページの新設 ⇒Webによるポイント管理や購入履歴の可視化。また購入履歴をセグメントして不定期ターゲティングDM送付
 ・料理フォトコンテスト(施策③参照)結果発表⇒優勝者は、貴社レストランへ招待
<効果> 
・新規/リピーターに対する認知度向上とブランド向上
・定期Web解析によるユーザー分析にて効果測定

〔施策② 料理家X 農場による考案レシピ試食イベント〕

<目的> リアルイベントによる集客と販売力アップ
<ターゲット> 30~60代層の見込み客で、料理を日常的にする方々
<内容>
①料理家にて拠点で販売している商品を使ったレシピ提案と試食デモを行う(Webサイトや各拠点レシート告知にて集客)
②生産者によるワークショップ
③料理試食中にレシピ配布(割引クーポン付)。QRコードを付けてWebサイトとSNSへ誘導する
④イベントオリジナル「特別セット」の発売
⑤参加者によるアンケート実施(イベントコンテンツ向上のため)
<効果>
・購買率の高いイベントを実施することにより、販売し売上を向上する
・Webサイト経由で新規顧客の刈り取りをする機会がつくれる
・アンケート実施により、効果測定をし、次回イベントと顧客ニーズを捉える

〔施策③ facebookアカウント新設による口コミ、リピート拡散〕

<目的> SNSを活用しファン作りをし、優良顧客との長期関係をつくる
<ターゲット> 30~50代男女でSNSやスマホをよく使う方々
<内容>
①facebookの新設を行う。コンテンツは以下のとおりです
・スタッフブログ(毎週更新し拠点の季節感を画像で伝える)
・生産者からの情報発信(今日のとれたて!! おすすめ情報毎朝更新) ⇒いいね!シェアした方は割引あり(店頭提示)
②イベント=料理写真フォトコンテストの実施
SNS内(#ハッシュタグにて)料理写真をアップしていただきまして、毎月表彰や料理家コメントをWebサイトにてアップします。(優勝者はレストラン無料招待)
<効果>
・①②の実施によりファンの育成ができ、優良顧客との長期関係が構築できます。
・いいね!シェアで効果測定ができるとともに、拡散効果が見込めます。
・リアルイベントやWebサイトとの相互リンク機能を促進し、集客、売上向上に貢献します。
・SEO対策としても効果があります。

【スケジュール】

 

【費用】  (※税別)

●特設サイト
・企画費=100万円
・保守/更新 30万×4回=120万円
・デザイン、コーディング(50ページ)
●Webサイト
・企画デザイン、コーディング 100万円
・保守 30万×4回=120万円
●イベント
・企画50万円
・実施40万×5=200万円
●イベント配布リーフ
・デザイン5万円、製造5万円  計10万円
 (5,000部/A5/4C/1C)
●SNS  一式 50万円
●リスティング 10万×5回=50万円
合計 800万円

以上です。ご検討よろしくお願いします。


(作成者) 
D.K (東京都)

(コメント)
[受験時の勉強法や合格時の心情]
毎朝、推薦書「問題解決プロフェッショナル」を15分読みました。
通算5回ほど読み、ロジカルな考え方の基本を頭に叩き込むことからはじめました。
並行して毎週一本過去問を解き、時間配分や解答イメージを身につけていきました。

具体的には、受験勉強前にJAGAT対策セミナーを受講させていただいた際の模範解答を見返しながら、
ケースバイケースで自分なりにクロスメディア施策を考えていました。

市場やターゲットにより施策は色々ありますし、日常生活の中でも特にクロスメディアプロモーションの
打ち手を意識してアンテナを張り巡らせて試験に臨みました。

約4ヶ月20週に渡り、どんな課題が来ても良いように設問毎に時間配分をし、企画書を書き続けました。
イベント性や双方向性の意識を強く持つと受け手も効果に期待が持て、良い答えが出せるような気がします。

朗報を頂いた時は、とても嬉しかったです!
身につけたかったスキルでしたし、合格率も高くない資格試験と認識していたので、時間をかけた分、報われたと思いました。

[その後のビジネスでどのように役立っているか]
実践で判断の場が多いので、大変役に立っています。
こちらの資格でロジックや企画立案を学び、他の資格で解析などの効果測定やプロモーション手法の定義を学び、点と線が繋がりました。
販売不振時や新規プロモーション手法を考える際、自信を持って取り組むことができています。

[今後受験される方へのメッセージ]
資格は取得するものではなく、身につけて実務に活用するためのプロセスだと思います。
本資格は、会社や社会に貢献するにあたり、また自分の仕事をより楽しくする、且つ視野を広げるために、たいへん勉強になる資格だと思いました。

また、時間内に結論を出すという事の重要性や仮説思考など、多くを再認識することができました。
私の中でクロスメディアエキスパートの称号は、誇らしいものでもありキャリアアップに必要な資格でした。

「英国風ゲストハウスで素敵な1日を過ごそう」キャンペーン

第24期クロスメディアエキスパート認証試験(2017.8.27実施)
第2部論述試験「提案書」解答例


A社御中

「英国風ゲストハウスで素敵な1日を過ごそう」キャンペーン

~新郎、新婦の想いを形にするゲストハウスウェディング~

2017年8月27日 X社

【はじめに】

この度は貴社事業に関する提案の機会をいただき、誠にありがとうございます。
ブライダル市場は、消費者の趣向の多様化や少子化の影響により厳しさを増していますが、貴社の「顧客満足度の高いサービス」と「夢と感動を与えるブライダル」は競合他社との差別化になります。
本提案ではそれらを最大限に活用し、より高い顧客満足度の実現とホスピタリティの充実を目指します。

【現状の課題と分析】 

・ブライダル情報誌や情報サイトでは差別化できないけれども、訴求するチャンネルの不足
→ SNSを活用した顧客獲得と口コミの醸成
・優秀なスタッフと高い顧客満足度をアピールする機会が少ない
→ 動画コンテンツを利用してターゲット層に貴社のホスピタリティを知ってもらう
・ブライダルフェア参加者の成約率が高い
→ 上記と連携してフェアへの参加者増加を目指す

【施策の概要】

●「英国風ゲストハウスで素敵な1日を過ごそうキャンペーン」(仮)
・SNSで拡散した上で来場したカップルに抽選でミニフォトアルバムのプレゼント(フェア毎に10組)
・フェアに来場して成約した場合、ウェルカムドリンクかコース料理のランクを1段階アップする。
●上記キャンペーンにあわせたSNSの利用
・スタッフ紹介、式場案内、1日の疑似体験、利用者の声を動画コンテンツとしてSNSにプロモーションとして発信。また、キャンペーンを告知するアカウントのフィードを共有するとミニアルバムが当たる権利が得られる。
●コーポレートサイトのリニューアル(キャンペーンサイトの作成)
・広告で流す短い動画とは別のロングバージョンを用意して配信する。また、SNSや情報サイトからのランディングページを用意し、どのページからどうやってキャンペーンサイトにアクセスしてきたかの統計を取って効果測定とする。

【施策の詳細】

●「英国風ゲストハウスで素敵な1日を過ごそうキャンペーン」(仮)

<目的> フェアへの参加者増加とSNSによる口コミの醸成
<内容>
・SNSアカウント(ツイッター・フェイスブック・インスタグラム)を利用し、ゲストハウスの写真や動画、実際の挙式風景やモデルによるイメージ動画などを広告として配信。
・ツイートやフィードを共有してフェアに来場したカップルから抽選で10組にミニフォトアルバムをプレゼントする。
・フェアに来場の上、成約した場合はウェルカムドリンクかコース料理のグレードを1ランクアップできる。
<期間> フェアのタイミングに合わせて1~2ヶ月前から行う
<効果> SNSによるユーザー獲得と、特に趣味の近い人同士をフォローし合うSNSの特徴から、ユーザーの掘り起こしを狙うことができる。また、フェイスブックは利用者の年代や居住地域が割り出し易いことから、今後のキャンペーンのリソースとなる。

●動画コンテンツの作成

<目的> 貴社の魅力を最大限訴求し、ブランドのイメージアップを図る。
<内容> 
・優秀なスタッフの紹介(式場でのエピソードややりがい等をインタビューを通してホスピタリティに焦点を当てる)
・式場の案内にモデルを使用し、季節毎の演出を含めたPR動画にする。
・挙式当日の疑似体験ができるショートムービー
・実際の利用者の声(モデル使用可)からサービスを紹介する。
上記をSNS広告用とコーポレートサイトでの配信用とで8種類作成する。
<効果> SNSの広告においては、どれくらいのユーザーがどのくらいの時間閲覧したかを統計にとることが可能。また、どのタイプの動画がよく再生されるかによるユーザーの嗜好を計測する。

●コーポレートサイトのリニューアル

<目的> SNSを呼び水にした効果測定と、ブランドのイメージ向上
<内容>
・情報サイトやSNSからのランディングページを用意する。
・上記動画コンテンツによるリッチコンテンツでブランドイメージ、特にホスピタリティを前面に出したイメージアップと利用者の想いを形にするこだわりを演出する。
・スマートフォンの利用が見込まれることから、レスポンシブデザインを導入し、利用者のSNSからのスムーズな流入を実現する。
<効果> 文字や写真では伝わりにくいイメージと、実際の声を紹介することにより、利用者に具体的なイメージを広げてもらい、他社との比較に対して有利になる。SEO、LPOにより効果測定がしやすい。

●ミニフォトブックの作成

<目的> ブライダルフェアへのO2Oの実現
<内容>
・来場者10組に抽選でミニフォトブックをプレゼントする。
・式場見学時の2人の写真や式場、衣装などを撮影
<仕様> A4カラー 8ページ ハードカバー
表1には2人の写真が入る。窓をつける。

※このフォトブック作成を貴社コーポレートサイト上で利用者にレイアウトしてもらうサービスもご提案できます。

【スケジュール】

*ウェディングフェアに連動させてSNSを利用されると効果的です
*SNSはツイッター、フェイスブック、インスタグラムを利用し、代行運用も可能です

【概算費用】
・コーポレートサイトのリニューアル(キャンペーン特設サイトを含む) 800万円
・動画コンテンツ作成(4種×ロング版・ショート版=8本)                      300万円
・SNSプロモーション広告(運用代行別)                                           200万円
・キャンペーン費用(フォトブック・料理のランクアップ)                       300万円
・Webサイト効果測定
(ツイッター・フェイスブック・インスタグラム・コーポレートサイト)
                       50万/月×6ヶ月=300万円
                            合計 1,900万円

*ミニフォトブックをコーポレートサイト内でレイアウトできるサービスもご提案できます。

以上です。ご検討よろしくお願い致します。


(作成者) 
三枝祐介(広研印刷株式会社

(コメント)
単に情報技術に関する知識だけでなく「総合的に提案する力」を問われる試験でした。
多様な視点から最も効果的な解決策を提案するために多方面からの知識のインプットが必要で、それを言葉にする力も必要でした。
難しい試験でしたが、得られた知識を総動員して職務に当たっています。

「継続的にかずさ鉄道を利用するお客アップ」のご提案

第20期クロスメディアエキスパート認証試験(2015.8.30実施)
第2部論述試験「提案書」解答例


A社御中

「継続的にかずさ鉄道を利用するお客アップ」のご提案

~ファン育成のお手伝い~

2016年3月20日

A社御中

X社プロジェクトチーム

【はじめに】

今回はこのような提案の機会をいただき、誠に有り難うございます。
A社様へのヒアリングを基に多方面より分析し、ご提案させていただきます。

下記の3点をポイントに立案しました。
① A社様の課題を効果的に改善するものであるか。
② 費用が効率よく効果を生み出すものであるか。
③ 継続して企画案が実行できるものであるか。

以上よろしくご検討をお願いいたします。

【現状分析】 SWOT分析により現状分析をいたします。   


        ↓
30~50代の女性ファン、鉄道女子が増えることがあったが、情報発信の弱さからかずさ鉄道の強みが伝わらず、ファン客の育成につながっていない。(乗客数が伸びていない)

【ご提案】 〔強み〕と〔機会〕を生かしながら①→②→③(図参照)をスムーズに進めるお手伝い。

・企画その1. 見込客に対して効率的な訴求・・・①
〔旅行雑誌、鉄道雑誌に広告掲載〕
昭和の風景が残る沿線であること。ディーゼル列車、クジラン列車等の情報を掲載。ファンに確実に届く雑誌を選択。
〔ホームページリニューアル(スマートフォン対応)〕・・・多くの方に告知可能
興味を持った方が情報を集めるために最新のイベント情報を掲載。
また、『動画』(運転席からの)を配信することでよりリアルに魅力を感じていただける
(雑誌広告にはQRコードがついておりホームページに誘導が期待できる)
(Webクーポンが付いており、土産品割引がうけられる)
⇒ この企画で「AISASの定義」の「AI」「S」を構成

・企画その2. 新規客(「かずさ鉄道」乗車)に対して満足度アップする訴求・・・②
〔パンフレット〕A4、32p(スタンプラリー形式)作成
来場された方に対して鉄道周辺のスポット、写真スポット、休憩スポットを掲載したパンフレットを渡す。このパンフレットはスタンプラリー形式になっていて、多くのポイントを効率的に観光していただける。
地元の方、観光客同士のふれあう機会も提供できる。
(地元の方が多く掲載されているパンフレット)

・企画その3. リピート客(ファン客)を育成する訴求・・・③
〔ダイレクトメール(DM)発送〕(年2回発送)
お客様が利用したパンフレットには個人情報が取得できる企画がついており(プレゼント応募)、その方に対してDMを発送。写真イベント、フォークソング列車etcの情報を発信していく。
このダイレクトメールには特典がついており、特別なお知らせとして直接、告知することができる。
(情報誌タイプ)(個人情報データベース)

※この企画の優先度は②→①→③と設定
一度こられた方が満足していない点は早急対応が必要であり、「いこいの場」を提供する理念とも合致します。満足いただければ、リピートの可能性は高く、次の策は①と設定し、お互いの相乗効果をより期待いたします。

【スケジュール】

【予算】

① 広告掲載     500万円
  ホームページ   200万円
② パンフレット   500万円
③ DM         800万円
       合計 2,000万円

【効果】

企画はお客様の流れである①、②、③に対しての訴求である。
雑誌広告は、ファン層への的確な訴求が期待でき、WebページはQRコードからのキャッシュ分析とWebクーポン、パンフレット、DMと効果測定が可能であり、第1フェーズ後、費用対効果が確実に計れる企画となっています。

以上


(作成者) 
 田中洋芝 (アインズ株式会社

(コメント)
1ヶ月前から『受験サポートガイド』を読んで、受験に備えました。
合格した際は、論述試験のとらえ方があっていたんだと安心しました。
 
Webやスマホなどの分野では新しい技術が日々生まれています。
印刷とのクロスメディアでお客様のビジネスに役立てるよう心がけています。

お客様へのご提案は、基礎を押さえられていることが大切です。
受験されることで基礎を身に付けられてはいかがでしょうか。

クロスメディアを活用した顧客コミュニケーション活性化のご提案

第18期クロスメディアエキスパート認証試験(2014.8.22実施)
第2部論述試験「提案書」解答例


A社御中

クロスメディアを活用した顧客コミュニケーション活性化のご提案

~ソーシャルメディアの活用・Webサイトリニューアルによる顧客獲得~

【はじめに】

貴社は、生活者の立場を優先した商品づくりを心掛け、「生活者へ団らんを届ける」といった方針が支持され、フードデリバリー事業を拡大してこられました。
この度、新たなブランド「魚亭」を展開し始め、それをきっかけにあらゆる層の顧客とのコミュニケーション手法を見直し、確立されると拝聴しております。
今回、当社からはデジタルツールを用いた「顧客コミュニケーション活用化」のご提案をいたします。

【現状の課題】

・Webサイトの効果的運用ができていない → 電話での注文に留まり、履歴の有効活用がない。
・高いリピート率があるのに対し、有効な手立てがない → 更なる囲いこみ、ヘビーユーザーの育成ができていない。
・あらゆる層の顧客に対し、単一のアプローチしかしていない → 提供すべきコンテンツ(情報)の吟味ができていない。

【基本的な戦略】

・Webサイトの再構築(マイページの運用)~Webによる注文のメリットの喚起 [PC/モバイルサイト]
・ソーシャルメディア活用による双方向コミュニケーション~「いいね!」「シェア」による新規顧客獲得
・会員制度導入による生涯顧客の獲得、ヘビーユーザーの育成

以上を基本的な戦略として、施策①~③を実行します。

●施策① Webサイトリニューアル

1. マイページの運用
「簡易ログイン」「購入履歴」「ポイントの利用」→施策③と連動
さもすれば紛失しやすい紙クーポン(利用頻度を見て継続)に加え、マイページにて上記機能を追加し、電話による注文の煩わしさよりも利便性の高い機能を付与します。

2. PC/モバイル共用
お手軽さを演出するために、モバイル共用のサイトとし、若年層の取り込みも狙います。

3. Facebookとの連動
いいね!ボタンを設置し、Facebookページにも誘導 → シェアの拡大を狙います。

4. 電話による注文の購入履歴データベースとも連動させ、Webへの誘導を促す。

目標 → ご注文の軸をサイトに移行し、購買への壁を低くすることで、リピート率のさらなる向上を目指します。

●施策② Facebookページの開設、運用→開発時の秘話、体に良い商品づくりなどニュース発信

1. Facebookページの開設、および見込客に絞ったFacebook広告の活用
年齢、住所、嗜好、家族構成など設定した広告を打ち、「いいね!」の獲得

2. 「いいね!」アプリによるクーポン発行~販売促進と共に利用頻度の検証

3. 双方向コミュニケーションの確立 
「団らんphoto大募集」コーナーを設け、貴社が目指す「団らんの場の創出」に適した投稿フォームを設置。表示は匿名可能とし、参加者にはもれなく割引/商品クーポンを、大賞作品にはWebページの掲載、表彰とクーポンを進呈。双方向のコミュニケーションを活性化させます。

目標 → 一方的、単一的なコミュニケーションから、より双方向に、顧客層毎に差別化したコミュニケーションを確立し、生涯顧客育成/新規顧客の獲得を目指します。

●施策③ 会員制度の導入

1. マイページの運用、また会員個別の番号を発行。電話での注文が多い(と予測される)40代後半~の層に対しても付与し、顧客情報の管理~効果的なコミュニケーション施策を展開します。
(※個人情報の管理体制が検討課題)
「新商品のご紹介」「嗜好に合った商品の表示」「購入履歴からのリピート注文対応」など。電話対応の場合においても、窓口オペレートの簡略化(住所、電話番号など都度確認の省略)につなげる。

2. 世代、家族構成に見合った販促物作成~配付が可能となります。
当社の商業印刷物制作の実績により、3種(例)の紙媒体ツールを発行。
○ 若年世代(単身者含む)編・・・トレンドやソーシャル活用術なども掲載
○ 30~40代編・・・小さなお子様も楽しめる「ぬり絵」なども付け、食の安心、安全を謳うコンテンツ中心に
○ シニア層編・・・高級感の演出と、体に良い成分、豆知識など
 <各ツールに、切りはなしクーポン付加>

目標 → 顧客情報を活用し、有効的なOne to Oneビジネスを展開し、貴社のファンを増やします。

【スケジュール】

【費用】

・Webサイトリニューアル、顧客DB構築    1,000万円
・Facebookページ              200万円
・Facebook広告             50万×3=150万円
・各販促物作成~運用        100万×3=300万円
                  /計 1,650万円(概算)

【まとめ】

以上の施策を行ない、
・リピート率のさらなる向上
・生涯顧客(ヘビーユーザー)の育成
・新規顧客の獲得を実現し、前年比同期+25%の売上を達成いたします!

以上


(作成者)
内藤伸一郎(株式会社あかがね

(コメント)
普段のプランニングを数時間で完結させることは無いので、試験では考えることも大事ですが、手書きでの時間配分も気にして臨んだ方が良いかと思います。
結構、時間を喰った印象があります。

クロスメディアエキスパート結果通知発送

第26期クロスメディアエキスパート認証試験の結果通知を発送いたしました。
本試験合格者の方につきましては、同封の案内に従い、資格者登録情報のご確認をお願いいたします。

尚、2018年4月に実施しましたクロスメディアエキスパート更新試験・再取得試験につきまして、合格者の方に新しい認証証を発送いたしました。

第25期クロスメディアエキスパート 論述試験の出題意図と講評

第25期クロスメディアエキスパート認証試験は、2018年3月18日(日)東京・大阪を始めとした全国4会場にて実施し、104名の方が受験した。
本試験第2部の論述試験は、架空の企業に関する与件文を読み、顧客の課題を解決するコミュニケーション戦略の提案書を140分の制限時間内に作成するものである。

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【第25期与件:農産物直売所】クロスメディアエキスパート 記述試験

状況設定について

あなたは、首都圏にある中堅総合印刷会社のX社に勤務するクロスメディアエキスパートである。X社は、商業印刷物やSP企画・制作、Webサイトの構築・運用のサービスを顧客企業に提供している。X社にはデザイン制作、およびWebコンテンツや映像・動画の企画制作を専門とする系列子会社があり、グループ総従業員数は160名である。

A社提案プロジェクトについて

農産物直売所の運営事業を展開するA社は、X社が過去に取引を行った顧客企業である。同社のチラシ・パンフレット製作やWebサイトの一部を手がけた実績もある。
営業担当者より「A社は顧客との新しいコミュニケーション戦略を検討している」との報告があった。そこでX社では、営業部門や企画部門、制作部門に所属する数名で、A社提案プロジェクトを立ち上げることになった。クロスメディアエキスパートであるあなたは、本プロジェクトのリーダーを任命された。
X社は、本プロジェクトにて提案書を作成し、2週間後の2018年3月26日にA社へ提出する予定である。

面談ヒアリングについて

A社について調査を進めたところ、X社の競合企業がインターネットやモバイル端末を活用した企画提案を行う準備をしているとの情報が入った。X社は、営業担当者が中心となり、社長と店舗担当者(副店長)に面談(※ヒアリング報告書参照)を実施した。
A社は、コミュニケーション戦略を立案するにあたり、社外からの優れた提案を取り入れ、実施を検討する方針である。

A社ヒアリング報告書

2018年3月12日
X社 営業部 第一課
岡崎 友美

概要:A社のコミュニケーション戦略に関するヒアリング調査
日時:2018年3月8日 10時~12時
対応者:皆川 健太郎社長 、原田 大地(つくば店 副店長)
内容:下記に記載 

1.提案へ向けて

A社は、茨城県つくば市、茨城県取手市、千葉県柏市の3拠点にて、比較的大規模な農産物直売所の運営事業を展開している。
1991年の創業時から、大規模な農産物直売所の先駆けとして注目され、メディア等で紹介されることも多く、順調に業績を伸ばしてきた。農産物直売所の業績は、商品である地域の農産物をどれだけ集約できるかに依存する部分が大きい。A社は、創業時より生産者にとって安定した農業収入の確保を第一の目標として、高品質な商品の提供を求めてきた。その結果、消費者から見ると、価格面では割高でも他にはない新鮮で美味しい農産物を入手できる直売所として人気になり、経営基盤を築いてきた。
また、初期段階から消費者会員制度を導入し、購入額の10%を割引する仕組みによってリピーターを育成する仕組みを整備してきた。
近年は年間売上が10億円以上の大規模な直売所が各地に誕生し、直売所間の競争も激化している。スーパーマーケットやショッピングモールでも、直売所対策としてインショップ形式の直売コーナーや朝市を設置するという動きも増えている。
A社は、安売りによる販売拡大は一切行わず、従来どおり高くても選ばれる直売所を目指している。そのためには、ファンを育成し、リピーターとなる消費者会員を増やしたいと考えている。顧客とのコミュニケーション手法を確立し、関係性を構築するためのプロモーションを模索しており、それに伴うコンテンツやメディア展開案を求めている。

2.施策の運営と実施効果測定

  • 週単位でメディア展開の実績を確認したい
  • 可能な範囲でメディア利用者のレスポンスを把握し、活用したい
  • A社の担当者は、つくば店の副店長、および柏店の副店長の2名を予定

3.想定予算

  • 印刷費、Web制作費、ハードウェア、ソフトウェア、開発費など、総額800万円以内を想定(初期および6ヵ月間の費用。以降の維持コストは別途算定として構わない)

4.施策の実施期間

  • 2018年7月1日に施策を開始し、12月末までとする。その後、施策の評価と見直しを行いたい。

5.直売所を取り巻く環境

  • 農産物直売所は古くから存在し、地域の朝市や個人農家の軒先販売、農家グループのテント販売など自然発生的に生まれている。
  • 1993年に国土交通省の「道の駅」事業がスタートし、全国各地に道の駅が設営された。当初は土産物販売店やレストランなどが中心だったが、次第に農産物直売所が人気となり、全国の道の駅に普及することとなった。
  • その後、道の駅以外にも大小さまざまな規模の農産物直売所が増えていった。
  • 直売所の設営者は、生産者グループを母体とする法人、地方自治体が参加する第3セクターや公社、JA(農協)が母体となるものなどさまざまである。
  • 農林水産省は1980年代から地産地消を提唱している。2010年には農林漁業の6次産業化・地産地消に関する法律が制定されており、直売所の普及を推進している。
    (6次産業とは、農林漁業者が1次産業だけでなく2次産業である製造業、3次産業である小売・サービス業に総合的に取り組む動き。1×2×3から6次と呼んでいる。)

  • 農林水産省の調査によると、2009年度には全国で16,816施設の直売所があり、直売所の年間の総販売金額は8,767億円となっている。全国の農産物流通量の5%に相当するとも言われている。
  • 2000年代後半頃から、JA(農協)が直売所事業に本格的に参入したことから大規模直売所が増えており、成長産業とまで言われるようになっている。
  • 現在、全国トップクラスの直売所は1店舗だけで年間20~30億円程度の売上を上げている。

6.直売所の市場動向

  • 農産物の多くは農協を経由して市場に出荷され、卸売業者、小売店へと流通している。
  • 直売所は、近隣の農家(ほとんどが会員制、または契約農家)が商品を持ち寄り、委託販売する方式である。通常は出荷者自身が価格を設定、商品を簡易包装し、陳列する。売れ残り商品は、出荷者が持ち帰る。つまり、販売のリスクは出荷者が負う。
  • 売れた商品の代金から、販売所の手数料を差し引いた金額を受け取る方式である。
  • 市場経由の農産物と比べて流通コストが削減される、出荷から消費者の手元に届く時間が大幅に短縮される、生産者を身近に感じられるという特徴があり、その結果として新鮮さ、リーズナブルな価格設定、安心であることが消費者に広く支持されている。
  • 地域によっては直売所が乱立し、経営不振となっている場合もある。主な原因は、集客力ではなく契約農家が不足して商品を確保できないことだとされている。
  • 直売所の大多数は、地元の農産物販売を中心とし、出荷や流通コストを最小に抑える郊外型である。
  • 観光地周辺で大規模な駐車場を併設した直売所や道の駅は、観光地型である。
  • 都市部の直売所(都市型)は消費者が多く、スーパーマーケットのような品揃えが求められる。地元以外の農産物仕入れ比率が高くなる傾向がある。

7.A社の創業

  • あけぼの村市場は、1991年茨城県つくば市にて創設された農産物直売所である。創業者は元つくば市市議会議員の皆川健太郎を始めとする4名の農業経営者である。
  • 皆川は、農産物の価格が需給に応じて変動することが、農業者の生産意欲、品質向上意欲を削いでおり、そのために農業経営が低収入となる悪循環を生んでいると考えていた。
  • 直売であれば、高品質の農産物を高値で提供することが可能になる。そのために農業者間の競争が生まれ、さらに高品質の商品を提供することができ、消費者にも喜ばれるというサイクルが実現すると考えた。
  • 当初は、直売所自体が珍しく販売も伸びなかった。しかし、1993年に冷害によるコメ不足騒動が起こり、国産米の価格が高騰した。その際、市場を経由しない独自価格のコメが注目を集めたことで、経営基盤を確立することができた。
  • 既存のスーパーマーケットでは入手できない、新鮮な農産物が購入できることが認知されており、近郊だけでなく、近県や東京都内からも顧客が集まるようになった。

8.A社の事業モデル

  • A社は、茨城県つくば市、茨城県取手市、千葉県柏市の3拠点にて、比較的大規模な農産物直売所の運営事業を展開している。
  • 同一商品の最低価格を決め、安売りを禁じているため、良い物でなければ売れ残ってしまう。それが農業者間の品質競争を生み出している。その結果、新鮮さと美味しさをアピールすることに成功している。
  • 玄米は主力商品の1つである。生産者ごとに価格と銘柄が異なっている。つまり、品質に自信のある生産者ほど高く値付けしている。消費者には、高い物ほど美味しいことが伝わるため、指名買いする固定ファンも多い。精米サービスも行っており、米の本来の美味しさが分かると人気を呼んでいる。
  • 創業初期の段階から、消費者会員制度を設けている。現在の仕組みは、年会費1,000円を支払い会員登録すると、ポイントカードが支給される。商品を購入すると購入額の10%相当のポイントが付与され、1,000円分貯まると、次回の購入時に1,000円分割引される。会員登録の際、住所・氏名、電話番号、メールアドレスを記入してもらっている。
  • 会員数は、3店舗合わせると3万人を超えており、リピート率も高い。
  • 店舗の壁には契約農業生産者、全員の顔写真やプロフィールを掲示している。
  • 農産物にはバーコードと品目、価格、生産者名を記載したシールが貼付してある。陳列棚には、「○○さんのトマト」のように生産者名が掲示されている。
  • 農産物の出荷者には、できるだけ試食品をつけることや、調理方法が知られていない農産物には、簡単な調理メモを掲示することなどを指導している。
  • 3店舗の扱い品目は、農産物と農産加工品、花卉園芸(園芸センター)である。
  • つくば店には、子ども広場、自社農園と蕎麦屋の併設施設がある。季節によっては地元産の新そばを販売し、人気になっている。
  • 取手店、柏店には、新鮮野菜を活かした農業レストランがあり、人気となっている。
  • 春祭りや秋祭り、夏休みなど季節に応じたイベントや試食会、自社農園での農業体験会(田植え、稲刈り、収穫祭など)を開催しており、大勢の集客が得られている。
  • 3店舗とも郊外型店舗であり、大型駐車場を併設している。
  • 電話・ネットによる注文販売は、手間やコストがかかるため実施していない。店舗内に宅配便の受付があり、購入者自身が送付することは可能である。
  • トマト、イチゴ、メロン、梨、ぶどう、リンゴなど果物類は、季節に応じて宅配用の特設コーナーを設け、贈答ニーズにも対応している。
  • 惣菜コーナーでは、から揚げ、コロッケ、メンチカツや煮物などの対面販売をおこなっている。
  • おにぎり・弁当や味噌、漬物、うどん、蕎麦、餅、ジャムなど手作りの加工食品も人気商品である。
  • アイスクリームやパン、クッキー、ハムやソーセージなど、地元の企業が製造した商品も扱っている。

9.A社の販売促進

  • A社の特徴は、早い時期から消費者会員制度を導入したことにある。消費者会員は安値商品ではなく、割高でも価値のある商品を求めている層が中心であり、リピート率の高い優良顧客となっている。
  • 消費者会員には、年1回DM(はがき)を送付し、年会費の更新を案内している。
  • A社では近隣への折込みチラシは年数回のイベント開催だけに留めている。その理由は、スーパーマーケットとの安売り競争には参入せず、一時的な集客を求めていないためである。
  • 直売所の先駆けとして注目されたため、テレビ取材や新聞・雑誌での記事掲載も比較的多い。そのため、知名度も高く、週末には首都圏・都内からの来客も多い。
  • ウェブサイトには、イベント案内や報告を中心に創業ストーリーやA社の理念、農業経営に対する考えなどの記事を掲載している。

    10.利用者の評価・満足度

    • 店頭、およびレストランには、アンケート用紙を置き、店舗やサービスへの不満や要望を記入してもらっている。結果は、商品の新鮮さ、美味しさなどを高く評価するものが80%程度であった。
    • 惣菜コーナーや宅配コーナーは、アンケートの要望から誕生したものである。
    • アンケートの結果によると、一度購入すると、商品の新鮮さや美味しさに共感してファンとなることも少なくないようである。
    • 1999年に消費者会員への郵送アンケートを実施した。回収した結果は高評価のものが多かったが、郵送費に比べて回収率が低く、それ以降は実施していない。
    • 消費者会員の居住地は、半径10km以内が60%、20 km以内が30%、その他10%である。年代の比率は40代:27%、50代:26%、30代:22%、60代:21%と偏りが少ない。
    • 茨城県つくば市は国内最大規模の研究学園都市として知られている。市の中心部には多数の研究施設や教育機関があり、関係する住民も多い。結果的に健康志向や美食志向の高い住民も多いことが推測される。

    11.人事体制・スタッフ教育

    • 直売所事業を通じて、生産者にも消費者にも喜びを分かち合うという理念を共有できるよう、スタッフ育成・教育に努めている。その結果、地元出身で農産物に親しみを持っているスタッフがほとんどである。
    • 直売所事業は発展途上のビジネスモデルであり、全国各地の直売所の経営母体や販売方法も多種多様である。そのため、従業員の見学や研修を定期的に実施している。
    • 生産者にも、月に数回当番制でレジ打ちや販売補助業務を担当させている。消費者に直に接することで消費者の気持ちを理解できること、消費者に生産者の顔を見せる効果も大きい。
    • 新規就農者のための農業研修生制度と独立支援プログラムを設けている。将来の農業経営者であり、商品出荷者となることを目標としている。

    12.A社の競合

    • 近年は、直売所同士の競合が多くなっており、結果的に商品集約力(契約農家の件数や出荷量)の多寡が、徐々に売上に響いている(現時点でA社への直接的な影響は不明である)。
    • A社の各店舗の周辺(10km圏内)にも道の駅、JA(農協)が運営する直売所が何軒か進出している。
    • JA(農協)は、2000年代後半から「ファーマーズマーケット」と名付けた直売所ビジネスに本格参入している。傘下に多数の組合員(生産者)を抱えているため、大規模店舗での大量販売を推進している。
    • 近年増えているスーパーマーケットやショッピングモールのインショップ型直売所も売上を伸ばしている。運営には、地域の農業グループやJA(農協)が参入しているケースが多い。
    • 生産者がパンフレットやインターネットによって直接注文を受け、宅配便にて送付する販売方式も増えている。果物など比較的高価な農産物では、このような直接販売が伸びている。
    • 2000年代後半以降は、ネットスーパーや食材のネット通販も出現し、大きく成長を続けている。しかし、実物を見ることが出来ないネットスーパーでは、生鮮食品を敬遠する傾向もある。

    13.今後の方針

    • 直売所事業は競合が厳しくなりつつあるが、消費者から見て価値の高い商品を集めることができれば、集客力・成長力の望めるビジネスである。
    • 消費者ニーズを読み取り、消費者に望まれる農産物を提供できる農業経営者の育成を続けることで、販売力を維持することができる。
    • 一方で、割高でも価値の高い商品を選ぶタイプの消費者に支持されることが、売上の成長力となる。消費者会員の維持に注力するのは当然であるが、新規の会員獲得を伸ばすことが今後の売上拡大に必要である。
    • 近郊だけでなく都内など遠隔地のファン層を開拓し、優良顧客へ育成するようなコミュニケーションを行いたいと考えている。顧客との関係性を重視したコミュニケーション手法やプロモーションを模索しており、実現に向けてのコンテンツやメディア展開案を求めている。

    A社の概要

    法人名:株式会社A
    設立:1991年 (創設時は有限会社)
    従業員:45名
    資本金:5千万円
    売上:18億5千万円(2017年3月期)
    所在地:茨城県つくば市(本部)
    役員:代表取締役 皆川 健太郎 専務取締役 秋山 泰造
    事業:農産物直営所の企画・運営事業
    事業所:農産物直営所(3店舗)

    企業沿革

    1991年 有限会社Aを設立。茨城県つくば市に農産物直売所「あけぼの村市場つくば店」をオープン。
    1997年 株式会社に改組。
    2005年 地産地消優良活動として農林水産大臣賞を受賞
    2007年 茨城県取手市に「あけぼの村市場取手店」をオープン
    2010年 千葉県柏市に「あけぼの村市場柏店」をオープン

    経営理念

    直売所は日本の農業を変える
    お客様や世の中の人々に感動と元気を与えられる企業でありたい

    社長プロフィール

    皆川 健太郎(みながわ けんたろう)(1950年生まれ、67歳)

    • 学歴: 1968年 茨城県立I高等学校を卒業
    • 職歴:
      1980年 茨城県農業経営士
      1984年 茨城県豊郷町議会議員
      1987年 つくば市議会議員
      1991年 有限会社Aを設立、代表取締役に就任
      1997年 株式会社Aに改組、代表取締役に就任
       

    • 家族構成 :妻(64歳)、1男2女あり
    • モットー :「一期一会」
    • 趣味 :クラシック音楽

    A社損益計算書

    単位:千円
    決算年月 2016年3月 2017年3月
    売上高 1,678,236 1,852,725
    売上原価 836,379 924,293
    売上総利益 841,857 928,432
    販売費及び一般管理費 691,386 771,321
    営業利益 150,471 157,111
    営業外収益 1,709 2,588
    営業外費用 3,884 3,951
    経常利益 148,296 155,748

    (設問)与件文を読み、次の設問の解答を、別途配布された解答用紙に記述しなさい。

    [問1]A社の顧客コミュニケーションにおける課題を優先度の高い順に3つ記述しなさい。

    [問2]問1の課題を解決するための具体的なコミュニケーション施策を箇条書きで記述しなさい。
    ターゲット、コンテンツ内容、使用するメディアと選定理由についても記述しなさい。

    (1)コミュニケーション施策
    (2)ターゲット
    (3)コンテンツ内容
    (4)使用するメディアと選定理由

    [問3]A社に提出する提案書を問1、問2の内容を踏まえて記述しなさい。
     (記述形式:A4縦・横書き・3枚)