8月30日に実施した第44期試験の実技試験の提出は、9月28日(月)に締切を迎えた。
今期試験への取り組み動向と試験で取り上げたテーマについてお伝えする。
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「DTPエキスパート」カテゴリーアーカイブ
メディアビジネスの未来を担う人材育成–団体受験制度の活用
今週末8月30日に第44期DTPエキスパート/第20期クロスメディアエキスパート認証試験が開催されます。今期も多くの企業の方々が団体受験制度を活用して試験に臨まれ、取得後の活躍を期待されています。
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今年発行の最新教材と今後のエキスパート認証制度
エキスパート人材像とカリキュラム変遷を踏まえて発行されたカリキュラム第11版に対応した対策教材が発行されました。 8月30日開催の第44期試験に向け、これらの概要をあらためてご紹介します。
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DTPエキスパート実技試験の題材変更と第44期新出題項目
8月30日に実施する44期DTPエキスパート認証試験では、課題B(チラシ)の題材をこれまでの「旅行パンフレット」から「DMはがき」に変更して出題する。学科試験においても課題の題材変更に関連付けた新出題項目を発表した。 続きを読む
製版技術者の活用について
どんな印刷会社も人材育成・活用には頭を悩ませていると思うが、DTPや製版の技術者の活躍の場は広い。そして、とても重要なのだ。 続きを読む
コミュニケーションデザイン視点を持った人材育成
次期エキスパート認証試験開催2ヶ月前となり、各種対策講座が開講されている。
第44期DTPエキスパート認証試験のベースとなるカリキュラム第11版より採用されている「コミュニケーション概論」について、その設定の背景と試験で問われるポイントについてお伝えする。 続きを読む
エキスパート認証試験 出題の意図と傾向
【メディアビジネスの未来に備える人材育成プログラム】2015年3月15日(日)に実施したエキスパート認証試験の結果発表を去る5月20日Webサイト上で発表した。今期の試験結果概要をお伝えする。 続きを読む
DTPエキスパートで仲間増やし
福島カラー印刷株式会社 常務取締役 渡辺泰子
何かが違う?
「もうちょっと、どうにかならないの?」
私が福島カラー印刷(以下、当社)に常務取締役で入ったのは、そんなふうに思っていた2005年夏。グループ会社からの転籍で、それまでは印刷媒体を中心とした広告業務に携わっていて、当社とのやり取りも多く、互いに協力しながら、私は企画やデザインを当社から請け負い、私からは制作や印刷を当社へ発注していました。
当社は1982年に創業されましたが、印刷機をもたない、いわゆる営業会社としてのスタートでした。12年後の1994年に制作部を立ち上げ、Macintoshでの制作業務を請け負うようになりました。当時グループ会報紙の作成担当をしていた私は、制作部への取材で「福島県内でいち早くMacを導入し、最先端の技術を使いこなしている集団」という内容を聞き、何の疑いもなく記事にしていました。
制作部とやり取りをする機会が徐々に出てきた当初、確かに当社は面白そうな会社ではありました。社員は皆一生懸命仕事をするし、いろいろなことにチャレンジしているようにも見えました。しかし、5年、10年と歳月が過ぎ、私自身の経験も積まれていくうちに、「もうちょっとどうにかならないの?」という思いが芽生えてきたのです。
これでいいの?
それまでの私の仕事は広告の企画、編集、営業だったので、Illustoratorをちょっと動かせるくらいで、データ制作に関する知識も印刷物の工業製品としての知識もほとんどありませんでした。当時は、なぜ当社が私の好みに合わない書体ばかりを使うのかも、なぜ色校と実際の印刷物の色が変わってしまうのかも、なぜ「できない」とか「できなかった」と平気で言ってくるのかも分かりませんでした。だから、「もうちょっとどうにかならないの?」と思い続けていたのでしょう。
そして、転籍。役員として、経営をすることになりました。取りあえず、会社の現状を見ながら、印刷について勉強し始めました。社員を始め、同業者や外注先などいろいろな方とお話しをし、印刷関連の雑誌を読み、セミナーに参加し、知識を増やしていきました。そのうちに、福島県でMac導入ナンバーワンを自称する会社が、当社以外にもたくさんいること、今現在決して当社が最先端の技術を有してはいないこと、お客さまに納得してもらえる制作印刷に関しての説明能力が、当社には足りないことなどが分かってきました。
とはいえ、私は会社では後発。実務で制作部と話をしていると、技術的なことを言っても分からないだろうと思っているようで、時々言いくるめられているような感覚があるのです。当時制作部の部門長は30代で、部員は全員20代か30代。一方、当社の代表を始め営業部のベテラン社員は40代後半から50代。年代の上の方のほうが「ちんぷんかんぷん」という状態だったようで、制作部に「できない」と言われれば、それは「不可能なこと」なのだと解釈していたようでした。
営業部と制作部の関係は、今から思えば、何か力関係のようなものが存在していて、なぜか制作部がとても「偉そう」なのでした。お客様に最適な商品、サービスを提供するのが、私たちの一番の仕事なのに、「できない」理由をいろいろと言い放っては、妙なセクショナリズムを作っていました。時間的なこと、予算的なこと、技術的なこと、いろいろな面で「それってホント?」「不可能なことなの?」おやっと思うことが続くのです。
頭がアマチュアなのよ
人は、ウソをついたり、隠したり、かばったりする生き物で、かつ、基本的にだれもが怠け者なので、時代に追い越されていても気づかないふりをしたり、自分より優秀な人や集団がいてもあまり認めたがらないようです。
確かに当社は、10年前は最先端の技術を使いこなしていたのかもしれません。しかし、その思い込みが日々の業務に追われて、仕事量に合わせて人を増やし、ただただ仕事をこなすうちに、制作技術のアマチュア化を招いてしまったようです。新しいことに取り組む姿勢やそのために必要な継続した勉強の習慣が、欠如しているのです。このままではマズい、未来が見えてこないと、とにかく何か行動を起こさなければなりませんでした。
まず、当時の制作部の部門長にDTPエキスパートの取得を打診しました。すると「そんなの取って役に立つんでしょうかね」との答え。次に、制作部のナンバー2に打診。「時間があったらやってみます」という感じの答えでしたが、彼はきっちりDTPエキスパートを取ってくれたのです。当社DTPエキスパート第1号です。これが、私にはとても救いになりました。もしかしたら、制作部の中で彼が最も私の考えを敏感につかんでくれる人なのかもしれないと思いました。
資格の取得が本来の目的ではないのです。自らが新しいことにチャレンジすること、会社がすべてを準備してくれなければできないと受け身でいるのではなく、自らが機会や時間を作り出して学んでいくこと。これしか機能や能力をアップさせる方法はないと思うのです。多分勉強を始めることは、だれでもできることだと思います。ただし、それを継続してやれるかどうかがその人やその人の所属する企業の行方を決めていくように思うのです。
次につなげようよ
これからは、毎年1人でいいからDTPエキスパートを増やして、文字どおり当社はプロ集団だと言いたい。私が当社に来る前に抱いていたような「何かが違うよ」という感想をお客様にはだれ一人として持ってもらいたくない。言いくるめるのではなく、納得してもらう話のできる集団でありたい。そう思い、自らが行動すべきだろうと、DTPエキスパートの勉強を始めました。
とにかく最短で、つまり1回で取得したかった。決してたっぷりと時間があるわけではないので、1日に勉強に費やせる時間はせいぜい30分。また、連続して時間を取ることは非常に難しいので、とにかく、5分や10分の細切れの時間でもいいから集中して勉強する工夫をしました。
勉強するにつれ感じたのは、印刷業界の共通認識として、これが最低限のことだということです。DTPエキスパート取得者というとまるで「すごい人」のような感覚が当社にはまだありますが、決してそうではないと思います。範囲も広く、常に情報も新しくなっています。昨年の試験問題の約20%は最新の内容に変わります。当社が制作部をもって10年。以来当社が変わらず、20%ずつ印刷業界が変わっていたとすれば、もう5年前に追いつかれ、今では5年も遅れてしまっていることになるのです。
試験を受けて合格することの意義は、系統立った勉強が必要であること。全分野に関して平均的に知識を網羅しなければならないことなのだと思います。
私たちを取り巻く環境は、印刷業に限らずものすごいスピードで変化しています。当社は遅れてしまったのだと思います。早くスタートラインに立つために、知識を欲すること、意欲を表すこと、自らが行動すること、このことを会社の中に広げたいと思っています。
私のDTPエキスパートの合否は、前述の当社DTPエキスパート第1号からのメールでした。5月なのにそのメールは「桜咲く。」でした。
彼は今、部門長として制作部を切り盛りしています。私の理解者をもっと増やしたい。当社の抱える現実に正面から向かっていく人材を増やしたい。DTPエキスパートを取得するという手段を使って、増殖していければと思っています。
(JAGAT info 2007年9月号)
※本記事の内容は、2007年9月掲載当時のものです。
グローバルな知識が物作りの源泉
株式会社アスカネット フォトパブリッシングラボ部 次長 八田次郎
最初はふらち、後から本気でDTP
ある日わが社で「DTPエキスパート」取得者には特別資格手当が出るという告知が発表されました。それに呼応して挑戦者が3名現れ、迷った揚げ句申し込み最終日に私も参加することにして大急ぎで写真を撮り申し込みをしました。体験するだけでもいいじゃないかという消極的な参加意識と、あわよくば資格手当ももぎ取ろうというふらちな思いからでした。
私の会社では、オンデマンド印刷機を使って、写真集を1冊から製作販売する仕事をしております。製作の責任者としてはお客様から来たデータから繰り広げられるスキャニング、組版、印刷そして製本という一連の流れを理解しておかなければなりません。もともと編集者でしたので、大まかには知っている「つもり」でしたが、出版と印刷とは似て非なるもので、専門的な知識はほとんどないに等しかったのです。問題集には今まさに欲しい知識が満載されていたので、良い機会だと思い参考書と首っ引きで勉強を始めました。
始めは時間切れで大失敗
参考書を2冊と問題集、そして直近に出た模擬問題を手に勉強を始めました。参考書は一から十まですべてに目をとおし、問題集は問題を覚えるくらい何度もやりました。残業で帰ってから食事を取ってから夜にできるだけ詰め込み、参考書で意味を取りながら理解を深めていきました。良い成績を残すには結局問題に当たるしかないので、朝の始業時間前にも問題集を開きました。ただし、時間をあまり気にせずにやっていたのが最後に仇(あだ)となりました。
試験当日、大阪会場の多くの受験生に気後れしながら試験を受けました。これは知っているという問題が頻出していましたが、問題集に当たっていた癖で全部の問題を「読んで」しまっていました。前半の時間内に後20問くらい残して時間切れ。時間配分を間違えてしまったのです。後半は何とか全問答えたものの、前半のショックで気分もなえてしまいました。
課題試験のほうは社員たちと議論しながら一緒に課題を提出するのはなかなか面白い体験でした。しかし結果は全員が不合格。これは侮れないぞというのが最初の受験の感想でした。
印刷に関わる範囲の広さに目を見張る
不合格したとは言え、印刷に関わる者にとって必要な情報を得ることができ、新しい企画を立ち上げる際には非常に役に立ちました。何よりも一緒に受験した社員たちとは同じ「言語」で話ができる土台ができたことが大きな収穫となりました。若い印刷や製本の社員たちがこのような知識を得てくれれば現場の活性化になり、またより高度な仕事を任せられるのではないかという思いを新たにしました。特にプリプレスからポストプレスまで満遍なく出題されるのも今のわが社の業態にマッチしており、自部署以外とのやり取りにも役に立つことが分かりました。これはまず自分が「パス」しなければ社員は付いてこないぞと再挑戦を心に決めました。
2度目にようやく「パス」
前回の受験で時間切れとなってしまったことで問題集を解くにも時間を意識して勉強を始めました。新しい模擬問題を手に入れたほかは同じ教材を一から勉強し、ほとんどの問題は覚えてしまっていました。最後のほうはマークシートに印を付ける練習までしていました。ペーパーテストはいけたかなとは思いました。実技には時間を掛けて、ちょっとした仕様書の文言まで気になってしまい提出する前日は徹夜となってしまいました。
そのかいがあってやっと「合格」通知をもらうことができました。
エキスパートとしての自覚
合格はうれしかったのですが、6名の受験者中受かったのは2名ということで非常に狭き門でした。
合格したとは言え付け焼き刃の問題集だけの知識では申し訳ないと思い、合格後は印刷、製本の専門書を読みあさりそれなりの知識を補充してきました。現場で印刷をしているわけではないので、印刷機は回せませんが、理論的なことは分かります。製本でも分からないところは自分で模型を作ってみて本を作って理解しました。わが社では「人のやっていないことをやろう」という社風をモットーとしています。そこでまず、「人のやっていることを知ろう」としたわけです。より良い製品作りをするには今われわれが置かれているレベルを知らなければなりません。仕事の中でそれを知ろうとすることは当たり前なのですが、「DTPエキスパート」であるという自覚があってこそ続けて勉強もできたのだと思いました。
後進への指導と協力
社内では受験についての告知および問題集などの貸し出しを一元化するために事務局を作りました。受験ガイダンスと銘打って受験勉強の方法、課題の考え方など、実際に体験したことを解説しました。
役職者として部下指導がこのような形でできるというのも「資格」の強みだと思いました。合格までの最短距離を狙ってほしいとの思いをくんで26期には4名が受験し2名が合格という実績を残せました。初受験の社員が一発で合格という快挙もあり、喜ばしい結果となりました。
グローバルな知識が物作りの源泉
入社前にPhotoshopやIllustratorを学校で習ってやってきますが、実際には印刷入稿も組版も分からないという人が大勢います。レイアウトやレタッチの部署で仕事は覚えても周辺的な知識は自分で勉強するしかないのが現状です。写真集を作っている会社ですが、若い人たちが専門書やデザインについての「本」をあまり読んでくれていません。ルーチンワークを無難にこなしてはくれるのですが、危機感があまりないようです。
私自身も出版社にいたから「本作りや印刷やいろいろなこと」を知っているだろうということで採用されたのですが、仕様書一つ満足に書いたことがない状態を何とかしようとしてエディタースクールの専門書と首っ引きで勉強しました。特にわが社のような新しい分野を広げていくような活動を求められると「経験」がかえって邪魔になって考えをスポイルすることがあり、一生懸命勉強した新鮮な知識のほうが現場に役に立つことが多いのではないかとも思っています。本作りや、それに付随したいろいろな技を知ることが工夫や改善につながるのだと思います。
姿勢が人間を作るのではないか?
これまでDTPエキスパートを受験した社員たちは多かれ少なかれ部門のリーダー的な存在となっている人ばかりでした。始めは資格手当目当てで始めた受験勉強もやってみればなかなか歯が立たない問題も多いようです。それをあえて挑戦しようという者たちですから優秀な人が多いのは当たり前です。社員であっても勉強していく人と、しない人との差は歴然とあり、その「姿勢」が私の立場から見ればよく分かります。試験を受けてみようという思う心が大事なのだと思います。コツコツと着実に問題を物にしていく、そういう姿勢が人間をはぐくむのではないでしょうか? 私は努力できる人がやがて報われるというような職場を作っていきたいと思っております。そういう中でこの「DTPエキスパート」試験はいい意味での試練を与えてくれる契機となっています。
(JAGAT info 2007年2月号)
※本記事の内容は、2007年2月掲載当時のものです。
DTPエキスパート奮闘記
日経印刷株式会社 第二営業部 部長 久保田 哲司
DTPエキスパートって何?
日経印刷は創業42年、東京飯田橋に本拠地を置き、デザイン、制作から製本まで一貫生産している総合印刷会社です。ページ物を主体に商業印刷物など幅広く営業部員74名と管理部門30名、制作・製造部門約200名で日夜対応しています。
社員研修に力を入れ、新入社員研修、階層別研修、管理職研修、個別外部セミナーへの参加、外部コンサルタントと一緒に改善活動を実行しているNPS活動など、会社主導の一般教育は充実していますが、印刷業界全般の幅広い知識を網羅したものはなく、営業の印刷知識教育と言えば、社内の制作部や営業企画部主催の勉強会を適宜開催する状況でした。
社内で「DTPエキスパート認証取得」を目指す動きが出たのが2005年初頭でした。私は「DTPエキスパート」の名称は知っておりましたが、何となく「DTPオペレーターが取得するもの」でその具体的中身に関しても一切知りませんでした。それがどうして急に弊社で取得を目指すことになったのかは、よく分からないところもありましたが、業界動向それもDTPオペレーターばかりでなく、営業が取得しているという事実などから、必要であると判断したものと思われます。
チャレンジ決定後の動きは早く、今後数年掛けて対象者全員取得、対象は営業職課長以下全員と制作部の選抜者と決まり、営業企画部が具体的方策を検討し、外部講師選定、講習スケジュール、受験、取得までの流れができました。社内に外部講師を招いて集合教育式で勉強していくことになり、期間はゴールデンウィーク明けの5月より7月までのDTPエキスパート総合講座と8月以降の直前対策講座、本試験、9月上旬の課題制作まで、毎週土曜日8時半から18時まで、マシン台数の制約やその他事情を考慮し、営業は半分ずつ受験しようと35名プラス制作部より8名、合計43名が初年度受講生となりました。
余裕のスタート、それが……
私はオブザーバーという立場で初回講習より参加をしていきました。狙いはどんな教育をするのかという興味と皆の応援の意味合いです。このスタートの段階では一応20年以上この業界にいますのでそれなりの自信をもって望みました。
しかし、模擬試験(本試験の約半分の時間とボリューム)をやってみると全然時間が足りない、全体の半分を超えた分くらいしか進まない。自分では分かっているつもりで自信をもって解答しても設問が意地悪?で間違えている個所も多々あり、初めての模擬試験は惨たんたる結果で、恥ずかしくて部員に見せられるシロモノではありませんでした。かなりショックを受けながらも、実機(Mac OS XでInDesign CS2使用)講習では、2人で1台だったので先輩F氏と勝手にいじくり講師の手をかなり煩わせながら、和気あいあいに楽しんでおりました。
本気、必死の受験勉強
和気あいあいとした実機講習を経て、いよいよ8月より直前対策講座が始まりました。これはひたすら過去問題をやり、答え合わせ、その解説を行うという、週休2日制に慣れた身体には5月からの疲れも重なり、精神的にも肉体的にも結構きつい講座です。この段階で今年は受験しないメンバーも出て、営業21名、制作8名の合計29名が受験までの本番モードに突入しました。私はと言えば、今さらオブザーバーうんぬんとも言えず、ついに受験メンバーとしての登録をいたしました。
ここからはひたすら暗記・過去問題の日々が続きます。しかし、実務を離れて10年以上たつと、なかなか頭に入ってこない。スピードにも付いていけない。イライラが募る中、土曜日は講座、日曜日は朝から会社の会議室にこもり、時間を計りながら過去問題をやる、でもとにかく最後の問題まで時間内にたどり着かない日々が延々と試験当日昼まで続きます。
開き直りの心境と奮起
「あーあ、最後までやっぱり時間内に全部できない」とあきらめなのか開き直りなのか複雑な心境で試験会場である東京渋谷の青山学院大学に到着。会場についてみてまず圧倒されたのは人の多さです。「こんなにいっぱい受けるの?」が率直な印象。皆若いのにがんばるなー(まるで他人事?)一応わが社の社員が皆来ているのを確認した後、校舎の外でタバコをふかしていると私より年配の方(50歳代)が必死にテキストを見ている姿が…。ガーン!
みんな私より若いしと弱気になっていたのに急に気合いが入りました。でもドラマのようにはうまくいかず、気合いと知識は別物で、最後の問題までたどり着けずに相当数を残して終了と相なりましたが、筆記試験の出来とは関係なく、すぐに課題制作に入り何とかかんとか苦しかった「DTPエキスパート受験期間」が9月中旬やっと終了。
結果発表
10月末になってそろそろ忘れたころに結果発表があり、日経印刷からは受験者29人、合格者18人、そのうちわが第2営業部からは8人中5人合格しました。制作部はさすがに8人中7人の合格者を出し、うち1名のO君は今回の受験者1829人の中で1位の成績であったそうです。かくいう私も何という強運なのか、年配の方を見て奮起したお陰か最後まで解けなかったのに合格しました。ヤッター。
体験して
やはりあっと言う間にドンドン忘れていきます。「範囲が広すぎる=日常業務との接点がないことも多い=すぐ忘れる」となりますので、自分で実践に生かすか、より深く掘り下げていく努力を継続するしかありません。
印刷業界はコンピュータ、ネットワーク、アプリケーションなどを活用、組み合わせ、応用することで効率化、差別化、受注促進につながることは、既にさまざまな形で実証されています。お客様の課題解決に向けて、何を切り出して何を組み合わせ改良してどう強調アピールしていくか?を印刷営業職こそ実践していく必要があると考えます。そのための基礎知識を習得する意味で「DTPエキスパート認証資格」を印刷営業職がチャレンジしているという流れは体験してこそ理解できるものでしょう(その大変さも)。
最後に
お客様の印刷会社を見る目の変化と言いますか、以前はお付き合いの度合いに応じて発注量もある程度読めましたが、もうそんな状況は大方消えています。特にここ数年は、「印刷会社はどこも変わらないから、これがいくらでできるのか?」と金額だけが関心事であることも増えています。また、作業工程についてもフィルムやプレートが出るまでは一緒に考えてくれることもありますが、それ以降の工程に関しては「できて当たり前」の感覚をもっている印象を強く感じます。
そんな環境下だからこそ、普段お客様と接している営業によって、その売り上げや利益が大きく変動していくチャンスでもあり恐れでもあります。「DTPエキスパート」の知識で直接お客様の課題解決につながることは少ないと思いますが、「こうすればもっと楽になるのでは? この方法は使えないか?」と気づく下地は十分に身に着くはずです。ぜひこの知識の下地に根を張って自らの実務に直結した分野の幹を太く高く伸ばし、お客様に喜ばれ、自らも充実感、達成感を味わってほしいと思っています。
(JAGAT info 2006年12月号)
※本記事の内容は、2006年12月掲載当時のものです。


