仕事→結果→楽しい→より努力→さらなる仕事へという好循環

掲載日:2019年12月11日

新入社員の新卒採用から8ヵ月が経過しました。入社3年のうち3人に1人は離職する環境のなか、皆さんの会社の新人さんはいかがでしょうか(何年も入っていない、との声も聞こえますが…)。すでに来春の採用が決まっている企業では現在、必要に応じて内定者を集めたり、通信教育実施などの最中ではないでしょうか。

様変わりした新人研修

新入社員研修もすっかり様子が変わったようだ。以前、企業担当者は、厳しくすることを前提に教育研修を考えていたが、現在ではその考えは減少し、マナーや挨拶、そしてコミュニケーションを重視するような指導が増えた。
昔は実戦で苦労がないよう、事前に「厳しく」を第一に研修した。企業によっては、軍隊のような研修も行われ、泣き叫ぶまで終わらない研修もあったほどだ。現在、ほとんど聞かなくなったということは、そもそも必要なかったのか、それとも今の時代、パワハラになってしまうからだろう。
JAGATの新人研修を振り返っても、昔はいやいや研修に参加しているような受講者が少しは見受けられた。しかし、今では皆真面目に取り組んでいる優等生ばかりになり時代は変わったと気づかされる。

また、新入社員が1人の企業では、自社独自の新人研修はないだろう。そこでは入社式後、先輩について見よう見真似で仕事を覚えていく方式だ。しかし、良い先輩社員ならば問題ないが、ビジネスマナーを身につけていない先輩にあたれば、似たように悪くなってしまう。
新入社員にとっても、やっとのことで正社員として入社したのに、少しの研修期間もないのではアルバイトと変わらない。日本のよいところは、新人社員研修にあるという向きもあるほどだ。新人研修は、ビジネスマナーだけではなく、特有の知識やスキル、習慣や用語、業界の雰囲気を勉強する場である。

採用もビジネスと同様に考える

就職希望者である学生が企業を選ぶ際、「楽しく働きたい」、「個人の生活と仕事を両立させたい」という気持ちが上位にある。ポイントとして「自分のやりたい仕事ができる会社」、「安定している会社」が優先される。反対に選ばない会社は、暗い雰囲気の会社、ノルマのきつそうな会社である。また、今年度の新社会人を対象とした就職先選びでは「成長できる環境がある」が「安定性」や「知名度」を抑えてトップに躍進した。これは、生涯一企業という考え方ではなく、経験を積みスキルアップをして自己実現を図るという意志だ。おまけに過半数が、自分により合った会社があれば転職したいと考えている。

採用面でうまくいかない理由として、最近の企業側の言い分では、売り手市場だから、うちは地方の中小だから、という見解だ。しかし、周囲には採用で成功している企業もある。規模や地域に関係なく採用成功企業はあるのだ。成功する企業では本業のビジネスと同様、採用面でも知恵と工夫がある。ビジネスでは、顧客視点は当然の考え方であるが、採用面でも学生視点の考え方が必須である。

仕事に取り組む意欲向上を図る

前述のように、新規就職者の3年以内離職率は約3割以上で推移している。まして離職率は事業規模が小さいほど高い傾向にあり、印刷業界は平均従業員数が少ないので離職率はさらに高くなる。企業は採用に大きなコスト・時間をかけているので、離職は大きなダメージだ。

また、離職防止は主に企業と社員の関係性が重要になるが、離職防止の1つの策として、新人の社会人基礎力を向上させ、本人のやりがいを自ら発掘するための教育も重要だ。自己のキャリア形成の考え方、モチベーションの高め方、維持するための手法について教育し、仕事に取り組む意欲向上を図ることが大切である。新人においても仕事ができ、結果がでて、楽しくなり、より努力し、さらに仕事ができる、という好循環が望まれる。

(西部支社長 大沢昭博)

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