スクリーン線数と印刷用画像の出力解像度の関係について

掲載日:2014年8月11日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:グラフィックス

Q:スクリーン線数と印刷用画像の出力解像度の関係について

A:出力機には、例えば家庭用のミニプリンタから事務用のコピー機、印刷業界で印刷用の版を出力する専用機といったように広範囲なものがありますが、ここでの出力機とは印刷用の版を出力するイメージセッタ・プレートセッタのこととします。 
   印刷物上の写真の色の濃淡は網点の大小の変化によって表現しています。そして、スクリーン線数とは、網点の並びを線状に見た場合、1インチ(25.4mm)あたりに存在する網点の数のことで、印刷物上の画像のきめの細かさを表す単位です。これは、被印刷体の表面の平滑性に合わせて選択されなければなりません。 
   出力解像度とは、CTPや感材などに小さなレーザードットを照射して画像を描く時に、1インチの間に何個のドットを置けるかを示したものです。 
   スクリーン線数と出力解像度はそれぞれ違った概念ですが、両者の関係は出力機のドットを用いて印刷用の網点をひとつひとつ描いているということであり、密接な関係があります。
   網点1つを表現する階調はハーフトーンセル(網点1個が入る入れ物)を構成するドット数(グリッド)により割り出されます。通常、ハーフトーンセルは256階調をもっています。この256階調のハーフトーンセルは縦16グリッド、横16グリッドで構成されており、ひとつのグリッドが出力機の1dotになります。このグリッドを塗りつぶしてひとつの網点を描いていきます。
   例えば、1500dpiの出力解像度をもつ出力機で150線の写真画像を出力する場合、網点1つあたりのドット数は、(1500÷150)の2乗です。このときハーフトーンセルの階調は100段階ということになり、画像データが1ピクセルあたり8ビットであれば、ハーフトーンセルは256階調分あるので、この出力機は画像データの階調再現という点で不十分ということになります。
   上記を逆算で考えます。必要な出力解像度をxdpiとすると、出力解像度は(x÷150)の2乗=256から求められます。これを計算すると、xの2乗=5,760,000でx=2400dpiとなります。したがって、150線相当のスクリーン線数の画像を出力するための解像度としては、最低でも150×16=2400dpiの出力解像度が必要ということになります。 

 

(2002年9月23日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)