インキの乾燥方法の違いはどんなものですか。

掲載日:2014年8月17日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:インキの乾燥方法の違いはどんなものですか。

 A: インキは、版から被印刷体にプレスにより転写されて定着します。そして、定着してから何らかの方法により乾燥します。インキは乾燥までの時間に違いがあり後加工までのタイムラグを考慮しなければなりません。代表的なものには酸化重合型・蒸発乾燥型・浸透乾燥型・紫外線乾燥型のインキがあります。

 酸化重合型:
  空気中の酸素とインキの中のあまに油と反応して固化乾燥させるインキです。枚葉平版・凸版・凹版インキに使用されますが、主に枚葉平版に使用されていることが多いです。酸化重合は助剤であるドライヤーの添加によって促進されます。通常の枚葉平版インキは200分から500分程度で乾燥するように調整されていますが、ドライヤーの追加によって乾燥を促進することもできます。乾燥形態は自然放置です。
これに対しオフ輪は印刷直後に加工することが多いので200℃以上の熱風をふきかけることにより強制乾燥させています。

 蒸発乾燥型:
  ビヒクルが主として固形樹脂とその溶剤からなるインキで、溶剤が蒸発することにより、乾燥皮膜形成するインキです。この乾燥方式が使用されるのは、グラビアインキ、溶剤型フレキソインキが多いです。乾燥形態は、熱風又は熱風・加熱により即時に乾燥させています。

 浸透乾燥型:
  インキ中の低粘度成分が被印刷体に浸透することにより、固着乾燥するインキです。浸透で乾燥するインキは新聞インキ、一部活版輪転インキ、謄写版インキなどで種類は多くないです。乾燥形態は自然放置です。

 紫外線硬化型:
  紫外線の照射により瞬間的に硬化し乾燥するインキです。UVインキともよばれています。無溶剤、低臭、瞬間乾燥などの長所があり紙器、金属、プラスチック、布、連続帳票などの印刷に使用されています。乾燥形態は紫外線照射で即時に乾燥させています。

 

(2009年7月27日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)