見える化用BIツール「Web P-man」(中本本店の取り組み)

掲載日:2025年1月28日

見える化の取り組みを社内に定着させるには情報共有の仕組みが重要となる。

広島市に本社を置く総合印刷会社の中本本店では、MIS(P-man)とは独立した形で、社内の情報共有ツールをWebブラウザーベースで自社開発している。MISのデータを可視化・分析することを目的としたBI(ビジネスインテリジェンス)ツールという位置づけである。社内ではWeb P-manと呼んでいる。

「総合管理表」というメニューでは、期間(月次など)での見積りと実績の対比、目標(予算)と実績の対比がみられる。社内の生産高については、部門単位で対比ができるという特長がある。
経営管理をする上で非常に重要な数字である付加価値(売上から変動費を引いた金額)についても見積りと実績の対比、目標(予算)と実績の対比が一目でわかるようになっている。

見積り金額と実績金額の差異が大きい15件を毎月、見える化会議で原因と対策を検討している。経過観察が必要な案件については、Web P-manの「差異分析一覧表」のメニューに毎月表示されるようになっており、対策が会議の場だけの一過性で終わらないようにしている。

また、Webブラウザーベースという特性を活かし、デザイン制作部門の実績をWeb P-man経由で入力できるようにしている。MIS(P-man)はWindowsベースなので、デザイン制作部門で使用しているMacからは直接操作することはできず、実績入力するにはWindowsマシンを併用するか、実績入力用の共用マシンを設置するなどの対応が必要となるが、Macから直接実績入力できることで利便性があがりデータの精度も上がっている。

BIツールとしての活用方法としては、顧客別、営業担当別の売上、付加価値、利益率分析を行っている。次年度の計画を立てるときには必須の機能となる。また、品種別の売上、利益の分析も可能であり、自社の強み、弱みを定量的に把握することができる。

Web P-manはMISとは独立したものであり、関心のある印刷会社があれば機能の共有などを検討していきたいとのことだ。

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