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【クロスメディアキーワード】電子クーポン

「電子クーポン」とは、主にインターネット上で配布される「割引券」や「無料券」などの「クーポン」を指す。「電子クーポン」自体を印刷する方式や「スマホ(スマートフォン)」や「ケータイ(フィーチャーフォン)」などのモバイル端末を店頭で提示する方式などがある。現在、「電子クーポン」を発行する事業者と利用する生活者をつなぐさまざまなシステムが提供されている。

さまざまな電子クーポン

「メールマガジン」と連動した「電子クーポン」は、モバイル端末を活用したプロモーションで多く使用されている。
モバイル端末を利用した生活者が対象となるため、「利用履歴」の活用が見込めることから、マーケティング上でも有用なサービスであるとされる。また、「IC(Integrated Circuit)チップ」対応のモバイル端末を利用したソリューションやプロモーションも一般化している。施設や店舗などに設置された「リーダー/ライター」からデータを受信し、モバイル端末上の記憶メディアに保存する。モバイル端末には専用のアプリケーションが搭載されており、保存されたデータによる情報をリスト化し、表示や再生をすることができる。モバイル端末は受信したデータに含まれる「URL(Uniform Resource Locator)」を参照することでインターネットに接続し、「電子クーポン」や「電子チラシ」などのコンテンツを取得して表示する。
このような手法は典型的な「クロスメディア」であり、旧来の生活者とのコミュニケーション手法であるペーパーメディアの「DM(Direct Mail)」に対する代替や、補完が可能なサービスとして展開が広がっている。主な「電子クーポン」利用の「トリガー(きっかけ)」は、メールマガジンの場合がある。商品の認知度向上に向けたキャンペーンや、既存顧客のリピーター化を考慮した施策に利用されることがある。利用者は、モバイル端末向けの商品を販売する事業者のWeb サイトのほか、クーポン情報サイトやフリーペーパー、フリーマガジンなど、さまざまメディアから「電子クーポン」に関する情報を取得している。
「電子クーポン」はファストフードを提供する事業者で多く利用され、非常に短い接客時間でも取り扱うことができ、注文を受ける時間が短縮できると同時に正確性も高まるというメリットがある。

電子クーポンの問題点

移動体通信事業者による「電子クーポン」は、それぞれの仕様が異なるため、すべての生活者を対象とした互換性の高いサービス提供は困難である。特に多くの利用者を見込むことができる「スマホ」や「ケータイ」では、Web サーバーの負荷を減らすために、1 日当たりのデータのトラフィック総量やファイルサイズの制限をそれぞれ設けていることがある。したがってパソコン用とは異なり、画像データは数キロバイト程度にすることが望まれる。さらに「電子クーポン」の利用者の中には、毎週配信されるような電子メールによるプロモーションを歓迎する層と、必要なときにだけ「電子クーポン」を取得したいと考える一方的なプロモーションを歓迎しない層がある。

FeliCa

「FeliCa」は、ソニー開発した非接触IC カード技術方式である。「FeliCa チップ」を活用した「電子クーポン」サービスの代表例としては、NTT ドコモが提供する「スマホ」や「ケータイ」向けのクーポンサービスである「トルカ」がある。「FeliCa チップ」により実現される「おサイフケータイ」を活用することで、さまざまな利点をもたらしている。
生活者にとっては「アプリのインストールが不要」「メール添付や赤外線により、他の対応する端末へ容易に転送できる」などの利点があり、事業者にとっては「専用アプリの提供が不要」「データ作成が容易」「リーダー/ライターを安価に導入できる」などの利点がある。「トルカ」を「リーダー/ライター」から読み取る際には、データを「FeliCa チップ」に送信して端末を動作させる機能を利用し、「FeliCa チップ」「モバイル端末」「リーダー/ライター」の三者間通信機能を使用する。この通信方法では、「移動体通信網」や「無線LAN(Local Area Network)」による「パケット通信」を使用しないため、「リーダー/ライター」から送信される「トルカ」を受信する際の通信料は発生しない。

電子クーポンとモバイルアプリ

モバイル端末向けのアプリを活用することで、「割引券」や「無料券」など、さまざまな「電子クーポン」を配信することが可能である。「電子クーポン」には「公開日」や「終了日」などのタイマー設定ができる。モバイルアプリの大きな特徴である「プッシュ通知」に対応することで、ターゲットとする生活者に対し日時の詳細を設定し情報を配信することができる。

FeliCa 対応モバイルアプリ

おサイフケータイに標準搭載の「FeliCa チップ」を活用したモバイルアプリを開発し、モバイル端末を「電子クーポン」や「会員証」の代わりにできるようにした事例もある。「FeliCa チップ」へのデータ書き込み方式を工夫することで、利用者に直接影響する通信を抑える仕組みも取り入れられている。これにより何度でも「FeliCa チップ」への書き換えが可能となり、ユーザビリティーの向上にも寄与している。
利用者はアプリを立ち上げることで、いつでも最新の「電子クーポン」を受け取ることができる。「電子クーポン」を発行する事業者は、利用者の購買履歴に従い「電子クーポン」を発行することや、キャンペーンで無料の「電子クーポン」を発行するなど、柔軟な運用が可能になる。また、施設や店舗の「リーダー/ライター」と連携することで、「無料券」に代表されるベネフィットの高い「電子クーポン」に対する利用回数制限を実現しており、無用な客単価の低下を防ぐことができる。

JAGAT CS部
Jagat info 2015年10月号より転載

2016年8月実施本試験および9月実施更新試験結果通知発送

2016年8月21日実施
第46期DTPエキスパート認証試験
第22瑋クロスメディアエキスパート認証試験

および
2016年9月実施
第46期DTPエキスパート更新試験試験
第22期クロスメディアエキスパート更新試験試験

の結果通知を発送しました。

合格者の方は、必要に応じて同封の登録書類等のご確認とお手続きをお願いいたします。

【クロスメディアキーワード】インターネットメディアとネットワーク社会

インターネットは誰もが情報を受発信できる開かれたメディアだが、その反面、情報の「信頼性」「安全性」などについて問題が存在する。

Wiki と進歩的性善説

インターネットにおける「Web」の爆発的な発展は、「分散性」と「匿名性」に基づく受発信の容易さによるところが大きいと考えられる。この「分散性」により、さまざまな「コンテンツ」が世界中で受発信されてきたばかりでなく、一つの「コンテンツ」を共同制作できる環境としての「仕組み」も実現している。
「Wiki(ウィキ)」とは、Web ブラウザーから容易にWeb ページの制作が行える「CMS(Contents Management System)」の一つである。履歴管理や復元などの機能を搭載することで、誤りや悪意を持った編集による不測の損害を防ぎ、自由度の高い共同制作環境として普及している。
「Wiki」を利用しインターネット上で「百科事典」の共同編集を進める「Wikipedia」は、英語版では2015年8 月時点で500 万近い項目数に達している。多くの人々が参加し、修正を含む「編集」を繰り返すことで、正確性が向上するといった共同編集手法は、インターネット上における「集団の知恵」として注目される。
しかし、「匿名性」と「分散性」に支えられた「Wiki」による「百科事典」は、編集責任が明記されている「伝統的な百科事典」と比べ、「信頼性」の面では同様に扱うことができない。このように「信頼性」が高いと言えない情報は、利用者がその内容を判断し、注意深く利用しなければならない。
インターネットの活用による「いつでも、どこでも」情報の受発信ができる容易性は、コンテンツ運用において非常に有益な仕組みとなり、「Wikipedia」のような「百科事典」や「ソーシャルメディア」などの情報を共有する「Web サイト」の利用者が増加する理由の一つとなる。しかし、分散的な共同編集手法にも問題は存在する。それは、「更新される情報が次第に良くなるとは限らないこと」や、「制作者の意見が分かれると内容が確定的なものとならない」などが挙げられる。
また、一貫したコンテンツでなくなることで、管理者の不在につながり、「信頼性」の欠如につながる。ただし、一時的に問題のあるコンテンツが掲載されても、複数の制作者や利用者により、内容は緩やかには監視されている。コンテンツの内容は、複数の制作者や利用者からの指摘により是正される場合があり、さらに利用者の多い有益なコンテンツについては、専門的な知識を持つ人物の関与も期待できる。したがって、インターネット上の分散的な共同編集により制作されたコンテンツは、長期的に考えると「信頼性」の向上が期待できる情報源になるという、善意の支配が勝る「性善説」が語られる。

メディアの複合利用

ペーパーメディアにより発信された情報の概要や低解像度の画像をインターネット上に展開し、ペーパーメディアの利用を促す手法は、過去に多く試みられてきた。しかしながら、ペーパーメディアに利用者が必要としている情報が掲載されているか正確に判断することが難しいため、実際には利用に結び付かないことも多く、その効果検証も実施されなかった。現在は、インターネットメディアとペーパーメディアを横断的に利用する方法は、一般的となった。大手新聞社ではインターネットメディアにより購読者に対し、地方版や限定コンテンツの提供、特別チケットの購入権付与など、総合的な「付加価値」を提供している。また、非購読者にも楽しめるコンテンツの一部を用意し、さらに続きを閲覧しようとすると購読者以外は閲覧できないといった手法が採用されている。非購読者に対し「購読者になると付加価値も利用できる」と訴求することで、購読意識が高まることを期待できる。

QR コードの活用

ペーパーメディアからスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末へ誘導する目的の一つとして、「利用者の特定」を挙げることができる。
「URL」を入力する煩わしさを解消するため、「QRコード」の活用が一般的な手法となっている。「QRコード」は二次元コードの一種で、リーダーが読み取りやすいコードとして開発され、1994 年に発表された。それまでのバーコードは約20 桁程度の情報量だったが、「QR コード」の登場によりバーコードの約数十〜数百倍といった情報量の取り扱いが可能になった。「数字」「英字」「漢字」「ひらがな」「カタカナ」「記号」「バイナリー」「制御コード」など、さまざまなデータの取り扱いが可能であり、「数字」で最大7000 文字まで表現することができる。
「QR コード」の活用は、会員登録を目的とした利用者のメールアドレス取得のための「空メール」送信に応用することができる。Web サイトの閲覧者が会員であるか判断するために、会員のみが入手できるものに「QR コード」を印刷し、その「QR コード」を定期的に読み込ませる手法なども考えられる。
「パソコン」用Web ページの場合は、ユーザー名やメールアドレスなどを「QR コード」とし、リーダーで読み込むことで関連付けする方法もある。「QR コード」と記載する際には、「QR コードは(株)デンソーウェーブの登録商標です」と併せて記載する必要があるが、「QR コード」の画像のみを使用する場合には記載する必要がない。また、デンソーウェーブは「QR コード」画像の使用に関し、「一切請求しない」ことを公にしている。「QR コード」の普及は、複数ある二次元コードの中でも、一切請求しない」ことにより実現したと考えられている。

社会環境とメディア

社会環境の少子高齢化やグローバル化などにより、利用者ごとのメディア活用能力の差があるため、それぞれのメディア特性を生かし、「アクセシビリティー」や「ユーザービリティー」「ユニバーサルデザイン」などを採用した情報発信を心掛けることが望まれる。

JAGAT CS部
Jagat info 2015年9月号より転載

【有資格者寄稿】DTPエキスパートへの挑戦

広告・プロモーション関連会社勤務 佐々木 秀昭(第43期試験合格者)

現場への想いと資格取得の決意

私がDTPエキスパート認証試験を受験しようと思い立ったのは、昨年の1月半ばの事である。受験申請は既に始まっていたが、転職直後であり準備の時間もあと僅か。正直、迷いも不安も多かった。私は直前の12月に転職を果たしていた。どうしてもやりたいと思った事があった。それは『もう一度現場で技術を学びながら伝えたい』という想いだ。現場に戻り物作りに携わろうと思ったのだ。私の経歴は、商業印刷の製版に20年程携わっており自負出来るものだが、それを資格として裏付けるものとして業界でも名高い「DTPエキスパート認証試験(第43期)」を選んだ。そうして、会社からの有資格者歓迎という熱い要求も後押しとなり受験を決意したのである。

試験対策の模索と試験当日までの道のり

受験を決意したものの、どんな勉強をすれば良いのか?どんな対策を講じればよいのか?迷いに迷った。そこで、まずは直近に行われるこの業界のイベント「page2015 DTPエキスパート最新情報ガイダンス(無料)」に参加し話を聴いた。今回から軌道を修正して元の合格基準にするとのアナウンスと試験についてのポイントを知る事が出来た。ガイダンスの終了後に、講師の方にどんな対策があるかを尋ねると「有資格者とコミュニケーションをとるのが一番良い。受験する側と受験させる側では捉え方が異なる。」という大きなヒントを得られた。ガイダンスの中でもコミュニケーションの重要性は何度も取り上げられていた。幸いにも私の周囲には、DTPエキスパート有資格者が多く比較的相談し易い環境があった。だが、試験までの時間はあまり残されていない。内心で焦りながら、私は有資格者の先輩達に試験勉強対策を教えて欲しいとアドバイスをお願いした。すると、一番多く返って来た返答は「とにかく過去問題をやりぬく事」であった。

本を読んだりするよりも圧倒的に効果的だと私も思う。当時、ベテランの有資格者に拝借した「DTPエキスパート認証試験スーパーカリキュラム 第10版準拠」の巻末の模擬問題に挑戦した所、惨憺たる結果となり絶望の淵に追いやられたのである。一番の要因は問題数が多く、解答し切れないという事実がそこに大きく立ちはだかった。
前半200問、後半200問。各2時間で解かなければならない――。ベテランの彼らの代では前後半共に各350問だったと聞き、少しだけ安堵したのを覚えている。残り一カ月でこの問題数をこなすスピード感が重要だという事を思い知ったのである。幸いにも私は有資格者の先輩方から、過去問題集を拝借する事が叶い数回分の模試が可能となった。あとは受験日までの勝負である。時間を計り問題数をこなす。マーカー式なので、なるべく早く塗りつぶせるように濃いめで芯のやわらかい鉛筆を使用するという事も対策の一つとなった。塗っている間のストレスが軽減されること請け合いである。
ある程度のスピード感が備わり試験まであと数日と差し迫った頃、有資格者の先輩から解答率のバランスチェックについて指摘があったのを覚えている。苦手分野のチェックである。確かに毎回似たような問題を間違えたり勘違いしていたりで苦手な項目を見直す事となった。折角の答え合わせをしていながらグラフを作っていなかった事で、曖昧にしか見えていなかった事が響いた。本番では過去問題以外の問題も新設されるのだ。試験直前の数日間は間違えやすい問題を入念にチェックした。出来ればもっと早く対策したかったものである。
こうして、短期間の中でも有資格者の先輩方の協力のもと、反省しきりではあるが筆記試験は対策を講じる事がかろうじて可能になり、試験当日は全てのマークを埋める事が出来たのである。

現場でのフットワークを活かして実技試験に臨む

筆記試験直後は、頭に残る結果での自己採点ではあまり良く無く、実技試験へのやる気が起きなかった。だが、有資格者の先輩方から「課題を提出しない限り合格は無い。」と幾度となく叱咤激励を頂いた。協力してくれる先輩方に朗報を届けたいと奮起し直し、課題に取り組んだ。制作系は比較的得意ではあったが、その仕様や指示書は作った経験が殆どなかった。そこで、考えられる現場を想定して必要なものを用意する事にした。現場には現場である。各工程に携わる方々がどのようにスケジュールを組み、手配し、制作しているのか?有資格者の先輩方以外の声も指示書に落とし込んでいった。まとめ方は「課題制作の手引き」に従い、自己流ながらまとめていった。制作物も指示書も自分なりに納得できるものとなったのは、提出期限の前日であった――。

エキスパート認証者として決意を新たに

合格発表までは非常にもやもやした日が続き居心地がよく無かった。速報での確認は昼休みとなった。受験番号を確認しホッとしたのと同時に、今後の責任を感じ現在に至っている。その責任とは、社内は勿論だが社外においてもである。
良い印刷物を作り、その技術を共に学び伝え、もっと良くなる方法を現場全体で考えるチーム作りの一員としてのDTPエキスパートでありたいと私は願ってやまない。

【クロスメディアキーワード】ユビキタス

パロアルト研究所の技術主任であった「マーク・ワイザー」が1991年に提唱した「ユビキタスコンピューティング」における「ユビキタス」とは、利用者が存在や操作を意識することなく「いつでも、どこでも、誰でも」コンピューターを使用できる環境の総称を指す。

ユビキタスとコンピューター

「ユビキタスコンピューティング」での「コンピューター」は、あくまでも利用者が「意識せず」に使用できなければならない。1984 年、坂村健による「リアルタイムOS」仕様の策定を中心としたコンピューターのアーキテクチャーを構築するプロジェクトである「TRON(トロン)プロジェクト」では、最終目標に「どこでもコンピューター」といったコンセプトが掲げられていた。このコンセプトは「ユビキタス」の方向性と近似しており、その後の日本におけるユビキタスの展開にとって、大きな影響を与えたといわれている。
1990 年代の後半から、携帯電話が普及しインターネット利用も実現したことで、さまざまなサービスをどこでも享受できる環境が提供され始めた。
ユビキタスの実現により、小型化した情報端末がさまざまな製品などに組み込まれると考えられた。「スマートウォッチ」に代表されるコンピューターの機能を身にまとうウェアラブルコンピューターの実現や、さまざまな製品や資材に付与され情報を管理する「ICタグ」の普及のほか、インターネットにつながる端末数を大幅に増やす「IPv6」の定着などにより、「ヒト」と「ヒト」がつながり、「モノ」と「モノ」が結ばれる本格的なユビキタス社会が実現すると考えられており、それを支える機器類の互換性が不可欠となる。既に普及した「スマートフォン」や「タブレット」などの端末により、遠隔からの操作が可能な機器類も市場に展開されている。
技術の標準化は「WWW」の機構である「W3C」による「ユビキタスに関するワークショップ」の開設や、各国での標準化団体による「IC タグ」の規格化や標準化の促進などにより対応が進められている。
なお、総務省は2004 年に次世代「ICT 社会」の実現に向けた中期ビジョンである「u-Japan 政策」を発表しているが、「u-Japan 政策」の「u」には、「ユニバーサル」「ユニーク」などと共に「ユビキタス」の意味が込められている。

ユビキタスの分類

ユビキタスは大きく3 つに分類することができる。

1. ユビキタス・コンピューティング
コンピューターということを生活者に意識させず、コンピューター本体や周辺機器の区別もなく、人々の生活環境に溶け込んだ状態を指す。

2. ユビキタスネットワーク
コンピューター同士が自律的に連携、動作する状態で、監視カメラやセンサーネットワークなどがインターネットと接続し、有機的に動作するシステムもある。

3. ユビキタス社会
ユビキタスに関連する技術により、人間らしい生活を実現する社会を指す。

ユビキタス社会とクロスメディア

ユビキタス社会とは、ユビキタスコンピューティングが実現している社会環境を指し、「生活環境のあらゆる部分に情報通信環境が浸透し、利用者が意識することなく利用できる技術」が実現している社会を意味する。
ユビキタス社会では、「2 次元コード」や「IC タグ」「デジタル家電」など、主にインターネットに接続するさまざまな技術やメディアについて理解が必要となる。不可視であるデジタルデータがコンピューターやネットワークの境界を超えて移動するようになった利点がある一方、データ流出に起因する個人情報の漏えいや、ウィルスによるシステムの破壊などのリスクが大きくなる面もあり、システムの構築や利用については、セキュリティーに対する十分な対策が必要となる。
人々の生活に深く関わる以上、「IT」による「ユビキタス」を意識したサービスの提供者は、利便性の追求とともに社会的責任を自覚しなければならない。このような社会変化に適応するように、事業構造の改善や、メディアの新たな活用方法も模索されている。

ユビキタスに関連する代表的な技術や用語

・2 次元コード
従来のバーコードと比べ格納できる情報量が多く、表示するスペースを小さくできる。ペーパーメディアとWebサイトを連携するキャンペーンで多用されている。

・ICタグ
トレーサビリティーに関連する活用が進んでいるが、生産コストの圧縮が普及へ向けた課題とされている。リーダーの悪用によって個人情報を漏えいする恐れもあり、セキュリティーに対する注意も必要である。

・デジタル家電
インターネットに接続することで、サービスの更新や拡張ができる家電を指し、情報家電とも呼ばれる。クラッキングの対象となり得るため、セキュリティー対策も課題となる。

・コンテキスト
コンテキスト(Context)とは、(文章の)前後関係、文脈、または(ある事柄の)状況、背景などといった意味があり、用例により訳が異なる。

・クラッキング
クラッキングとは、悪意を持ったコンピューターネットワークへの不正な侵入や、コンピューターシステムの破壊や改ざんなどの行為を指す。ハッキングも同様の意味で使用されることがあるが、「悪意や害意を伴うハッキング」がクラッキングと呼ばれ、「ハッキング」と区別される。

・IoT
「IoT(Internet of Things)」とは、従来は主に「コンピューター」や「プリンター」などの「IT 関連機器」が接続されていたインターネットに対し、それ以外のさまざまな家電や家具などの「モノ」を接続する技術を指す。「モノ」に対しさまざまなセンサーを付与することで、インターネットを介した状態の監視や操作などにより、安全で快適な生活を実現しようとしている。

JAGAT CS部
Jagat info 2015年8月号より転載

【クロスメディアキーワード】EC

「EC(Electronic Commerce:電子商取引)」は、インターネットをはじめとするさまざまなコンピューターネットワークを用いた「契約」や「決済」などといった取引形態を指す。

インターネットとEC

インターネット上で商取引を行うため、一般的には「EC サイト」を展開する。有形の商品だけではなくアプリケーションやドキュメントなどの無形のデジタルデータとして構成される商品は、在庫や配送などの障壁が少ない取り引きが可能になり、個人の参入が容易であり、国境を越えた直接取引も可能になる。「EC サイト」による顧客の獲得は、在庫保管や店員配置などのコストが削減でき、低価格での商品提供を実現することで、さらなる集客が期待できる。

EC の適用

「EC」を展開する事業者は、「小売業」「サービス業」「卸売業」などが中心だったが、「製造業」でも進展をみせている。また、「建設業」では「企業からの調達」、「製造業」では「事業者への販売」といった「B to B(Business to Business)」での利用もあり、また「B to C(Business to Consumer)」といった「生活者への販売」では、「金融業」「保険業」などでも利用されている。事業者がインターネットから販売を行う主な理由は、「商圏を伴わない新規顧客の獲得」や「取引に伴う間接業務の効率化」などが挙げられる。

EC の種類

「EC」の種類は、「B to B」「B to C」「C to C」の3つに大別できる。

・B to B
「B to B」は企業(事業者)間取引を指し、EC 市場の多くを占める。代表的な例として、「製造業と卸業」「卸業と小売業」などによる「受発注の電子化」や「電子調達」などが挙げられる。また、不特定多数の企業がインターネット上に設けられた取り引きの場に集い相手を探す「eマーケットプレイス」も存在する。

・B to C
「B to C」は事業者と生活者間の取引を指す。事業者からインターネットを通じ、生活者が製品やサービスを購入する「オンラインショッピング」を実現するサービスが代表例といえる。立地条件が課題となることがない「EC サイト」では、事業者の工夫による生活者視点のきめ細かいサービス展開を図ることで、発展を続ける可能性がある。代表的な例として、ネット通販(インターネットによる通信販売)を実現する「EC サイト(単体の店舗)」や、「EC サイト」の集積である「オンラインモール(電子モール、サイバーモールなど)」などがある。「オンラインモール」は、「複数の店舗をまたいだ検索が可能」「決済や配送の一括化が可能」などの利点を生活者に提供できる。また、各店舗の運営者(事業者)に対し共通の「決済システム」を提供することにより、「EC サイト」を独自に構築する場合と比べ、出店費用を抑制する利点を小売業者に提供できる。
また、「One To One マーケティング」「仲介業者の排除」などの特徴がある。生活者への直接販売を通し、事業者は個人の要求に合わせた製品やサービスのカスタマイズを行っている。さらに、複数の製品やサービスを関係づけ、より多くの情報と、選択肢を提示することで、高度な付加価値の提供が可能になった。一方、購入者から代金を預かり、商品の配達を確認した後に事業者に送金する「escrow(エスクロー)」サービスといった取り引きの安全性を保証する仲介サービスも普及している。

・C to C
「C to C」は、生活者間の取引を指す。代表的な例として、「ネットオークション」がある。また、オークションで利用される決済や物流などのサービスを提供する企業を「C to C事業者」と呼ぶ場合もある。

企業間電子商取引(B to B EC)

企業間電子商取引の一つである「電子調達」は、「部品」や「資材」の調達を目的に、商品に関連する「見積もり」や「受発注」、「請求」などの処理に対し、インターネットを利用して、時間や場所に影響を受けない取引を目指し、工数や費用の削減効果も見込む。企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化や合理化を図るための手法や概念として、「ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)」がある。取引先との受発注、資材の調達や在庫管理、製品の配送など、総合的な管理がERP では求めらる。これを実現する管理手法に、「SCM(Supply Chain Management)」で、原材料調達から最終顧客まで、取引先を含む商品の流れを供給の連鎖として捉え、コンピューターシステムを活用し統合的に管理する。

市場の動向

個人や規模の小さい法人が小資本で展開できるネットビジネスは、参入障壁が低い。実存する店舗や倉庫などの資産も所有する事業者によるサービス展開を「ブリック&モルタル」と呼ぶ。また、企業が新たにインターネットを活用した事業に進出する際、すでに所有する店舗や流通基盤、顧客を基とし、インターネットの活用による販売手段の拡張をはじめとするサービスの補完を展開することを「クリック&モルタル」とも呼ぶ。一方、インターネット上のみから、事業が拡大するにつれて実店舗も展開し、紙のカタログや雑誌などを発行する傾向もある。
既存の事業とネットビジネスの融合は進み、それぞれをまたがった展開が一般的なものとなっている。さらに昨今では、「オムニチャネル」戦略として「EC サイト」と「実店舗」を複合的に活用し、あらゆる生活者との接点を連携し拡販するマーケティング戦略を採用する事業者も存在する。
今後は配送インフラの充実により、「越境EC」と呼ばれる国際的な取り引きが拡大すると予想されている。

JAGAT CS部
Jagat info 2015年6月号より転載

【クロスメディアキーワード】インターネットメディア

インターネットは、アメリカの軍事産業や学術機関のためのネットワークとして運用されていた「ARPANET」が起源であり、その後、世界規模での情報通信を可能にしたネットワークである。

インターネットの登場と歴史

1990 年代に入り、「Web(WWW:World Wide Web)」といった概念が提唱され、ハイパーリンクを用いたネットワークシステムが公開された。Web 技術は、ハイパーテキストとハイパーリンクをその根本に持つ広大なネットワークシステムである。
商用利用が解禁されたインターネット上には数々のWebサイトが構築され、企業による「コーポレートサイト」や「EC(Electronic Commerce)サイト」、製品やサービスの「キャンペーンサイト」などに活用されるようになった。さらに、「NTT ドコモ」による「iモード」の登場によりケータイ(携帯電話)による接続が可能になり、活用範囲がさらに広くなった。

メディアとしてのWeb サイト

「Web 技術」の根本にある考え方は、閲覧するデバイス(機器)やその接続環境に左右されず公平に情報を取得できることである。したがって環境の相違で、必ずしも同じ体裁で情報が閲覧できるとは限らない。ペーパーメディアの多くは、規定のサイズ(A4 やB5など)で提供され、固定のレイアウトで提供される。Webコンテンツとして制作されたデータは、多くの場合、閲覧者の環境によりデザインやレイアウトが変化する。パソコンだけでなく、スマホ(スマートフォン)をはじめとしたさまざまなデバイスが相次いで登場し、その利用者は増加し続けている。

Web 技術

Web技術はインターネットの普及とともに、専門分野の利用者が多かったコンピューターネットワークによる通信を一般的なメディアとして変化させた。
また、「Web 技術」は、「個人サイト」を爆発的に増加させ、「コーポレートサイト」のほか「コミュニティーサイト」やアプリケーションソフトウェアをダウンロードできる「ポータルサイト」など「Web サイト」の拡大に貢献した。さらに、「チャット」や「通話」などさまざまな機能を生み出しながら、成長し続けている。

ポータルサイトの特徴

「ポータル(portal)」とは、「門」や「入口」などといった意味を持ち、インターネット上で無数に広がるWeb サイトへの入口となる「検索」「リンク」のほか、「事件」や「株価」などの「ニュース」をはじめとする情報提供を行っている。さらに、「BBS(Bulletin Board System:電子掲示板)」や「チャット」「Webメール」などといったサービスを提供することで莫大な利用者を獲得し、広告収入に支えられるビジネスモデルを実現した。
「グーグル(google)」をはじめとする検索エンジンを提供する事業者によるWeb サイトのほか、「マイクロソフト」などのWeb ブラウザーを提供する事業者が展開するWeb サイト、インターネットのプロバイダーである事業者によるWeb サイトは、ターゲット(対象者)を絞らないポータルサイトとして競争している。
ポータルサイトの持つ機能的な傾向は、ビジネスモデルを重視し大きな変化を繰り返すことで、個人ごとに掲載する情報を変化させる「パーソナライズ」も実現している。さらに中古車情報や住宅情報などを提供するほかのWeb サイトと提携することで、ポータルサイトとして幅広い情報の提供を行っている。
ポータルサイトの収益は、広告によるものが大半を占めるが、「オークション」や「ショッピング」などのような機能を提供することで「手数料収入」を得る事業者も存在する。また、インターネットの帯域が広くなったことで、「映画の予告」やテレビ放送向けの「CM(Commercial Message)」など、映像のストリーミング配信も利用されるようになった。

メールマガジンの特徴

「メールマガジン」とは、電子メールを利用することで登録者に定期的な情報配信を行うサービスであり、略して「メルマガ」とも呼ばれる。「バックナンバー(過去の記事)」の多くは、Web サイトに再掲載される。有料と無料のサービスがあり、ほとんどの無料サービスでは数行の広告が掲載される。
情報の発信者となる発行者は、企業や個人などさまざまであり、企業によるものでは商品情報やニュースリリース、特定分野についてのコラムなど、非常に多岐にわたる。メールマガジンは、文字だけで構成することが可能であり編集が容易であること、「まぐまぐ」や「メルマ!」などの配信システムを無料で提供する事業者が存在することなどにより、インターネットが普及する中で早期からメディアとして地位を確立した。
利用者は嗜好に合わせメールマガジンを検索と選択を行いメールアドレスを登録することで、無料でメールマガジンが配信されるようになる。配信システムについては無料で提供されていることが多く、メールマガジンに掲載される広告によりビジネスモデルが成立している。

メールマガジンの活用

企業により提供されるメールマガジンとしては、事前に受信を承諾した利用者に対し配信する「オプトイン」によるサービスが一般化している。企業による「メールマガジン」は、マーケティングの一つである「メールマーケティング」として活用されている。この場合、利用者の「年齢」「性別」「居住地」「趣味」「嗜好」をデータベースにより蓄積することで、さまざまな「コミュニケーション」を実現する機会をうかがう。
Web サイトを利用する顧客を待つだけではなく、新規顧客をリピート顧客として育成し囲い込む重要性が高まり、メールマガジンは注目された。さまざまな告知手段と比較した場合においても、メールマガジンによるリピート顧客への育成は期待できると評価されている。メールマガジンは顧客にとって有用な情報源となり、「読み物」としての楽しいものが好まれ、工夫次第で「商品案内」として製品やサービスに対する理解を促す。ただし受信されたメールマガジンがすべて読まれるわけではなく、受信者のほとんどは、「件名」や「目次」で判断するなど、「ペーパーメディア」による「DM(Direct Mail)」と近似した傾向がある。

JAGAT CS部
Jagat info 2015年5月号より転載

【クロスメディアキーワード】パーソナルメディアとインターネット

主に個人の利用者が、情報の「発信」や「記録」「編集」するために用いられるメディアとして、「パーソナルメディア」と呼ばれるものがある。

代表的なパーソナルメディア

「パーソナルメディア」は、「マスメディア」が情報を大量に「発信」できることと対比される傾向がある。これらのメディアを介した情報の受発信が、比較的匿名性の低い知り合い同士の間で起こるものが多い。「パーソナルネットワーク」「インターパーソナルネットワーク」などと呼ばれることもある。「パーソナルメディア」とは、「カメラ」「家庭用ビデオカメラ」「テープレコーダー」などのほか「ケータイ(フィーチャーフォン)」「スマホ(スマートフォン)」などの機器を指し、「アマチュア無線」や「電子メール」「チャット(Chat)」「ブログ(Blog)」「ソーシャルメディア」などの仕組みやサービスも「パーソナルメディア」と呼ぶことがある。パーソナルメディアによるコミュニケーションでは、特に「ケータイ」「スマホ」などのモバイル端末とインターネット接続による「電子メール」や「ソーシャルメディア」の普及が、生活者間の関係性の維持や発展に大きく貢献している。

インターネットとパーソナルメディア

旧来のコミュニケーション手段では、「手紙」で行われていたコミュニケーションが、「電子メール」や「ソーシャルメディア」などによりコミュニケーションの頻度を高め、さらに対面によるコミュニケーション機会の創出に貢献している。学校や職場を離れることで、必然的な対面によるコミュニケーションの機会を失った場合にも、パーソナルメディアの進化に伴う「電子メール」や「ソーシャルメディア」などの活用により、人々の関係性の継続や、広い人的ネットワークの構築や保持が可能になっている。

チャット

「チャット」は、「世間話」「おしゃべり」などの意味があり、パソコン通信の時代から存在し、複数の参加者が画面を共有し文字情報を会話的にアップロードできるサービスである。当初の「チャット」は、一つの画面で構成されるリアルタイムな「BBS(Bulletin Board System:電子掲示板)」のようなものであり、情報は参加者全員で共有される。インターネットが普及したことで、「IRC(Internet Relay Chat)」として運用されており、参加者は「入室する」といった「メタファー」を使用する。
専用アプリケーションを使用し参加する場合と、チャット機能のあるコンテンツにWeb ブラウザーから参加する場合がある。Web ブラウザーによるチャット利用を可能にするための「CGI(Common Gateway Interface)」によるプログラムや、「インスタントメッセンジャー(Instant Messenger)」などのアプリケーションを利用してシステムを構成する。「チャット」自体は断片的なコミュニケーション手段であるため、社会的なメディアとして大きな役割を期待することは難しい。代表的な「インスタントメッセンジャー」には、映像や音声にも対応している「Skype」や、「ケータイ」や「スマホ」「パソコン」に対応したテキストによる「チャット」機能を持つ「LINE」、「SNS(Social Networking Service)」の最大手である「フェイスブック(Facebook)」が展開する「Facebook Messenger」などが広く普及している。

ブログ

「ブログ」は「ウェブログ」とも呼ばれる。個人の生活者が新聞やテレビなどで配信されたニュースを紹介し、独自のコメントやコラムを加え、関連したニュースサイトやポータルサイトへのリンクを掲載しているブログサイトも存在する。
「ブログ」の内容に対する生活者の関心は、マスメディアに匹敵する可能性もあるが、マスメディアのニュースがなければ「ブログ」が活性化しないといった相補関係にあり、すでに確立された旧来のメディアにとって脅威にはなり難いが、個人による情報発信がメディアの一角を占めるようになっている。個人が開設したWeb サイトは、無責任であり内容の信頼性が欠けるといった傾向がある。これは「ブログ」にも当てはまるが、匿名による「BBS」との比較であれば、Webサイトの運営者を明示することで、運営者の意思表示として信憑性があると考えられる。

ソーシャルメディア

ソーシャルメディアは、インターネット上のコミュニケーションツールとして普及し、多くの会員(利用者)で形成されている。ソーシャルメディアによる情報の伝達力は、マスメディアに匹敵するほどになり、媒体価値を高く評価されるようになった。現在では、企業などのさまざまな組織が生活者とのコミュニケーションを図る上で、欠かせないメディアとなっている。

SNSの歴史

利用者を限定したコミュニティー型情報サービスは、1980 年代頃から存在していた。日本では「ケータイ」の普及に伴い、「ケータイ」向けの「SNS」も発展した。パソコン通信やインターネットの普及段階で多く利用されていた「BBS」といったオープンサービスでは、情報の発信者が意図しない非難や批判の殺到を意味する「炎上」につながる事象も存在する。「炎上」は、継続的に発展するコミュニケーションの妨げとなることも少なくなかった。その後、情報の発信者が「ブログ」のように他者からのレスポンス情報の公開をコントロールできる機能を実現することで、コンテンツとしての品質もコントロールできるようになった。当初の「ブログ」は、専門知識を有する人物の情報発信を中心に、アメリカで使用されていた。しかしながら日本では、個人的な日記を公開するために使用され、関係性の高い生活者同士のコミュニケーションツールとして急速に発達した。ブログは「インタラクティブ(双方向性)」を重視したコミュニケーションツールではなかったことから、閲覧者の管理もコントロールできるアプリケーションとして「SNS」が登場した。

コミュニティーサイト

ソーシャルメディアにより形成される「コミュニティーサイト」は、同様の物事に関心を持つ利用者が自発的に集まりコミュニケーションが行われるサービスである。基本的にサービス自体は無料で提供され、主に広告による収益で運用される。サービス提供者が用意したWeb コンテンツ生成機能を使用し、利用者はコンテンツを制作し公開する。
また、「カテゴリー」や「テーマ」により分類された「コミュニティー」で、利用者同士がコミュニケーションを図ることができる。「メーリングリスト」や「ファイル共有」などのグループウェアの機能と近いサービスを利用し、他者と情報の共有を図ることで、「口コミ」による情報展開が期待できる。

JAGAT CS部
Jagat info 2015年4月号より転載