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【クロスメディアキーワード】プログラム言語とオープンソース

COBOL、FORTRAN、PL/I、Pascal、C 言語などは、コンピューターに実行させる処理を記述するプログラム言語である。ジョブ制御言語(JCL)やオペレーティングシステム(OS)で使用するコマンドは、OSに対し動作指示を行う言語として捉えることができる。
一方、SQL やXQueryなどは、問い合わせ言語とも呼ばれることもあり、主にDB(データベース)からのデータ取得に対する記述をする。PostScript やHTML、XML などは、主にデータの内容を記述するための言語であり、データ記述言語とも呼ばれている。
PostScript やHTML は、主に内容の表示や描画のために使われるようになった。XML は、表示描画機能を切り分け、データに対し意味のある集合体や構造で表現することに主眼を置いた言語である。XML データをディスプレー表示や、印刷する場合は、PostScript やHTML などの形式に置き換え、専用アプリケーションやXSLT などを用いて変換する必要がある。XML データはPostScript やHTML と比較すると、ディスプレー表示や印刷するまでの手順が複雑になる。しかしながら、データ項目を文書構造に合わせて取得することが容易である。UML(Unified Modeling Language)は、ソフトウェア開発においてシステムの構造を表現するためのコンピューター言語であり、モデリング言語の代表的なものである。
プログラミング言語の中で、データを使い行う処理や操作の手順をパッケージ化した独立性があるものを「オブジェクト」と呼ぶ。オブジェクト指向のプログラム言語は、命令から相互に関連し、処理や操作を実行することで、ソフトウェア全体としての動作を制御する。オブジェクト指向は1970 年代から普及し、SmalltalkやCLOSなどオブジェクト指向のプログラム言語が開発された。オブジェクト指向では、すでに存在する「オブジェクト」は、利用の際にその内部構造や動作原理の詳細を知る必要がなく、特に大規模なソフトウェア開発において有効な考え方として知られている。
オープンソースは、無料でソースコードやプログラムが入手できるということを意味しているだけではない。オープンソースに関する定義は、Open Source Initiative(OSI)により策定されている。OSI認定を受けるためには、以下の頒布条件が定められている。

1. 再頒布の自由

「オープンソース」であるライセンス(以下「ライセンス」と略)は、出自のさまざまなプログラムを集めたソフトウェア頒布物(ディストリビューション)の一部として、ソフトウェアを販売あるいは無料で頒布することを制限してはならない。 ライセンスは、このような販売に関して印税そのほかの報酬を要求してはならない。

2. ソースコード

「オープンソース」であるプログラムはソースコードを含んでいなければならず 、コンパイル済形式と同様にソースコードでの頒布も許可されていなければならない。何らかの事情でソースコードと共に頒布しない場合には、 ソースコードを複製に要するコストとして妥当な額程度の費用で入手できる方法を用意し、それをはっきりと公表しなければならない。方法として好ましいのはインターネットを通じた無料ダウンロードである。ソースコードは、プログラマーがプログラムを変更しやすい形態でなければならない。意図的にソースコードを分かりにくくすることは許されず、プリプロセッサーや変換プログラムの出力のような中間形式は認められない。

3. 派生ソフトウェア

ライセンスは、ソフトウェアの変更と派生ソフトウェアの作成、並びに派生ソフトウェアを元のソフトウェアと同じライセンスの下で頒布することを許可しなければならない。

4. 作者のソースコードの完全性(Integrity)

バイナリ構築の際にプログラムを変更するため、ソースコードと一緒に「パッチファイル」を頒布することを認める場合に限り、ライセンスによって変更されたソースコードの頒布を制限することができる。ライセンスは、変更されたソースコードから構築されたソフ
トウェアの頒布を明確に許可していなければならないが、派生ソフトウェアに元のソフトウェアとは異なる名前やバージョン番号をつけるよう義務付けるのは構わない。

5. 個人やグループに対する差別の禁止

ライセンスは特定の個人やグループを差別してはならない。

6. 利用する分野(Fields of Endeavor)に対する差別の禁止

ライセンスはある特定の分野でプログラムを使うことを制限してはならない。 例えばプログラムの企業使用、遺伝子研究の分野での使用を制限してはならない。

7. ライセンスの分配(Distribution)

プログラムに付随する権利はそのプログラムが再頒布された者全てに等しく認められなければならず、彼らが何らかの追加的ライセンスに同意することを必要としてはならない。

8. 特定製品でのみ有効なライセンスの禁止

プログラムに付与された権利は、それがある特定のソフトウェア頒布物の一部であるということに依存するものであってはならない。プログラムをその頒布物から取り出したとしても、そのプログラム自身のライセンスの範囲内で使用あるいは頒布される限り、プログラムが再頒布される全ての人々が、元のソフトウェア頒布物において与えられていた権利と同等の権利を有することを保証しなければならない。

9. ほかのソフトウェアを制限するライセンスの禁止

ライセンスは、そのソフトウェアと共に頒布される他のソフトウェアに制限を設けてはならない。例えばライセンスは、同じ媒体で頒布されるほかのプログラムが全てオープンソースソフトウェアであることを要求してはならない。

10. ライセンスは技術中立的でなければならない

ライセンス中に、特定の技術やインターフェイスの様式に強く依存するような規定があってはならない。

JAGAT CS部
Jagat info 2013年3月号より転載

DTPエキスパートとコミュニケーション

今回の「DTPエキスパートカリキュラム」の改訂(第11版) により新たな項目として、また試験の新カテゴリーとして「コミュニケーション概論」が加わった。しかし、これまで改訂を重ねてきた「DTPエキスパートカリキュラム」の表紙には常に4つのキーワードとして“よいコミュニケーション”“よい制作環境”“よい印刷物”“高いパフォーマンス”が掲げられており、もともとその筆頭に“コミュニケーション”を謳ってきた。

コミュニケーションツールとしての印刷物

DTPエキスパートの人物像は、日本におけるDTPの導入期から普及、展開といったフェイズに応じて変化してきた。また、メディアの多様化、ビジネスの変化といった環境に応じてその役割が変化せざるを得なかったところもある。しかし、一貫しているのは“DTPに関する正しい知識と技術を保有し「高品質な製品としての印刷物(よい印刷物)」の提供を実現する、あるいは実現できる人”ということである。
ここで、今一度“よい印刷物”とは何か?を考えてみる。
鮮やかな色再現が実現できていたり、美しいレイアウトや素晴らしい組版体裁の印刷物は高品質であるといえるであろうが、それだけでは製品としては不完全である。印刷物という手段を通じて伝えたい情報が的確に受け手に伝達ができ、結果として期待された効果が得られなくてはならない。
いくら見た目にきれいなチラシを作成しても、それが購買や集客に結びつかなくてはまったく意味がないといえる。すなわちその印刷物が果たすべき役割、目的が達成されてこその“よい印刷物”なのである。
改訂「DTPエキスパートカリキュラム」の「コミュニケーション概論」の項の冒頭には以下のように記述されている。

印刷物などのメディアは、情報の移動・伝達=コミュニケーションの手段の一つであり、コミュニケーションについての理解はメディアビジネスの根幹である。

そもそもコミュニケーションツールとしての印刷物に対する理解は必要不可欠であるということである。

DTPエキスパートとして必要なコミュニケーション能力

情報を伝達するメディアは、紙のほか電子化されたものなど、多様化している。そうしたなかにおいては、コミュニケーションツール(手段)の選択肢も多様化したということであり、紙メディアにかぎらず各種メディアの特性も理解した上で選択と手法を最適化して制作物を設計していく必要がある。
コミュニケーションツールを効率的、効果的に作り上げていくに際して最も必要な能力はコミュニケーション能力である。
各種メディアの制作にあたって、まずはクライアントの要望をヒアリングなどによる情報収集と分析によって的確に把握する必要がある。この段階(クライアントとのコミュニケーション)が不十分であると、制作物を適切な仕様に落としこむことができず結果として“よい印刷物(制作物)”とはならないであろう。
さらに、制作プロセスにおいても、例えば制作プロジェクト進行管理において、各工程間での指示や伝達を始めとして各業務担当者の情報伝達能力=業務間コミュニケーション能力が円滑な業務遂行の要となるのだ。
今回のカリキュラム改訂で、コミュニケーションツールとしてのメディアの理解とともに、制作進行におけるコミュニケーション能力もDTPエキスパートに求められることをさらに明確化したということである。

(JAGAT CS部 橋本和弥)
※本記事は、2014年8月掲載当時のものです。
※DTPエキスパートカリキュラムは、2016年11月に改訂12版発行の予定です。

エキスパートWeb基本台帳システムメンテナンス予定のご案内

エキスパートWeb基本台帳につきまして、システムメンテナンスのため、下記の日時に一時的に使用停止となります。
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【エキスパートWeb基本台帳システムメンテナンス期間】
9月13日(火)13:00~17:00 (予定)

【クロスメディアキーワード】近距離無線通信技術

近距離無線通信技術とは

無線通信におけるネットワーク技術は、距離により分類される。約100km 以上の距離で通信を行う「無線WAN(Wide Area Network)」、約100m から約100km までの「無線MAN (Metropolitan AreaNetwork)」、約20m から約100m までの「無線LAN(Local Area etwork)」、人間のまわりの機器をネットワークする範囲として10〜20m 程度をカバーするものを「無線PAN(Personal Area Network)」という。
近距離無線通信技術は厳密な定義はなく、一般的に、「無線PAN」などの通信距離が数10m くらいまでの近距離無線通信の技術をいい、その主な技術として、「ZigBee」「Bluetooth」「無線LAN」などがある。

技術の比較

近距離無線通信技術と類似技術には、「ZigBee」「Bluetooth」「無線LAN」「電子タグ」が考えられる。「ZigBee」は、伝送スピードがほかと比較して250kbpsとあまり高速ではない。さらに、消費電力は一番小さく、接続数は約6 万5000 個と一番多い。自律的にメッシュネットワークの構築が可能で、メッシュリンクとスターリンクを組み合わせたマルチホップネットワークの構築が可能である。「Bluetooth」は、伝送スピードが1Mbps とある程度の速さを有している。また、消費電力については120mW とほぼ中間であり、接続数は最大7 個と少ない。音声とデータのアプリケーションで利用でき、ネットワークへの参加・離脱が容易である。さらに、周波数ホッピングによる無線技術間の干渉を軽減する。「無線LAN」は、伝送スピードが、11、54Mbps と高速である。しかしながら、消費電力は3Wと一番大きく接続数は、最大32 個と少なめである。「電子タグ(パッシブタグ)」は、消費電力が0Wと電力が掛からず、接続数はタグのみのID などコードリーダーであり1 個のみである。リーダーとの間で、データの読み出し、書き込みが可能である。薄くて小さなタイプは、モノに埋め込むことができる。電源を内蔵しない「パッシブタグ」のほかに、電源を有し自ら電波を出す「アクティブタグ」がある。

NFC(ISO/IED 18092)

「NFC(Near Field Communication)」とは、ソニーとフィリップス(現NXP セミコンダクターズ)が共同開発した、近距離無線通信技術の国際標準規格である。「FeliCa」や、「MIFARE(ISO/IEC 14443)」などの非接触IC カードの下位互換性がある。使用周波数は、FeliCa」や「MIFARE」などと同様の13.56MHz である。「NFC」の通信規格を搭載している機器同士の双方向通信が可能で、携帯電話やパソコン、家電などの機器へ展開されている。今後も、アクセス制御やヘルスケア、情報の受発信、顧客維持、決済、物流など、幅広い分野での活用が見込まれている。
NFC活用のメリットは以下の通りである。①「NFC」による双方向通信は、「かざす」以上の複雑な操作を必要としない。②産業から環境まで、広範囲での利用に適している。③NFC技術はISO やECMA、ETSI標準を見据え、オープンかつ標準的である。④「NFC」は、「Bluetooth」や「Wi-Fi」などの無線技術において、機器のセットアップを容易にする。⑤NFC送信は短距離(数センチメートル)でありセキュリティーにおいて優れている。⑥既存の非接触カード技術と互角性がある。⑦「NFC」は、セキュアなアプリケーションをサポートするための機能が組み込まれている。

NFC の主な機能

①カードエミュレーション機能
「NFC」が搭載された機器は、さまざまな非接触ICカードやICタグの規格と互換性があり、それらと同等の機能を持つ。IC カードやIC タグのインフラを利用したアプリケーションの構築が可能である。
②リーダー・ライター機能
「NFC」が搭載された機器は、リーダー・ライターとして、さまざまな非接触IC カードやIC タグの読み書きができる。
③端末間通信機能<P2P>
NFC 通信規格対応のIC チップ「NFC チップ」を搭載している機器やカードを10cm 以内の近距離まで近づけると、106Kbps〜424Kbps の速度で双方向通信が可能になる。

ハンドオーバー

NFC 端末間ペアリング対応の機器間では、大容量のデータを送受信する際、通信手続き(ペアリング)だけを「NFC」で行い、「Bluetooth」や「Wi-Fi」など別の高速な規格に引き継ぎ、通信を行うことができる。これをハンドオーバーと呼ぶ。
①Bluetooth ハンドオーバー
大容量データを転送する場合、高速で通信距離も長い通信規格である「Bluetooth」を使用することがある。通信距離が長いワイヤレス通信規格では、その長い通信距離のため、盗聴や改ざんなどの危険性が大きくなる。そのため、「Bluetooth」のペアリングは非常に煩雑であり、一般ユーザーからは敬遠されることが多い。「NFC」は通信距離が10cm 以下と短く、機器同士をかざす(10cm 以下に近づける)という明示的
な行為をトリガーに、安全な通信を行うことができる。NFC 通信で、「Bluetooth」のペアリングを行うことで、容易に安全で高速なデータ転送が可能となる。
②Wi-Fiハンドオーバー
無線ブロードバンド(Wi-Fi)サービスの利用者が増加している。Wi-Fi ブロードバンドサービスの多くは、①あらかじめ月額のサービス利用料を支払い、サービス事業者により発行されるIDとパスワードで利用するもの、②フリーで利用できるものがある。①を利用する際は、利用するサービス事業者向けのアクセスキー(Wi-Fi接続に必要な情報)を端末へ設定しておかなければならない。「NFC」に対応したWi-Fiブロードバンドサービスが普及すると、サービス利用者はアクセスキー登録済みのIC カードをNFC 搭載携帯電話やパソコンにかざすだけで、サービスが利用できる。

JAGAT CS部
Jagat info 2013年2月号より転載

第46期DTPエキスパート認証試験速報レポート

8月21日(日)に開催しました第46期DTPエキスパート認証試験の受験者属性等速報レポートを掲載します。

第46期DTPエキスパート認証試験速報レポート

受験者数はほぼ前年なみ、受験者属性に大きな変化はありませんが、企業受験率が昨年52.8%から、59.2%と高まりました。
試験は現在、9/20までの実技試験期間中となっています。
実技試験終了後、学科・実技の総合採点ののち、10月末に合格者を本サイト上で発表する予定です。

【クロスメディアキーワード】SWOT分析

経営戦略や事業戦略を策定するためのフレームワークには3C 分析、バリューチェーン分析、SWOT 分析などさまざまな手法がある。SWOT 分析と関係性の深い経営資源について解説をする。

SWOT 分析とは

組織の戦略を策定したり評価していく上で、現状の自社を取り巻く外部と内部の経営環境を分析することは重要である。SWOT 分析とは、経営環境を内部の経営資源と外部環境に区分し、さらに有利な要因と不利な要因に区分してマトリックスを作り、自社の経営環境の条件を明確にする方法である。SWOT 分析の具体的な項目は、内部の経営資源上の有利な要因を「強み」、不利な要因を「弱み」とし、外部環境上の有利な要因を「機会」、不利な要因を「脅威」とし、マトリックス上を4 つにグルーピングする。SWOT 分析の結果に基づき、事業領域(ドメイン)の決定につなげていくことになる。
外部環境と内部環境の要素を下表に取り上げる。

●外部環境の要素
[マクロ要因]
① 政治・法律環境 規制緩和や法律の改正など
② 経済環境 景気変動や為替動向など
③ 社会環境 少子高齢化、格差社会など
④ 文化・技術環境 技術革新やライフスタイルなど
⑤ 自然環境 環境規制や地球温暖化など
[ミクロ要因]
① 市場環境 市場規模や市場動向など
② 顧客環境 顧客ニーズや消費者動向など
●内部環境の要素
① 人的資源 組織構造や人材力など
② 物的資源 保有する設備、工場など
③ 財務的資源 資金調達力など
④ 情報的資源 ノウハウ、ブランド、企業イメージなど

SWOT 分析の目的

外部環境と内部環境を線引きするポイントは、自社で統制することが可能かどうかである。外部環境は自社では統制不可能なことが多いが、内部環境は改善できる余地が残されているためである。SWOT 分析の本来の目的は、経営戦略の方向性を模索したり、資源配分の検討や戦略を実現するための課題を設定する際に、客観的に自社の位置付けを明らかにすることである。区分することに固執すると抽出自体が目的となり分析が疎かになって、本末転倒になる。単なる抽出ではなく、分析した結果と、分析結果から目的とすることを導くことができるかが重要である。よって、必要以上に内外環境を区分する自体には意味がない。

SWOT 分析の留意点

4 つの項目に分類されたSWOT の内容は一定でなく、変化することに留意する必要がある。機会や強み、脅威や弱みを判断する基準を設定することが難しい場合がある。策定した戦略やターゲットとする顧客によって強みや弱み、機会や脅威の判断基準が変化する場合がある。例えばインターネットの普及は、企業が消費者に対して情報発信できる頻度が高くなるため、機会に捉えられそうである。その反面、消費者が取得できる情報量が増加し、商品やサービスに関する知識が豊富になっている。消費者が選別する目が厳しくなっているので、効果的に商品価値を訴求していかないと、顧客が離反し、脅威や弱みに変化することになる。また、一方の企業には脅威であっても、他方の企業にとっては機会になる場面もある。例えば通常、円安は輸出企業には機会であるが、輸入企業にとっては脅威である。逆に円高は、輸出産業にとっては脅威であるが、輸入産業にとっては機会になる。

JAGAT CS部
Jagat info 2013年1月号より転載

【DTPキーワード】ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインとは、全ての人のためのデザインを意味し、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインを目指している。
ユニバーサルデザインは、

  1. (1) 公平性:誰でも使いこなすことができる。
  2. (2) 自由度:例えば右利き、左利き両方が使いやすい。
  3. (3) 簡単性:作りが簡単で、使い方も分かりやすい。
  4. (4) 分かりやすさ:知りたい情報がすぐに理解できる。
  5. (5) 安全性:使用に安全、安心で、誤使用しても危険が少ない。
  6. (6) 省体力:長時間使用しても、体への負担が少ない。
  7. (7) スペースの確保:どのような体格、姿勢、動きでも快適に使える大きさ、広さがある。

などの考え方が基本となっている。

文字や色については、誤読などをさせずに認識しやすく、かつレベルの高さを保つデザインが必要である。
文字におけるユニバーサルデザインで特に重要なのは、視認性や判読性、デザイン性、可読性がある。

視覚感度は年齢による低下や特定の色の区別がしにくい色弱者などのように知覚を制限するものがある。
それを踏まえた配色や色使いをしていくことが、カラーユニバーサルデザインであり、誰にでも見やすい色の組み合わせやデザインを行うことが求められている。

文字の代わりにピクトグラム(「絵文字」「絵単語」)が、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つとして用いられる。また、地色
と図表に明度差のある2 色を用いて、表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられる。

紙面のデザインで強調したい言葉があるときは、色だけでなく文字のポイントを大きくしたり、書体を変えたり、もしくは下線や傍点、囲み枠といった方法を使う。

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いは以下である。ユニバーサルデザインは広範囲の人、つまり地球上の全ての人が対象となるが、バリアフリーは高
年齢者、障害者などのように範囲が絞られる。

フォントもユニバーサルデザインに対応したUDフォントがリリースされている。
1. 読みやすく、誤読することも少ない。2. 形状がシンプルで分かりやすい、という目的でデザインされた文字のことである。例えばI 社UD フォントの特徴は、
読みやすく、誤読されにくいを基本コンセプトに、以下の4 つの観点から開発された。

  1. (1) 視認性:文字一つひとつの構成要素を視認しやすくする。
  2. (2) 判読性:誤読しにくく、ほかの文字との判別を分かりやすくする。
  3. (3) デザイン性:シンプルさ、美しさ、整理、整合性を持つ。
  4. (4) 可読性:文字列としての単語・文章の読みやすさ。としている。

UD フォントは役所や病院などの案内表示、取扱説明書、携帯電話の表示、新聞/雑誌などで有用である。
ユニバーサルデザイン

有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一
(Jagat info 2014年月12号より転載)

【DTPキーワード】校正記号

原稿整理を行うときの表記の基準に照らし合わせて、ページが組版された状態のチェックをし、校正記号を
使って修正の指示を入れる。
文字校正の記号および意味はJIS Z 8208:2007 として定められている。ゲラへの校正記号の記入の仕方は、これに準じて行う。
校正記号を用いる理由は、長々と説明文や注釈をつけることを避け、正しく簡潔に意思が伝達できるよう
にするためである。
赤字は入力、編集、内校正、赤字引合わせなどの担当者が正確に作業できるように、きれいかつ丁寧に入
れる。
赤線が交差、接触、折れ線になるのは避け、また誤字の箇所からなるべく近くの余白まで赤線を引き出す。
文字校正の記号および意味は、1965年にJIS Z 8208として定められ、2007 年にJIS Z 8208:2007として改
定されている。ゲラへの校正記号の記入の仕方は、これに準じて行う。

有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一
(Jagat info 2014年10月号より転載)