最近は、製品にマーク類がついていているのですが、多すぎて全体がどうなっているのかよく理解できません。環境関係のマーク類について限定してみると、法律的な決まりがあるのでしょうか?

掲載日:2014年8月11日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:最近は、製品にマーク類がついていているのですが、多すぎて全体がどうなっているのかよく理解できません。環境関係のマーク類について限定してみると、法律的な決まりがあるのでしょうか?

A:確かに、環境、安全、健康に関するマーク類が非常に多くて、やや混乱気味です。マーク類を一括して規制する法律はありません。しかし、一部のマークは法律で表示を義務付けていたり、規制しているものがあります。

印刷業界でよく使用する、容器包装マーク(アルミ缶、スチール缶、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装に使用されているマーク)は資源有効利用促進法で表示が義務付けられています。この他には、JISマーク、JASマーク、有機JASマーク、特定健康食品マーク、有害物質を示すJ-MOSSマーク等は別の法律で表示が定められています。


図1:法律で定められているマーク類例
 

しかし、多くのマークは法律では表示することを決めていません。だからといって、でたらめにマーク表示をしてよいはずはありません。不当にマーク表示をした場合には、不当景品類及び不当表示防止法に触れるおそれがあります。例えば、環境に配慮していない製品に、エコロジーマークを表示すると、購入者は環境に配慮している製品と思い、購入する可能性があります。この様なこと(誤認)を防ぐために、不当景品類及び不当表示防止法では、誇大広告や不当な製品表示を禁止しています。このように、間接的ですが不当なマークの表示は法律で規制されています。

マーク類を表示できる基準と表示するための手続きよく理解して正しく使いましょう。 今までは、法律との関係を説明してきましたが、ISO規格との関連についても触れておきましょう。環境に関するISO規格としては、ISO14001(環境管理)は環境ISOとして、よく知られています。環境ISOシリーズの中に、エコラベル(エコロジーマークのこと)に関する規格があります。ISO14024 タイプⅠ第三者認証型、ISO14021 タイプⅡ自己認証型、ISO14025 タイプⅢ環境情報表示型の3種類があります。

タイプⅠはエコマーク等の環境配慮型商品であることの表示について、あらかじめ設定した認証基準に対する製品の環境要素を、第3者が審査して認定するものです。タイプⅡは環境配慮の内容を企業が表現するもので自己宣言型とも言われ、製造者が製品の環境要素に対して自己主張をするものです。タイプⅢは環境への影響度を定量的に表現するもので製品の資源使用料やエネルギー消費量などを、製品に添付したカードに記載し、このデータで消費者に選択してもらうものです。


図2:ISO規格に準拠したエコロジーマーク
 
(2007年10月15日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)