投稿者「原淳子」のアーカイブ

効果的なフォローアップは定着化を促す機会

今年の「JAGAT新入社員意識調査」では、「入社した会社にアピールできること」を尋ねた設問で、6年ぶりに「協調性」が1位に浮上した。入社して半年。人間関係や仕事の課題が少しずつ見え始めた頃、彼らはどう向き合っているのだろうか。

効果的なフォローアップは成長と定着化を促す機会
新卒の3割が3年以内の離職すると言われる今、若手社員の人材育成と定着化は、企業にとって大きな課題になっている。初めは目の前の仕事を覚えるだけで精一杯だった新入社員も、徐々に新しい環境に慣れ、自分のおかれている状況を客観的に捉えることが できるようになってくる。任される範囲が広がるにつれて直面する課題も複雑化し、仕事や人間関係でストレスを感じることも増えてくるのではないだろうか。

環境変化のスピードが激しい印刷業界において、求められる知識や対応力は以前よりも格段に増えている。営業であれば、お客様の要望が多様化した今、お客様の視点に立って、自ら考え、提案できる力を身につけていかなければならない。仕事の要領をひととおり覚えたタイミングで、あらためて基本を見直し、課題や仕事への向き合い方を再確認する機会を設けることは、仕事への不安や悩みを解消し、新入社員の成長を促すために重要だ。

JAGATでは、10月に早期の戦力化と定着化を目指して新入社員および若手社員向けのフォローアップ研修を予定している。

「自信を育てる!若手社員フォローアップ講座」は、仕事をスムーズに進めるために、職場環境を含めた人間関係に柔軟に対応し、前向きに行動できるようになるための考え方の習得を目指している。また、現状を客観的に振り返るだけでなく、次のステップに進むにはどう実践すべきかを具体的に把握するために、新たな「目標設定」と成果につなげる「行動計画」の作成まで取り組んでいただく。一日も早く自立した社員になれるよう、ひとりひとりを後押しするカリキュラムだ。新入社員だけでなく、業務で必要とされる基礎知識を見直したい方、問題への対応力を強化したいと考える中途入社、若手社員の方にもおすすめしたい。

▼参加者の感想
・日頃思ってることやもやもやしていたことを言葉にできてすっきりした。他の会社の人とこういう内容の話をする機会はそう多くはないので良い体験ができたと思う。
・目標や目的、自分が今何を考えているかを改めて問う時間になった。
・曖昧だった目標が明確になり、それを達成するには何が必 要なのかを考えることができた。
・他社の参加者とそれぞれの悩みや意見を共有できて、共感したり気持ちが楽になった。
・信頼関係の効果的な築き方や聞き上手になることの大切さが理解できた。

JAGAT秋のフォローアップ研修

成果を出せる「目標設定」とよりよい「人間関係づくり」のルールを知る
自信を育てる!「若手社員フォローアップ」講座  10月14日(水)
一人前の社員になるための「考え方と行動」の実践
節目の時期に現状を振り返り、多面的な視点から問題をとらえるプロセスを通して、主体性を自ら発揮できる社員への成長を促します。

お客様の要望、期待にこたえるために、ベースとなる必須知識を身につける
知っておきたい「印刷人としての新常識」 10月15日(木)
印刷人としての常識(ビジネス環境・技術・材料・原価)を再確認し、時代の要請に適応するべく、これからの印刷業界に必要な共通認識を取り上げます。

日々の営業活動の課題を発見、改善するためのヒント
印刷営業活動における基本と/実践  10月16日(金)
自社の強みを価格によらない形で活かすためには?営業力・対応力の習得を目指し、日常の営業活動で必要とされる具体的事項の基本を学びます。

(CS部 原淳子)

 

 

 

OJT対象 意欲と行動を促す新入社員の育て方

 受け入れ準備と教育成果を高める関わり方

 

新入社員教育は入社前の準備からスタートします。

期待を背負って入社してくる新入社員たちー一方で多くの職場から、どのように彼らを受け入れ、指導していけばスムーズな教育成果があがるのか、悩みの声が聞かれます。

新入社員が一番影響を受けるのは、社長でも上司でもありません。
指導役の先輩社員であるOJT担当者の行動や話し方、考え方から最も影響を受けます。

新入社員の教育成果を高めるには、受け入れる側が事前に目的や役割を理解し、準備を整えておくことが大切です。組織としての考え方や仕事のルールを整理し、関係を築きながら伝えていかなければ、なかなか効果があがりません。
 入社して間もない時期に新入社員に安心感を与え、信頼関係を創ることで、その後の仕事の進め方や指導が円滑に運ぶようになります。
 
「意欲と行動を促す新入社員の育て方」では、新入社員・若手社員の指導育成に携わる方たちのために、彼らを迎えるための準備をどう進めるか、コミュニケーションの取り方、向き合い方のコツを解説します。
目的や役割を整理し、成長度合いに応じた適切な関わり方やアドバイスを行うことが、新入社員の意欲を引出し、教育成果を高めることに役立ちます。

受け入れ準備の進め方について、以下のポイントにそって解説します。

①新入社員の意欲を引出し、主体的に行動できるようになるための関わり方
②信頼関係をつくる情報共有の仕方、伝え方

4月から始まる新人教育の体制づくりの一環としてぜひお役立てください。

 

開催日時
2015年2月25日(水) 10:00~18:00

定員
30名 (最少催行人数5名)

 

詳細

 

<内 容>
 
  1.効果的な信頼関係の創り方
新入社員のやる気と行動を引き出す関係づくりの第1歩
 
Step1. 最初につくるのは「安心感」
新入社員に「安心感」を感じてもらうためにするべきこと
●自分の行動が相手の状態を生み出す
●聞き上手になる

Step2. 次に築くのは「自信」
「チームに貢献している」という自信をはぐくむ
●個性を活かす関わり方
「コミュニケーションの4つのタイプ」
 
Step3.  最後に「行動」を促す
「チャレンジするきっかけ」を与える関わり方
●仕事のビジョンを語り、リクエストする
●問題解決への行動を促す


2.オリエンテーションの進め方

●お互いを知るためのオリエンテーション
自己開示と情報共有
●伝える内容の整理
●新入社員に伝わるコミュニケーションの方法
★ロールプレイング

3.総括…これからの自分
 
 

※受講者の状況により、一部内容を調整する場合があります。
 


< 講 師 >                        
猪俣 恭子 (いのまたきょうこ)
株式会社story I  代表取締役                       inomata
財団法人生涯学習開発財団認定マスターコーチ                  
国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー

銀行で営業店勤務後、本部で行内研修の企画運営・講師兼人材育成業務を担当する。退職後、家業の印刷会社で営業、制作、工程管理に携わる。その間スクールで印刷・製版業界向け講師、およびDTPエキスパート認証資格試験合格対策講座の講師を担当する。特に印刷会社勤務時代は、現場で人を育てることの難しさを実感し、その後、コーチングを学び現場で実践しながら、本当の意味で人を育てるということを学ぶ。
現在は、コーチ・キャリアカウンセラー・講師として、JAGATをはじめ、数々の企業研修を担当し活躍中。
著書に「女性のためのリーダーシップ術」(幻冬舎/2014年刊)

 講師ホームページ

 


 

参加された方からのメッセージ

 亜細亜印刷株式会社 伊東真規子さん(2011年国際技能オリンピック 印刷職種金メダル)

 

会場
公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム
東京都杉並区和田1-29-11
東京メトロ 丸の内線 中野富士見町駅下車 徒歩5分

 

参加申し込み(FAX):
下記申し込み書をプリントアウトし、必要事項をご記入の上FAXでお申し込み下さい。
お申し込みが確認され次第、参加証・地図をFAXでお送りいたします。
請求書は、後日ご郵送いたします。

■FAX申込先:
公益社団法人日本印刷技術協会 CS部 教育開発グループ FAX(03)3384-3168

■内容等のお問い合わせ:CS部 教育開発グループ セミナー担当  TEL(03)3384-3411 


                         【 意欲と行動を促す新入社員の育て方講座  参加申込書 】

・・・・・・・・ FAX 03-3384-3216・・・・・・・・

2015.2.25   111100036

貴社名
住 所/〒
tel:                          fax:
ご連絡担当者 氏名:

部署:

役職:

E-mail:

参加者名
部署
参加者名
部署
参加者名
部署

JAGAT会員  16,200円 ×     名           円

 

一     般  19,440円 ×     名          円


参加費は開講日前日までに下記口座にお振り込み下さい。

振込先:みずほ銀行 中野支店(普)
No.202430 シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ

※お申込み後に参加者ご本人が出席できなくなった場合は、代理の方のご出席をお願い致します。

*ご記入いただきました個人情報に関する内容は厳正に取り扱います。

『営業の見える化』からはじめる高収益への道

印刷需要の減少に顧客接点となる営業はどう立ち向かうべきか。連載第一回目

…眠れる需要はそこにある…
「印刷営業の見える化」シリーズ 第1回

営業の現状

●営業現場の現状
1.社会環境や経済環境変化に伴う印刷需要の減少
2.年率2桁成長を続ける印刷通販市場
3.メディア・スイッチ化(印刷メディアから電子メディア)への進展
各種業界データが示す通り、さまざまな原因により印刷需要は年々減少している中で、唯一の成長分野である「印刷通販ビジネス」が伸びるほど、既存のプレイヤーの取り分はますます減少し、さらに印刷メディアから他のメディアへの切り替え現象は、さらなる需要減少に拍車をかけ、価格だけが下がり、印刷需要全体を減少させている。

●営業パーソンの現状
競争にならない相手
日々現場で活動する営業パーソンは、顧客からの厳しい交渉力、競合他社との受注合戦に加え、新たに出現した印刷通販との競争で疲弊している。
しかも競争に勝つための手段は価格以外に見つけることが難しく、保有する設備の稼働率を維持するためにやむをえず低価格受注に走る営業パーソンの姿に、果たして存在価値はあるのか…という声もある…。

営業パーソン不要説(営業パーソンは要らないのか?)
単なる印刷物の受発注だけなら、営業パーソンは要らない…

1.顧客は営業パーソンとのコミュニケーションを望んでいないのか!?
顧客は印刷営業パーソンとの”意味のないコミュニケーション”に貴重な時間を、取られたくない。単なる印刷の仕事をください…という「受注お願い営業」、助言・提案はなく指示待ちの商談、毎回同じような原稿作成と校正作業の繰り返し等、忙しい顧客担当者にとっては印刷営業パーソンとの商談時間は有益なのか? 印刷物の発注だけなら、もっと簡単で便利で、しかも安い方法があるのに…と思うのも当然かもしれない。

2.反面、ますます増える顧客の悩みと相談相手がいない状態。
今、顧客は自身のビジネスの、また業務の悩みを解決したくても、”気軽”に相談できる相手が誰かわからない…。印刷物は顧客のビジネスや業務の手伝いに使われており、印刷会社、そして営業パーソンはそこに密接に関係しており、本来顧客にとっては”身近”で”気軽”に相談できるサプライヤーのはずだが、印刷営業パーソンが、その役割を果たせるとは、少なくとも顧客は思っていない。顧客の悩みすべてのことに対応はできなくても、印刷会社が保有する多くの能力を活用することで役に立てることも多いはずだし、印刷会社を中継することで、安心して相談できるネットワークが広がる可能性があるはずなのに…、そのことに顧客は気づいていない。

3.本当に必要な費用なら何とか捻出する意志のある顧客は多い。
ビジネスや業務の悩みが解決できるなら、他の予算をやり繰りすることはできる…と多くの顧客は思っている。何故なら顧客は「重要」で「緊急」の課題を片づけたいからだ。
必要になった印刷物の発注の話ではなく、印刷物が必要になるもうすこし前段階で発生している顧客の悩みの相談先として、印刷営業パーソンを選んでくれれば、チャンスは一気に広がるはずだ…。

今こそ”人”による営業活動が重要な訳

[3つの理由]
1. 顧客の「潜在ニーズを顕在化」できるのは営業パーソンのチカラ…。
2. 顧客が「満たされないニーズ」をぶつける相手は営業パーソンだけ…。
3. 顧客担当者(人)は、営業パーソン(人)に”会う価値”があるはず…。

顧客は印刷営業パーソンとのコミュニケーションを望んでいないのではなく、単なる印刷物の発注だけなら介在しなくてもよい、無駄に多くの時間をかけずに仕事を済ませたいだけで、営業パーソンが介在しなくてもよいと思っているのである。しかしそれは営業パーソン不要論とは異なる。顧客は悩みを相談できる印刷営業パーソンとのコミュニケーションを望んでいる。その相手は印刷営業パーソンとは限らないが、取りあえずサプライヤーの中で印刷営業パーソンはもっとも近くにいるのも間違いない。そして顧客が悩みの相談相手として、印刷営業パーソンを指名するかは、印刷営業パーソンの日常の行動にかかっている。

今、印刷会社に求められる営業体制づくり

1.顧客と営業パーソンとの関係性の把握と改善
御社と重要顧客との取引関係は順調なのかどうかは、受注額の推移(結果)で評価しているのか? 重要顧客の担当者と自社営業パーソンとの人間関係は良好なのだろうか?
会社として把握しているか? どうすれば改善するか?

2.顧客との接点を増やす仕組みと仕掛け
引き合いをいかに増やすか? 受注案件をどう効率的に処理していくか? 重要顧客に対してどのように訪問頻度や接点を増やすか? 顧客接点で何をするのか? などのことについて会社は何をすべきか…

3.顧客接点での潜在ニーズ収集力とソリューション提案力
どんな顧客タイプに、どのような情報提供をすれば、ニーズ収集がしやすくなるか? 顧客の悩みを解決するための提案を、会社としてどのように教育・支援するのか?

4.顧客担当割り当ての全社視点での最適化
どんなタイプの顧客を誰(営業パーソン)に担当させるかを、自社都合ではなく、顧客中心に再配置するために、何が必要か?

まずは「営業の見える化」から

顧客から見て”実のある接点”を作るためには、会社が果たす役割が大変重要だ。個々の営業パーソンに「売上目標」だけを指示し、どんなタイプのどんなニーズを持つ顧客に、どんな情報提供をおこない、良好な関係を作り、どんな情報収集をし、どんな提案をし、需要を顕在化させ受注していくべきか…を任せっきりにして、結果としての売上金額だけを管理するだけで、後は放置しているとすれば、そんな印刷会社が成長できるとは思えない。
単純な印刷需要が減少し、顧客の悩みは多様化し複雑化する中で、”顧客接点の活性化”し、会社として持てる能力を結集し、何らかの解決策提案型の需要創造を目指すのなら、まず自社の営業パーソンの”思考と行動の見える化”から始めるべきだ。社内の制作現場や製造現場では、単位当たりのコストを設定し、作業時間を計測することで、「原価の見える化」による採算性向上の取り組みが当たり前のように行われているが、社外での活動である営業活動の「見える化」については、ブラックボックスのままであり、「営業の見える化」を実現しない限り、印刷業の成長ベクトルは上向くことは難しい。

                        田中 信一(株式会社ビジネスコミュニケーション研究所 代表取締役)

次回掲載予定
→「営業の見える化」シリーズⅠ-Ⅱ 『営業パーソンの思考の見える化』に続きます。


田中信一
株式会社ビジネスコミュニケーション研究所 代表取締役tanaka

【プロフィール】
■(社)日本経営士会認定経営士
■(社)全能連認定マスター・マネジメント・コンサルタント
■ハーマンモデル認定ファシリテータ

1956年生まれ、福井県出身。専修大学経済学部経済学科卒業後、株式会社桜文社(印刷業)入社。印刷営業や制作ディレクションを経験後、1989年に株式会社ビジネスコミュニケーション研究所設立。
印刷産業を中心に全国で講演、営業関係研修、コンサルティングを行っている。指導内容として「営業活動支援コンサルティング」「中・長期経営計画および年度経営計画の策定・実施コンサルティング」「営業管理職再生講座」「プロジェクト管理術」「営業革新」「業態変革」など多数。
■著作 
『消費・商品トレンド93-94』船井総合研究所刊(共著)、『こころときめく営業楽(学)1,2』日本印刷新聞社刊、『創注営業  実践バイブル』他がある。