「印刷営業の基本と実務」を学び変化に対応できる営業パーソンを目指す

掲載日:2020年6月16日

現代の印刷営業に求められる役割や知識は、かつての印刷物がメディアの王者であった頃から大きく変化してきたと言える。しかしながら、普遍的な基礎と実務のノウハウがべースにあってこそ、変化に対応できる有能な営業パーソンとして活躍できるのではないだろうか。

大量生産、大量消費の時代に、マスマーケティングにおける最も有効な手段の一つであった印刷物の受注において、“御用聞き営業”と言われようが仕事が豊富にあったのは事実であろう。
その頃でも将来を見据えて、印刷業がソフト・サービス化へと業態変革しなければならないと盛んに言われ、印刷営業も「新規開拓」「提案営業」が強く求められるようになっていたが、なかなか旧来の営業スタイルから脱却できないままにに20年以上経過したのではないだろうか。
しかしながら本当に意識改革の必要に迫られ、新たな営業マインドの重要性を実感するのは、インターネットの台頭以降、デジタルメディアの進展に伴うマスマーケティングの崩壊まで待たなければならなかった。印刷物はメディアの王者から「One of Them」となり、費用対効果が強く求められるようになると、御用聞き営業では通用しなくなってしまったからだ。

顧客のビジネスに寄り添い、顧客が抱える問題解決のツールとしての印刷物を企画・提案するためには、これまで以上のコミュニケーション能力とともに、紙以外のメディアを始めとする幅広い知識やスキルが必要になってきた。
JAGATの新人営業向けの最も大きなセミナーは、先ごろ第48期を終了したばかりの「印刷営業20日間集中ゼミ」であるが、以前は「ゴリラ塾」と称し、30日間の集中講義で「見積書作成ができるようにします」ということがウリであった。多くの要素を含み複雑ではあるが「見積もりができる」ことが印刷営業に求められる最重要なスキルであったのだ。「20日間ゼミ」となって、見積もりも含む体系的な基本知識を学ぶとともにメインのテーマは実践力強化となり、印刷の提案に必要な、「ヒアリング」「プランニング」「企画及び提案書の作成」「販促ツールの作成」「プレゼンテーション」について、実際の顧客に対しグループワークでリアルに体験して学ぶことが主眼となっている。

時代の変化とともに印刷営業に求められる役割や知識も変化してきたのは当然だが、実は印刷営業の基礎と実務に関する普遍的な要素があり、これらを身に着けていないと、変化への対応も難しいのではないだろうか。
型を習得していなければ、つまり“型なし”では既存のスタイルから脱却する“型破り”な活躍もできないということだ。

印刷業界における営業教育の第一人者として著名な、BCIの田中信一氏が監修するJAGAT通信教育講座「印刷技術の基本と実務」において、最初に解説するのは「印刷ビジネスの魅力」である。それは、
1)あらゆる産業がお客様になり、個人まで含めこれほど顧客に恵まれた産業はないこと。2)一品一品オーダーメイドの印刷物は長期で継続的なお客様との取引ができること。3)お客様が抱える課題に接するという重要な外部サプライヤーであること。4)印刷物だけでなく、お客様の情報伝達の支援をする情報サービス業への展開が容易である。5)IT時代でも、情報を美しく見やすく正確に加工する技術を印刷で培った我々は、新たな伝達技術でも新しい価値を提供できる。
として、印刷営業こその魅力あるビジネスを担うクリエーターであると説いている。

そして、実務編においては「提案営業の進め方」「トラブル・クレーム対応」「与信管理」「新規開拓の進め方」といったノウハウの前提として、最初に「顧客との人間関係づくり」を重点的に解説している。
時代が変わり、ビジネスが変わり、印刷営業の役割や求められる知識が変わろうとも、その根本は印刷ビジネスの魅力を自らが肌で感じることにより、顧客に対し説得力を持ったコミュニケーションが取れること。その前提として信頼される人間関係づくりができること、といった点にあるということであろう。

営業力は経験に基づくさまざまなノウハウが大きくものをいうのも確かであるが、体系的に整理された基礎知識や実務ノウハウをきちんと学ぶ機会を持つことは意外に少ないかもしれない。
コロナウイルス禍の最中だからこそ、時間を学びに当てて有効活用されたらいかがであろうか。

(JAGAT CS部 橋本和弥)

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