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“デジタル×紙×マーケティング for Business”~JAGAT地域大会(JUMP)講演内容確定

インターネットの出現により、マーケティングにおいて革命ともいうべきデジタルシフトが起こっています。印刷業界はこうした現実にどのように向き合い、対応していくべきか。
JAGATは昨年来、世の中のデジタルシフトが進展する中で印刷のビジネスチャンスを切り拓くためには、デジタルVSアナログの二極対決路線ではなく、マーケティング情報と印刷の連携・融合が必要であるとし、“デジタル×紙×マーケティング”をスローガンとして掲げています。

今回のJUMPでは、このテーマをさらに追及し、“デジタル×紙×マーケティング for Business”にバージョンアップさせ、よりビジネスに直結させて“飯のタネ”となるよう、豊富な実践例を交えて情報提供するとともに、新たな印刷の成長戦略を考える場として展開いたします。

 

2019年度JAGAT地域大会(JUMP)

 

その第一弾として、JUMP東北2019&ジョイントセミナーを、9月5~6日に宮城県印刷会館にて開催。参加受付をを開始しました。

(JAGAT CS部JUMP事務局)

 

JAGAT東北地区の集い
JUMP東北2019&ジョイントセミナー
2019年9月5日(木)~ 6日(金)開催
会場:宮城県印刷会館

 

主催:公益社団法人 日本印刷技術協会 協力:東北地区印刷協議会

JUMP東北企画推進メンバー(敬称略・氏名五十音順)
 大風 亨[(株)大風印刷]/斎藤 誠[川口印刷工業(株)]
 佐久間 信幸[(株)日進堂印刷所]/澤田 義治[不二印刷工業(株)]
 大門 一平[秋田印刷製本(株)]/針生 英一[ハリウコミュニケーションズ(株)]

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JUMP東北2019
 “デジタル×紙×マーケティング for Business”

■開催日時:9月6日(金)13:30~16:50

■対象:印刷業および関連業の経営者、幹部社員、幹部候補、リーダー

■開催プログラム:

開会の辞
13:30~13:35
JUMP東北企画推進メンバー代表
ご挨拶
13:35~13:45
塚田 司郎 JAGAT会長/錦明印刷 代表取締役社長

JAGATからの報告

13:45~14:25

「印刷ビジネスの最新動向2019」 
解説:藤井 建人 JAGAT研究調査部部長 主幹研究員

印刷ビジネスの最新動向を産業・市場・メディア・経営の4視点からデータで捉えるとともに、印刷ビジネス周辺のトレンドについても合わせて解説、印刷業界と印刷経営の将来を考えます。

Coffee break 
14:25~14:55

名刺交換、飲み物、茶菓子など

特別講演

14:55~16:15

「実践!デジタル×紙×マーケティング
  ~今こそ印刷ビジネスの新たな利益の源泉を発掘しよう」

講師:本間 充 氏 アビームコンサルティング/アウトブレインジャパン 顧問

デジタル×紙×マーケティングの必要性は、理解されました。では、この領域に展開する場合、どのような事業があるのでしょうか?また、広告主、事業主は、現在の印刷・紙で、できることをきちんと知っているのでしょうか?      広告主、事業主と向き合うことで、「デジタル×紙×マーケティング」はどの印刷会社もできます。そのヒントとアイディアについて、豊富な事例を交えながらお話ししていただきます。

<主な内容>
(1)復習「デジタル×紙×マーケティング」
(2)デジタル×紙×マーケティング実践例
(3)問題は、印刷会社にも、お客様にも
(4)未知・未踏の領域「デジタル×紙×マーケティング」

総括
16:20~16:50

本間 充 氏 × 郡司 秀明 for Business
JAGATが提唱する“デジタル×紙×マーケティング ”の本質とは何かをJAGAT専務理事の郡司が解説しつつ、本間氏との対話を通じて、今後の印刷業界が利益を生み出すために何をすべきか、進むべき方向性について展望します。

※記載内容は諸般の事情により変更される場合がございますので、予めご了承ください。

■会場:宮城県印刷会館
仙台市宮城野区扇町3-9-12 TEL022-284-7586

■参加費:JAGAT会員、東北地区印刷協議会傘下組合員: 1名様6,480円(税込)

 

 

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JUMP東北2019ジョイントセミナー

 第1部:「印刷業界の人材活用と活躍事例
    ~女性、シニアの活躍には、どうすれば良いのか?」
第2部:「印刷トップセールスマンへの道
    ~中長期的に結果を出し続けるために~」

■開催日時:9月5日(木)13:00~18:00(1部:13:00~15:00/2部:16:00~18:00)

■対象:  
1部 経営者、各部門管理者・リーダー、女性社員全般など
2部 営業担当リーダー、営業部門管理者、経営者など

■開催プログラム:

第1部13:00~15:00

「印刷業界の人材活用と活躍事例
   ~女性、シニアの活躍には、どうすれば良いのか?」

講師:戸谷 有里子 氏 Sorriso(ソリーゾ)代表

印刷業界では「いい人材が採用できない」「リーダーになる人材が育たない」など多くの声が聞かれるほど、人材確保や育成に向けた取組が大きな課題になっています。さらに、従業員の高齢化、人手不足も顕著になっています。そのような環境のなか、印刷会社に合った働き方、女性やシニア活躍推進など必須項目になりました。
本セミナーは、印刷営業を長年務めた女性講師による、印刷業界のための人材とは何か、そして女性、シニアのより活躍できる環境づくりのための具体策などポイントを解説します。「自社でもできるかもしれない!」その一歩が将来を決める取り組みです。

<主なカリキュラム>
1.印刷業界の現状~脱却のカギ  2.女性活躍推進の考え方と具体例
3.シニア活躍推進の考え方と具体例  4.新たなステージへ導く社員育成

第2部 16:00~18:00

「印刷トップセールスマンへの道~中長期的に結果を出し続けるために」
講師:戸谷 有里子 氏 Sorriso(ソリーゾ)代表

お客さまのコスト意識も厳しくなり、価格競争も激しさを増す傾向です。しかし、単に低価格を売り物に受注を増やすことは企業にとっても業界にとってもマイナス面は大きくなります。この厳しい環境下において、企業にとって営業は付加価値の源泉です。既存顧客を減らさず、売上確保への対策が必須であり、営業力の強化は欠かせません。本講座は、一時的な結果ではなく、中長期的に結果を出し続ける営業力強化法のポイントを、印刷業界で高実績を積み重ねた経験・実績豊富な講師が分かりやすく伝授します。

<主なカリキュラム>
1.セールス成功に必要な13の要素 
2.セルフナレッジ(セルフウェアネス):振り返り、現状の把握
3.右肩上がりの波(売上)を作る戦略
4.新規開拓の心得、秘訣
5.キャパシティの広げ方

  ※記載内容は諸般の事情により変更される場合がございますので、予めご了承ください。

■会場:宮城県印刷会館
仙台市宮城野区扇町3-9-12 TEL022-284-7586

■参加費:
 ●JAGAT会員、東北地区印刷協議会傘下組合員
第1部、第2部ともに:各7,560円(お一人様/税込)
●一般(非会員・非組合員)
第1部、第2部ともに:各10,800円(お一人様/税込)

 

JUMP東北2019&ジョイントセミナー参加申込要領

■お申込方法:
申込欄に必要事項をご記入の上、そのままFAXにてお申込みください。お申込みと同時に参加費をお振り込みください。お申込確認後に、参加票を送らせていただきます。
*お申込み後の取消はお受けできません。恐縮ですが代理の方の参加等でご対処ください。

● 振込先・・・・・・・・宮城県印刷工業組合
● 口座・・・・・・・・・七十七銀行 東卸町支店(当座)5013968
● お申込み締切日・・・・2019年9月2日(月)
● 内容問合せ先・・・・・日本印刷技術協会JUMP事務局 03-3384-3112

 

人材育成の早道~JAGATエキスパート資格試験 申請受付開始

本日(6/25)より8月25日(日)に実施する第52期DTPエキスパート認証試験及び第28期クロスメディアエキスパート認証試験の申請受付を開始した。
これからの時代は設備ではなく人材への投資が必須といわれる中、目的にかなった知識やスキルを効率よく学べる資格試験は、今求められる人材育成の手段として有効かつ早道であると言える。

JAGATはシンクタンクとして業界の将来を展望し、方向性を示唆し、その方向に沿った具体的な施策講ずるという使命を負っており、また教育機関としてそれらが定着すべく様々な手段を通じで人材育成に貢献していかなければならない。
その、一つのソリューションがJAGAT資格認証制度である。

DTPエキスパートは、25年以上にわたって日本のDTPの定着と標準化を促し、そのカリキュラムは印刷業界の教育のスタンダードとなったと自負している。カリキュラムは2年ごとに改訂し続けており、印刷技術の基礎知識、色や文字組版、画像の知識から現代のビジネスに欠かせない新しいテクノロジーやコミュニケーション関連の知識を網羅している。
したがって、印刷および関連業界に携わる人が基本的に身に着けるべき学びの集大成となっており、入社3年目くらいまでに取得を目指すことをお勧めしている。
印刷会社を顧客とするメーカー・ディーラーの人たちが、印刷業界の共通言語を学ぶべく取り組む例も多い。

クロスメディアエキスパートは、業界が新しい方向へ踏み出す道筋として、印刷の新たな付加価値生み出すとともに印刷メディアが置き換わっていく先のメディア戦略のコーディネーター育成を目指している。
例えば印刷をマーケティング情報と連携させ、デジタル技術との掛け合わせによって新たな印刷会社のビジネスを開発していく、つまり、JAGATが昨年来標榜する“デジタル×紙×マーケティング”を具現化できる人材を認証する制度である。

教育手段としての資格受験が、効率的で明確な学習効果をもたらす早道であると考えられる理由は、

1)カリキュラムにより学びの範囲、目標が明確になっている
資格試験であれば公開されているカリキュラムに試験範囲が明示され、どのような知識、スキルが求められているか理解できる。そしてカリキュラムはJAGATの研究調査活動を通じて、時代の変遷とともに業界にとって必要な人物像、求められる役割を集約したものである。

2)学習期間の設定が容易
年に2回の試験日が決まっているので、メリハリの効いた、あるいは集中的な学習が可能である。ダラダラと時間を無駄にすること無く効率的な学習機会が得られる。

3)さまざまな学習ツール、機会がある
受験対策用に各種参考書やセミナー、通信教育、模擬試験問題などが用意されているので、それぞれの理解度、進捗度に応じて学習方法を組み合わせることが可能。

4)試験により達成度、学習成果が明確化される
試験結果は評価の全てではないが、合格という明確な判定はやはり達成感と今後のモチベーションにもつながり、たとえ不合格であっても次のステップ(どうすべきか)が理解しやすいであろう。

両資格とも試験日まで約2か月ある。集中的に取り組むのであれば今からでも決して遅くないので、興味のある向きはJAGAのホームページから資料請求をしてみてはいかがだろうか。

(JAGAT資格制度事務局 橋本)

<関連情報>
第52期DTPエキスパート認証試験(8月25日) 申請受付開始 
 6月25日~8月5日(締切)
 
第28期クロスメディアエキスパート認証試験(8月25日) 申請受付開始 
 6月25日~8月5日(締切)


“デジタル×紙×マーケティング”を具現化する人材育成手段としてのエキスパート資格

JAGATが主催するDTP、クロスメディア両エキスパート試験の受験者の過半数は、企業としての取り組みでありその目的は資格ではなく人材育成である。

昨日(5/27)、3月に実施した第51期DTPエキスパート認証試験および第27期クロスメディアエキスパート認証試験の合格者をホームページで発表した。これで通算の合格者数はDTPで23096人、クロスメディアで1323人となったが、彼らの大半を占めているのは所属する企業の教育の一環として資格に挑んだ方たちである。
ただし資格取得はあくまで手段であり、目的は人材育成である。では今、印刷会社はどんな人材を目指して教育の方向を定めているのか、また定めるべきなのだろうか。

印刷業界がおかれている状況は、インターネット、メディアの多様化、デジカメ、モバイル端末の普及により生活者の行動も激変してきたこともあり、経済が好転したとしても、印刷物そのものの需要は回復しない。これまで印刷内で収まっていた顧客ニーズが多メディア展開に変わる、いよいよそのギャップを埋める人材が必要になってきたということである。
変化する顧客のビジネスニーズに呼応して、新たな印刷ビジネスを展開するためには、顧客志向でソフト・サービス化への対応、川上指向、知力・感性、マーケティングのノウハウ、そしてなにより信頼を得るためのコミュニケーション能力が必要となる。印刷業界にとって、人の能力に左右される事柄が現場から対顧客窓口に移行するという大転換である。

こうした現状を背景に、JAGATでは昨年来“デジタル×紙×マーケティング”をテーマとして掲げ、これからの時代に印刷の付加価値を高め、新たなビジネスを開発していくためには、印刷をマーケティング情報と連携させ、デジタル技術(データ、印刷機、メディア) との掛け合わせが必要があると訴えてきたが、今年度はそれをより飯のタネ(商売として利益を上げる)にすべく“デジタル×紙×マーケティング for Business”というスローガンにバージョンアップさせた。
したがって、JAGATのエキスパート資格も“デジタル×紙×マーケティング”をビジネスとして具現化できる人材を育成するという方向に明確に向かっている。

DTPが当たり前になった現代。DTPエキスパートは印刷・メディアに携わる人がまずベース知識として取り組むべきカリキュラムになっている。そのカテゴリーはDTPに関する知識はもちろん、印刷技術全般知識、色の知識、情報システムに加え、コミュニケーション関連知識に及んでいるため、印刷・メディア関連業界に携わる人であれば職種を選ばず誰もが入社3年目くらいまでに取得を目指してほしい。

顧客ニーズの多様化に応える能力とその人材育成が求められる中。クライアントに向き合い、彼らが望む結果を導くためのコミュニケーション戦略を構築できる人材を目指しているのがクロスメディアエキスパートである。クライアントの課題を抽出、分析し、単一メディアではなし得ないソリューションを提案するための知識と能力を養うための資格制度になっている。

今後の印刷ビジネスは「もの造り」から「こと創り」へと向かわざるを得ない。「もの」は設備でできるが「こと」は人から生まれるもの。製造業的発想からの意識転換が必須である。
「印刷物を造る」ということと「ビジネスを創る」ということでは教育の質も違ってくる。いずれにしても、人への投資、人材育成こそがこれからの企業の未来を切り拓く源泉である。早急に取り組むためには、資格制度の活用が有効と考える。

(CS部 橋本 和弥)

第52期DTPエキスパート認証試験
【開催日】2019年8月25日(日)
【申請受付期間】2019年6月25(火)~2019年8月5日(月)

第28期クロスメディアエキスパート認証試験
【開催日】2019年8月25日(日)
【申請受付期間】2019年6月25日(火)~8月5日(月)

『未来を創る』~“デジタル×紙×マーケティング”

今年度のJAGAT大会、JAGAT地域大会(JUMP)の日程が確定した。昨年JAGATでは、世の中のデジタルシフトが進む中で新たな印刷のビジネスチャンスを切り拓くためには、マーケティング情報(データ)と印刷の連携が必要であるとして、“デジタル×紙×マーケティング”をスローガンに掲げ“JUMP”を皮切りに“夏フェス”“JAGAT大会”“page2019”と様々なイベントを開催してきたが、引き続きこのテーマを追求し、よりビジネスに直結させて“飯のタネ”となるよう展開していく予定である。

JAGATが『未来を破壊する』(2012年)で話題となったジョー・W・ウェブ博士の新刊『未来を創る』(原題:『THIS POINT FORWARD』、共著:リチャード・M・ロマノ)を翻訳出版したのは2015年4月である。
そこでは、未来を創るためには「印刷物への愛や優位性を語ることはやめよう(印刷へのロマンスは捨てよう)」、すなわちマインドリセットの必要性が強調されていた。
インターネットの出現により、マーケティングにおいて革命ともいうべきデジタルシフトが起こっているのにもかかわらず、印刷会社は他人事ととらえ、彼らマーケッターすなわち現実の印刷のクライアントたちと会合も持たず会話もしていない、と問題提起されていた。印刷業界はマーケティングの変化をしっかり理解しなければならず、例えばマーケティングオートメーションサービスを提供する会社名を知らないのであればプロではない!とまで断言していた。

そこで2015年、JAGATは『未来を創る』で示された新たな知見やヒントを、業界の未来を真剣に考えるツールとして各地の地域大会等を通じて議論を重ねたが、その時点では「あまりピンとこない」「印刷業界には縁遠い話だ」などの感想も多く、我々も正直に言って「しっかり皆さんの腹に落ちているな」とは思えなかった。
ただし『未来を創る』に「印刷は目的であって機能ではない・・・それははじめからそうだ、しかし我々はやっとそれに気づいた」とあるように、“お客が求めているのは印刷物ではない”ということは様々な場所で語られるようにはなっていた。これはまさにマーケティングのもっとも有名な格言「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」そのものではないか。

ということでJAGATではその後も印刷とマーケティングの連携の重要さについて旗を振り続けてきた結果、今年のpage2019で最も人が集まったセッションが基調講演の「実践!デジタル×紙×マーケティング」である。いよいよ機は熟したと我々も手ごたえを感じている。

以上を踏まえて、今年のJAGAT地域大会(JUMP)では、花王においてばりばりのデジタルマーケッターであった本間充氏(アビームコンサルティング)をメインの講演者として招き、マーケッター(印刷発注者)視点から新たな印刷の付加価値の可能性等について講演いただく。
本間氏によれば「データに紐付いてデジタル印刷機から出力される印刷物はすでにデジタルメディア」であり、そもそも「生活者はデジタルかアナログかなど区別していない」そして問題は「デジタルマーケッターはまだまだ今のデジタル印刷で出来ることを知らず、また印刷業界もそれを彼らに訴求できていない」と言う。印刷会社の今後の新たなビジネス展開に向けて、間違いなく興味深いお話が伺えるであろう。

なおJAGAT大会2019(10/23 椿山荘)には、すかいらーく創業者の一人であり外食産業のカリスマとも言われる横川竟(きわむ)氏にご登壇いただくことが決定した。近年、高倉町珈琲をチェーン展開し、シニア世代の人材活用で業績を伸ばすなど、81歳にして現役バリバリの氏の経営哲学を伺える機会として是非ご期待いただきたい。

(CS部 橋本 和弥)

<2019年度JAGAT大会、JAGAT地域大会(JUMP)日程>

・JUMP東北2019(宮城県印刷会館/仙台市宮城野区):9月6日(金)
・JUMP中国・四国2019(アドバン@貸し会議室/広島市中区):9月27日(金)
・JUMP九州2019(福岡印刷会館/福岡市博多区):10月19日(土)
・JAGAT大会2019(椿山荘/文京区):10月23日(水)
・JAGAT近畿大会2019(太閤園/大阪市都島区):11月29日(金)
・JAGAT中部大会2020(名古屋市中小企業振興会館/名古屋市千種区):1月23日(木)

テーマは引き続き“デジタル×紙×マーケティング”

去る1月24日、名古屋市中小企業振興会館においてJAGAT中部大会2019を開催した。7年連続で光文堂新春機材展「Print Doors 2019」に併催し、講演会には70名、懇親会には50名が参加した。

2010年からスタートし、今回でちょうど10回目の区切りとなった中部大会は、企画推進メンバーを代表して(株)マルワ代表取締役社長の鳥原久資氏による開会の辞で幕を開けた。
「印刷業界はこの中部大会がスタートした10年前とは大きく様変わりしている。最近は多様性という言葉をよく耳にするが、情報にも多様性があると思っている。今日の様々な報告や事例発表の中で、皆様の会社には無い情報、もしくは今やろとしていることの一つの新たな気づきとなり、お役にたてれば我々としても幸いである」

続いてJAGAT副会長の網野勝彦(研文社 代表取締役社長)が挨拶に立った。
「名古屋でこうして同業の皆さんとお目にかかるのは15年ぶりである。当時、私自身を含め若手同士で名古屋コーチンをいただきながら印刷業界について熱く語り合った記憶がある。その頃、ちょうど印刷のデジタルシフトを進めており印刷には未来があると思っており、実際にデジタルによって生産性は大きく上がった。ただ、当社はそれを売価に転換できななかった、合理化貧乏になってしまったことが反省である。長年印刷を“モノづくり”としてやって来たが(今もそれが中心だが)、お客様が印刷をコストとみなすようになった。今まで情報産業として顧客ビジネスに寄与しているつもりが単に“モノづくり”ではそうではないと気付かされた。あらためて魅力ある印産産業にしていくために“コトづくり”にシフトしていかなければならない。そのためにJAGATがテーマとして掲げている“デジタル×紙×マーケティング”という考え方を取り入れていこうと思っている」

中部大会のメインプログラムにはフュージョン(株)代表取締役会長の花井秀勝氏を招き「新印刷・マーケティングとクロスメディア対策~デジタル経済時代における新たなる印刷業界の課題を解決する」と題し特別講演を行った。
「世の中のデジタルシフトが進む中で、重要になってくるのがマーケティング情報と印刷をどのように連携させるかである。また、個人情報保護法や銀行法の改正もあってビックデータ・クライアントデータなどのデータベースの活用も重要となった。これらは業界にとって大きな課題ではあるが、そこで新しい印刷ビジネスのビッグチャンスも生まれる。印刷会社の業務範囲も拡大できる可能性が出てきている。今日はその対策と課題を解決すべく、新たな印刷製品・顧客識別DM・クロスメディア・契約関連などの成功事例を具体的に紹介する」として、データを基に対象顧客の属性分析をした上で、運転席を実物大で見せるカタログで成功した車販売DMや、おせち料理を原寸大で掲載したチラシで販売数を飛躍的に伸ばした例。大学の受験者数を拡大するために展開したクロスメディア戦略など、豊富な実例を数多く示して解説した。
さらに、基本取引契約書、機密保持契約書、個人情報取扱契約書など各種契約書の重要性も強調し、デジタル経済で世の中が変わり、顧客が変わる状況において、社内制度や体制と共に意識改革の必要性を説いた。
最後に「様々な対応に迫られ課題も山積みだが、本当に印刷業界は面白い」の言葉で締めくくった。

次年度もJAGATの今年度共通テーマである“デジタル×紙×マーケティング”をバージョンアップさせ、JAGAT地域大会(JUMP)は継続していく所存である。

(CS部 橋本 和弥)

『みんなの印刷入門』が出来ました!

JAGATは、最新の技術情報、ビジネス環境に対応した新たな印刷入門書『みんなの印刷入門』を発刊しました。

長期にわたって印刷の入門テキストとして愛用されてきた『印刷入門』(JAGAT刊)があります。ただ、最近の印刷を取り巻く環境の変化は目覚ましく、技術もビジネスも大きく進化してきたため、現在では時代にそぐわない面もでてきていました。
そこで、JAGATでは『印刷入門』の内容も体裁も刷新することとし、業界の第一線で活躍する各分野のエキスパートによる「新・印刷入門制作委員会」を立ち上げ、現代に相応しい印刷の入門書は、どのようなコンテンツをどのように表現すべきかなどについて議論を重ねてまいりました。
そして、オールカラーでテーマごとに見開きでレイアウトし、視覚的で理解しやすい豊富なイラストや写真を使って、読む人が具体的にイメージしやすい本にしようというコンセプトを決めました。
さらに、あえてデジタル印刷を採用することで「印刷する(増刷)際は新版(改訂版)で出していく」という方法に取り組むことにしました。進化する印刷の世界に即対応していくことで、インターネットのように、紙でも常に最新情報を得られる本にしようというチャレンジです。

そしてこのたび、『みんなの印刷入門』という親しみやすいタイトルで完成、発刊の運びとなりました。
印刷、DTP、製版、製本・加工の基本知識から、印刷を支える技術、資材等についても一冊で学べる本書は、
1)印刷業界に入った新入社員の方、教育担当者の方
2)最新の技術ワード、事例を学びなおしたい現場・営業の方
3)関連業界で印刷のことを楽しく学びたい方
4)印刷のことを知りたいすべての方にお勧め、必携のテキストです。

本書で印刷に関係・関心ある「みんな」が、印刷のことを好きになっていただけるものと確信しております。

図版でよくわかる!『みんなの印刷入門』
B5判オールカラー128ページ
定価2,200円+税

2019年3月15日初版第1刷発行
編・著:『みんなの印刷入門』制作委員会
企画・編集・発行:公益社団法人 日本印刷技術協会

JAGAT Book Store

DTPエキスパートとは?~第51期DTPエキスパート認証試験 申請受付締切迫る(2/22)

エキスパート(Expert)を日本語訳すれば、「専門家、達人」などと表現されますが、当制度はDTPの専門家、達人を作るための制度ではありません。DTPが達人芸を要求する現状は過渡的な状況で、本当に必要なエキスパートとは、印刷物をつくる役割分野でのエキスパートのはずです。

上記はJAGATがDTPエキスパート認証試験を開始した当初、その案内パンフレット「受験の手引き」の冒頭にあった記述である。
続けて以下のように説明している。

デザイナーはあくまでデザイナー、エディターはあくまでエディター、プリンティングディレクターはあくまでプリンティングディレクターなのです。それらの人がDTPの知識を広く、正しく理解したうえでお互いにうまくパートナーとなることが目的です。

当時、DTPという新たな制作環境の出現によって、従来の伝統的な製版・印刷業以外の多くのバラバラの出自の人が、これまでの領域を超えて印刷物製作に直接かかわるようになって来た。そのため、DTPの正しい知識を持って、それぞれが持っている大きく違う文化的風土のギャップを埋め、よい印刷物の実現に向けて、制作環境やコミュニケーション作りを行うテクニカル・スーパーバイザーの養成が急務となり、その役割を担う者としてDTPエキスパートを想定し、カリキュラムを編成した。

それから四半世紀が経過し、DTPを取り巻く環境も大きく進化した。さらには社会が求める印刷の役割も変化して来た。
DTPが当たり前になり、当時のようなトラブルもなくなってきた。機械やソフトの進歩は様々な自動化やスキルレス化をもたらし、デジタル・ネットワーク社会の発展によって文化風土のギャップも小さくなってきたと言えるだろう。
そしてその頃は、DTPエキスパートの最終成果物は紙の印刷物であると言えたものが、そうはいかなくなってきたのだ。「正しい知識」がなくとも何とかなる時代に、DTPエキスパートの役割はもう終わったのだろうか?

いや、我々はグラフィックアーツ業界のプロであることを再び自覚しなければならない。
先日のpage2019での資格セミナーや対策講座でお馴染みの石塚講師がいつも言うのは「携帯電話のディスプレイに表示される文字組がばらばらになっているのは致し方がないが、それをキャプチャーしたままパンフレットとして印刷にするのは、プロとして許してはいけない」ということである。
プロはこうした評価がきちんとできるということであり、そうした人がいなければこの業界の将来は暗く、大げさに言えば文化の継承もままならないのではなかろうか。


1993年の初版発行以来、改訂を重ねてきた「DTPエキスパートカリキュラム」(第13版/2018年11月)には、印刷ビジネスの動向と展望をふまえ、今の時代にプロとして必要な正しい知識が集積されている。印刷物制作に留まらない周辺ビジネスとの連携をも視野に入れている。DTPエキスパートには新たに担うべき役割があるのである。

25年前の「受験の手引き」の記述の最後は「方向を見定める知識を持とう!」として以下のように結んでいる。

理想のDTPのモデルを追い求めるのではなく、まずは現実世界の問題解決に取り組まなければなりません。しかし現実は流動的であり、あまり目の前の事象に囚われると方向を見失ってしまいます。日々の努力が蓄積されて着実に前進できるような、中期的ロードマップを持たなければなりません。つまり時代に左右されない戦略で、時代に切り込む戦略を建てるのです。そのために、もともと印刷物を何のために作ろうとしていたのかを探り、よい印刷物とはどういうものかを理解し、それを最も効率よく作り出す制作環境を計画できる能力が必要です。

「もともと印刷物を何のために作ろうとしていたのかを探り」、「よい印刷物というものはどういうものかを理解し」とは今の時代においてもなかなか示唆に富んだ言葉ではないであろうか。

(CS部資格制度事務局 橋本和弥)

【関連情報】
第51期DTPエキスパート認証試験(3/17) 申請受付締切 2月22日(金) 
第27期クロスメディアエキスパート認証試験(3/17) 申請受付締切 2月22日(金)

Web制作案件できちんと利益を上げるために必要な正しい見積と契約書の作成

印刷で培った強みを活かし、Webを受注する。そしてきちんと利益を上げていくためには印刷営業とはちがった勘所を押さえる必要がある。

Web制作ビジネスには多くの印刷会社が取り組んでいるが、決してハードルは低くはなく、必ずしも成功したり期待通りには利益が上がっていない現実も見受けられる。 特に、現場の営業がWeb制作受注営業のノウハウをつかめないままに苦労している状況では、印刷の付帯サービス(おまけ)として格安で受注してしまう可能性もあるであろう。 さらに、正しい見積と契約書の重要性をきちんと理解していないと、利益を確保できないだけでなく大きなリスクを背負ってしまうこともある。

JAGATのセミナー講師や、印刷会社におけるWebビジネスを支援するコンサルティングを手掛けるとともに、Webをはじめとする全方位のクリエイティブで企業をサポートするブライ・プロジェクトの代表を務める布施貴規氏は、印刷会社がWeb事業に取り組みにあたって、以下のようなアドバイスをしてくれた。

「Webの世界は確かに難しく、多くの知識や技術が必要となる。しかし営業として成果を上げるためには、まず勘所をしっかりと押さえておけばよりスピーディーにWebを受注していくことができる」

「テクニカルな知識を学んでからでは、変遷のスピードも印刷に比べて早く機会を損失する。ただし詳細な知識は実務の中で身につけて行けばよいが、基本のアウトラインを知らないと顧客の信用を失い、トラブルの種になる」

「社内外に一気通貫で問題なくWebを制作・運用できる体制を確保する。制作体制とリスクマネジメントがWebセールスの要」

「見積もりを正しく読めるとともに利益を獲得できる見積もりを書けるようにする。Webに関しては営業独断で要件を変え、コストはそのままということは絶対にしない。どんなに顧客の要望でも見積元と相談の上、決定する」

「顧客の方が立場が強く、見積書や契約書に明記がない限り、有責とされる。もしくは泣き寝入りするケースが多いのであらゆる可能性を抽出し、責任の所在、請負範囲を明確にすることが重要」 など・・・。

そこで、上記のアドバイスに対し具体的な知識や手法を得るために、今回のpage2019セミナーでは布施講師に登壇いただき、営業が最低限知っておかなければならない「Webの基本知識」「案件を遂行する制作体制の組み方」および「リスクを事前に回避する見積書と契約書の重要性」について学び、Web事業の成功を目指すための講座を企画した。 まずはWebの要所を押さえる学び方を知り、Web案件をスマートに遂行するチームのあり方を考察し、Web案件に潜むリスクを知り、その回避術を学ぶ。

【S14】ここを押さえておけば大丈夫!Web受注の勘所 ~利益を上げる正しい見積と契約書の作成~:2月8日(金)13:00~15:00

(CS部 橋本 和弥)

 

■page2019セミナー紹介ページ  →http://www.page.jagat.or.jp/cms/topics/seminar

pageセミナーは「今」抱えているさまざまな課題解決のヒントや、すぐに役立つスキルを身につけることが目的となる。page2019ではノウハウの取得とスキルアップを目指し、16本の多彩なテーマを取り上げる。

・基調講演https://page.jagat.or.jp/cms/topics/keynote

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まだ定まった答えのない未知の技術やビジネスの可能性をテーマに、第一線の識者たちが活発な議論を繰り広げる。特にpage2019では、これからの印刷経営を支える技術・サービスの重点キーワード、デジタル印刷、マーケティング、AI・RPAなど自動化、動画、収益改善、地域活性・地方創生をベースに12企画を用意した。

page2019:2月6日(水)、2月7日(木)、2月8日(金)

「JAGATエキスパートDAY」12月21日開催

“印刷メディアの強みを活かして新たな価値を生み出す人材”をテーマに、エキスパート資格イベントを開催いたします。
広くメディアビジネスに関わる方々にご参加いただけるセミナー、展示等で構成する、いわばJAGAT Summer Fes(夏フェス)に続くJAGATの”場”のご提供です。
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