フリーペーパーは地域メディアとして再評価されているが、地域外や業界外で知られる機会は少ない。印刷会社が地域社会のため主体的に発刊していることはもっと広く知られて良い。 続きを読む
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第7回フリーペーパー調査~印刷会社の地域社会における役割
フリーペーパーは地域メディアとして再評価されているが、地域外や業界外で知られる機会は少ない。印刷会社が地域社会のため主体的に発刊していることはもっと広く知られて良い。 続きを読む
ツーリズムEXPO初の大阪開催に寄せて、工場・産業を観光資源に!
ツーリズムEXPOは、来たる10月下旬に初めて大阪で開催される。全国の地方創生・地域活性化が集結するイベントとして注目度が高い。会場は人と印刷物などの媒体で埋め尽くされる。工場見学など産業を観光資源に生かす手法についての事例紹介も展開される。
地域活性化のフィールドワーク
地域と企業の両方を同時に活性化する手法に産業観光がある。そしてこの取り組みを印刷会社が主導する場合が見受けられる。工場見学をマーケティングに活用、あるいは地域の観光資源に活用する潮流も生まれている。実際にどうすれば良いか、実地の勉強会を行った。
地域活性化のフィールドワーク
業界内外から、全国からの多彩な11名で、台東区南部を舞台に開催された「モノマチ」の視察ツアーを行った(19年5月24日)。地域活性化に関心の強い有志の発案から成立した企画である。趣旨は、モノマチを見学しながら、まちづくりと企業の関わり方、地域活性と地場産業活性の両立のあり方を考えること。台東区南部の約2キロ四方には、財布・バッグ、神・仏具、玩具・文具・人形、繊維・手芸など多様な産業がかつてほどではないがひしめく。前実行委員長である望月印刷の田中一博氏とJAGAT研究調査部がガイドを務め、主要な拠点に立ち寄りながら見学して説明に耳を傾け、議論しながら歩いた。
フィールドワークの対象とした台東区南部の特徴1
当日は11時に集合、休憩を挟みながら夜7時まで、最短の行程を組んだつもりだったが12キロ近く歩いた。今回フィールドワークの対象とした台東区南部は、いまや国際観光都市となった上野・浅草を擁する華やかな台東区北部と比べれば、対照的な中小零細企業中心の地味な商工業集積である。特に昭和50年代以降は、機械化による職人の減少、大手との競争、中国への生産移転などによって衰退の一途をたどっていた。
フィールドワークの対象とした台東区南部の特徴2
しかし現在は、モノづくりを中心にした産業の再興、デザイナーの流入によって変貌しつつある。要因はいくつかあるが、例えばインキュベーション拠点(台東デザイナーズビレッジ、2k540)の設置、業種横断的なプラットフォーム「モノマチ」の開催が挙げられる。減少した職人の代わりにデザイナーが住み着き、地場産業と結び付いて独自ブランドを生み出すようになった。空き家・空き工場がアトリエ兼ショップやコワーキングスペースに生まれ変わっていった。既存産業の横断的協力が進み、新規開業も増えた。まちにはこれまでになかった都会的なカフェなども目に付くようになった。これまでの地味な下町が洗練された雰囲気をも包摂するまちになったのである。
参加者による視察ツアーの感想
地場産業の不振に喘ぐ多くの地域にとって、変化の途上にあるまちのフィールドワークは参考になる。さらに「モノマチ」期間中は、工場やデザイン事務所の見学を通して企業の内実に触れられる。ツアー参加者は、長距離を歩きながらも疲れを感じさせずにモノマチを通して台東区南部から多くを感じ取ったようだ。「自分の地域でもやりたい」「イベントのクオリティが高い」「『産業を観光資源にする』という意味がわかった」「大いに刺激を受けた」「また企画して欲しい」などの感想が聞かれた。そして懇親会での意見交換は夜遅くまで続いた。
産業観光・産業ツーリズムの可能性
参加者側の勧めから有料で企画したが、早々と定員に達した。ツアー参加者が、見学先で地場産業製品を予想以上に買い物したことも主催者としては驚きと喜びであった。台東区南部に多少なりとも経済的な貢献ができた。今回はテストケースながら、産業を観光資源に活用することの事業可能性を実地に体験できたのも収穫だった。産業観光の定義は*「(略)生産現場および産業製品を観光資源とし、それらを通じてものづくりの心にふれるとともに、人的交流を促す観光活動をいう」。当然ながら、今回のような機会でもなければ観光地でもない商工業地帯に、遠方からわざわざ来て一日中歩くことなどない。産業観光を通して地域と企業の双方に良い影響を与えるあり方はないか、モノマチなどを参考に自地域での可能性を考えてみたい。
*産業観光推進会議(2014),『産業観光の手法』,学芸出版社
(JAGAT 研究調査部 藤井建人)
関連セミナー
6月11日(火)14:00~17:30
アニメを活かした地域活性化と事業展開
~聖地巡礼によるツーリズムと印刷会社の役割を事例に~
関連情報
地方創生/地域活性ビジネス研究
アニメを活かした地域活性化と事業展開 ~聖地巡礼によるツーリズムと印刷会社の役割を事例に~
聖地巡礼に注目が集まっている。アニメのファンが舞台となった場所を訪れる地域活性効果から、旅行会社やコンテンツホルダーも動いている。しかし、聖地巡礼の成功事例の多くは着地型観光であり、地域の積極性が不可欠である。地域社会でアニメ制作会社が先頭に立つのは現実的ではないため、地元を知り尽くし、地域でのメディア制作、発信を担当できる印刷会社にも商機がある。
本研究会では聖地巡礼の概論を理解すると共に、印刷会社がアニメコンテンツ事業に参入する際のポイントと強みについて実際のアニメコラボカフェの参入事例から考える。さらに、アニメ制作会社ピーエーワークスの作品『花咲くいろは』から北陸地域に実際にお祭りを創り出し、地域の持続的な発展に聖地巡礼を活かすアニメツーリズムの事例などから印刷会社の関わり方を考える。
関連記事:コンテンツで地域を潤す 聖地巡礼というビジネスチャンス
日時
2019年6月11日(火) 14:00-17:30
構成
【1】印刷会社による地域活性化の動向
講師: 公益社団法人日本印刷技術協会 主幹研究員 藤井建人
(2)まちづくり、産業ツーリズム事例
【プロフィール】
1995年から出版流通グループで経営企画。経営計画、経営分析、管理会計、M&Aなどに携わる。2003年からJAGAT。印刷産業・印刷会社の分析・地域活性化などの研究調査に従事。共著に「印刷白書」「印刷産業経営動向調査」「印刷会社と地域活性1・2・3」「『ニュース』は生き残るか~メディアビジネスの未来を探る」など。研究論文に「地域社会においてCSV/CRSVを実践するビジネスモデルとその成立要件」。
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【プロフィール】
村上直樹:福島出身、ソニー・ミュージックエンターテインメントにお笑い芸人“コレステくん”として所属。ひょんな事からDJOZMA専属のデブダンサーとして抜擢される。話題となった紅白歌合戦出演や、全国ツアーに3度帯同し活躍、DJOZMA引退後はスパイダメンとしてとんねるずのみなさんのおかげでしたに出演。その後、体調を崩しやむなく引退。保険代理店の法人営業担当として4年勤務、MDRT資格を取得。自身がどうしてもやり残したエンターテイメントの世界に携わりたいという思いからサイバーネットに転職し現在に至る
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【3】 地域に遍在するコンテンツの魅力~聖地巡礼から聖地創生へ~
講師: デジタルハリウッド大学 デジタルコンテンツ研究科教授 荻野健一氏
(1)聖地巡礼とは
(2)聖地巡礼の成功例
(3)地域への影響と今後の展開
【プロフィール】
1982年、稲垣デザイン研究所(現:稲垣アソシエイツ)入所。1986年、アートキャンディ入社。博報堂などで明治乳業、不二家、東京都等の商品開発や販売促進コンサルティングを担当する。2006年、デジタルハリウッド大学院客員教授就任。2011年同大学教授に着任。現在に至る。地域活性プロジェクトにも数多く携わり、豊島区トキワ荘協働プロジェクト協議会などに参加。2016年から地方創生のためのアニメによる聖地創生計画「聖地創生サロン」を主宰している。
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【プロフィール】
京都生まれ。京都での公務員、会社員生活を経て、2012年富山県南砺(なんと)市へ移住。地元印刷会社勤務を経て、2015年アニメ制作会社・ピーエーワークスの子会社、株式会社PAXへ。2016年に一般社団法人PARUSへ出向、地域とアニメをつなぐ企画立案に数多く携わる。2018年10月より代表理事就任。
※講演者が一部変更になることがあります。
会場
日本印刷技術協会 3Fセミナールーム(〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11)
参加費
一般:15,120円(税込)、JAGAT会員:10,800円(税込) 印刷総合研究会メンバー: 無料 [一般]2名まで [上級]3名まで [特別]5名まで →自社が研究会メンバーか確認したい場合は、こちらのフォームからお問合せください 。
申込み
WEBから
・Web申込フォーム に必要事項をご記入のうえ、ご登録ください。 登録後は完了メールが入力したメールアドレス宛に届きます。
FAXから
・申込書をプリントして必要事項をご記入の上、 FAX(03-3384-3216)でお申し込みください。 (印刷総合研究会メンバーの方は、別途送付の専用申込み用紙をご利用ください)
問い合わせ
内容に関して 研究調査部 印刷総合研究会担当 電話:03-3384-3113(直通)
お申込み及びお支払に関して 管理部 電話:03-5385-7185(直通)
第5回フリーペーパー調査~印刷会社の地域社会における役割
フリーペーパーは地域メディアとして再評価されているが、地域外や業界外で知られる機会は少ない。印刷会社が地域社会のため主体的に発刊していることはもっと広く知られて良い。 続きを読む
工場見学で企業価値と地域価値を創造する
印刷会社が発行するフリーペーパー研究を通じて
page2018では第4回となる印刷会社発行のフリーペーパー展を開催した。展示フリーペーパーは年々増えて過去最高の44紙誌。フリーペーパーは、地域資源の再発見、地域ネットワークの形成、記事制作能力の向上、自社保有能力の訴求など複合的な役割を持つことが多い。
地域デザインはオンリーワンのデザイン
全国各地で、デザインの視点で地域に活気をもたらすプロジェクトが進められ「地域デザイン」という言葉も使われるようになっている。最近注目された事例を通し、地域デザインを成功させるポイントを考えてみる。 続きを読む