店舗シェアリングサービスは何の課題を解決したか

掲載日:2020年1月15日

今までにない視点で新しいビジネスを生み出すスタートアップの事例は、新規事業に取り組みたいと考える企業にとって、着眼点やターゲット選定など参考になる点が多数あります。

解決したのは「店舗で売るには契約・準備が煩雑」という課題

店舗シェアリングサービスのSpaceEngineは、商品を販売したいメーカー・店舗側が持つ 「すぐに売りたい」「期間限定で売りたい」 というニーズを的確に掴んだサービスです。

従来は、店舗で商品を販売するには不動産会社との契約や什器・販売員の手配といった諸々の手続き・準備が必要で、多くの時間と費用がかかります。そこでSpaceEngineは、既に販売するためのリソースを持った既存店舗とマッチングする仕組みを作って、その課題を解決しました。

商品を「陳列して、売ってくれる」店舗はジャンルや立地も様々。書籍を販売するブックファーストやアイウェアを販売するメガネスーパーといった専門店もラインナップされています。売る側と売りたい側の条件が合えばOKなので、例えば「都内のブックファーストに行ったら、なぜか高級チョコレートを売っている」ということも。

製造メーカー側は「リアルな場ですぐ販売できる」ので、短期間だけテストマーケティング的に利用することもできます。販売する店舗側も、手数料収入が入るほか、新しい商材を獲得する助けになります。

オンラインのみで販売するECサイトや個人のクリエイターが持つ「リアル店舗で商品を売りたい。でも手続きはカンタンがいい。店舗契約してリスクを負いたくない」ニーズに応えるサービスになっています。

スタートアップ事例を自社のヒントに

page2020カンファレンス「【CM1】クロスメディアビジネスのヒント~コミュニケーションの課題を解決するクロスメディア」では、 既存ビジネスの枠にとらわれない思考や新たなアプローチで課題を解決した事例、多様なコミュニケーションを実現したモデルを取り上げます。

AR×AIで化粧の疑似体験をおこなうバーチャルメイク、「売りたい」と「売ってほしい」を繋げる店舗シェアリング、人柄や感情を直に伝えることができる音声配信、海外からの旅行客にスマホで商品情報を伝える多言語サービスを紹介。

世の中の課題を解決するために果敢にチャレンジするスタートアップの事例から、【世の中でどんなことが求められているか】や【新しいビジネスを立ち上げるヒント】を見つけます。

こんな企業が登壇します!

Payke(ペイク)
商品パッケージに元からついているバーコードをスマホやタブレットでスキャンするだけで、多言語でパッケージに収まりきらない商品情報を表示できるサービス「Payke」を運営。利用者にとっては自分の言語で商品情報を教えてくれる便利なサービス、メーカー側にとっては消費者へ自社商品の情報を手軽に多言語発信できるサービスです。

Voicy(ボイシー)
声のブログともいえる ボイスメディア「Voicy」 を運営するほか、スマートスピーカー向け音声コンテンツ配信など「音声」を軸にしたビジネスを行っている企業です。今、新たにユーザーとつながる手段としても注目されている音声コンテンツを多様な切り口でビジネスにしています。
・関連記事:スマートスピーカー時代に注目されるボイスメディア「Voicy」

スペースエンジン
「店頭で商品を販売したいメーカー・ブランド」と「新しい商品の販売を希望する店舗」をつなぐサービス「SpaceEngine」を運営。ネイルサロンや英会話教室、書店など、今までモノを販売していなかったようなところで商品を販売できるという売る立場としての新しい可能性と、大きな投資をしなくても商品を販売できるというメーカー側の可能性に注目しています。D2Cと呼ばれるリアル店舗を持たないオンライン専業ショップでも活用が増えています。
・関連記事:お客さんと直接つながりモノを売る「D2C」とリアル店舗の関係

パーフェクト
高度なAR(拡張現実)×AI(人工知能)で口紅、アイシャドウなどのコスメアイテムを試着できる「バーチャルメイク」技術を提供。大手化粧品メーカーやドラッグストアなどで採用されているほか、中国アリババとも提携を発表しています。BtoC向けのアプリは 累計約8億ダウンロードされており、進化系ARサービスとして注目されています。

【CM1】クロスメディアビジネスのヒント~コミュニケーションの課題を解決するクロスメディア
2月5日(水)15:45~17:45開催

新しい着眼点でビジネスを行うスタートアップ4社が登壇。各社事例を通じて新たな事業へのヒントを探ります