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2018年度印刷総合研究会イベント開催スケジュール

印刷総合研究会は、最新の技術・メディア・マーケットに関するテーマについて情報収集や事業可能性を追求する研究機関です。3部会から構成されています 月例研究会では部会ごとにテーマを選定、各界の第一人者を招聘して最新情報を提供します。研究会メンバーは参加無料です。

2018年度 開催スケジュール

日程 種類 タイトル
4月19日(木) CM インバウンドプロモーションと越境ECの動向~中国・台湾客を呼び込む施策と海外販売の可能性 関連記事1 関連記事2
新浪日本微博 田中里枝氏/テレコムスクエア 魚住和久氏/tenso 浜田祐輔氏
4月27日(金) PM フリーペーパービジネスの最新動向2018~急変する業界勢力図とローカルメディアとしての新たな存在意義
JAFNA 久保まり子 氏/JAGAT 藤井建人/共立アイコム 小嶋良之 氏
5月24日(木) CM スマホを意識したコンテンツ施策とA/Bテスト活用~事例からWebサイト改善の成功ポイントを知る 関連記事
Faber Company 渡邊雅俊氏/DLPO 作佐部勇次郎氏
6月7日(木) PM 折込チラシとエリアマーケティングの動向と可能性
朝日オリコミ  大谷良子氏/凸版印刷 山岸祥晃氏/サイバーエージェント 田中 隆徳介氏/ヤフー 馬場理恵子氏
6月22日(金) WS 情報を分かりやすい図で伝えるデザイン手法 ―インフォグラフィックス・ワークショップ 関連記事
チューブグラフィックス 木村博之氏
6月26日(水) PM 出版ビジネスの最新動向2018 ~産業構造・市場・コンテンツからみる出版の多様化~
文化通信社 星野渉氏/デジタルタグボート 辻本英二氏/NPO法人日本独立作家同盟 江口晋太朗氏
6月27日(水) TG 人が育ち活力ある組織をつくる人材マネジメント
水上印刷 水上光啓氏/プライムコンサルタント 菊谷寛之氏
7月3日(火) CM RPAによる業務効率化の可能性を知る~ロボットによる自動化はビジネスにどんな影響をもたらすか 関連記事 レポート
アビームコンサルティング 安部慶喜氏、RPAテクノロジーズ 大角暢之氏
7月13日(火) TG IGASプレビュー
グーフ/ホリゾン・インターナショナル/小森コーポレーション/コニカミノルタジャパン/メディアテクノロジージャパン/キヤノンマーケティングジャパン/富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ
7月25日(水) CM パーソナルデータ活用メディアとしてのDM訴求力
日本ダイレクトメール協会 椎名昌彦氏/ブレインパッド 皆瀬 雄貴氏
8月7日(火) TG HTML/CSS自動組版がもたらすWebと印刷の統合ワークフロー
トリムマーク  石田智之氏 / パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 岩見泰志氏
8月23日(木) CM 「AI×ビジネス」創出を考えるカンファレンス2018
コンサルタント 小林啓倫氏/キカガク 吉崎 亮介氏/デジタルハリウッド大学 橋本大也氏/リトルクラウド 神原太郎氏
9月26日(水)
9月27日(木)
9月28日(金)
PM 最新印刷経営調査の報告会(業績・戦略・設備)
JAGAT藤井建人
9月28日(金) TG IGAS2018注目製品
マイクロ・テクニカ/花王/ 富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ/コダック
11月2日(金) PM 新聞・ニュースビジネス最新動向2018
JAGAT客員研究員 井上秋男氏/産経新聞社 石井ユミ氏/ヤフー 『ネコがメディアを支配する』(中央公論新社)著者 奥村倫弘
11月27日(火) PM ICTと新指導要領で教育・教材はどう変わる
ICT CONECT21会長 東京工業大学名誉教授 赤堀侃司氏/Classi 加藤理啓氏/東京書籍 高野勉氏/加藤文明社印刷所 岡田岳人氏
11月28日(水) CM 『印刷白書2018』発刊記念特別セミナー
東京工科大学 藤崎実氏/JAGAT
11月29日(木) CM 音声コンテンツの市場とビジネス可能性 関連記事1 関連記事2
WHITE 長友裕輝氏/フライヤー 大賀 康史氏/Voicy 京谷実穂氏
12月5日(水) TG AR/VRの活用による顧客コミュニケーション支援
大村印刷 永浜敬久氏/エイシス 齋藤瑛史氏/大伸社コミュニケーションデザイン 梅村茂樹氏
1月23日 TG 営業プロセスの見える化~結果管理から先行管理へ
城野印刷所 松下和宏 氏/トスバックシステムズ 若狹益弘 氏
1月23日(水) 1月25日(金) PM 2019年の印刷ビジネス展望
JAGAT 藤井建人
3月7日(木) TG page2019報告
JAGAT 郡司秀明/バリューマシーンインターナショナル 宮本 泰夫氏/スイッチ 影山 史枝氏
3月13日(水) TG デザインの力でBtoC市場に挑む
ケープランニング 木下 良氏/川上産業 佐藤 浩司氏/kenma  今井 裕平氏
3月19日(火) TG みんなの印刷入門発刊記念
小森コーポレーション 吉川 武志氏/三菱製紙 木村 篤樹 氏/加藤製本 加藤 隆之 氏/ JAGAT 郡司秀明
3月22日(金) PM メディアとコンテンツの最新動向2019
電通メディアイノベーションラボ 北原利行氏/デジタルコンテンツ協会 日向ひとみ氏/日本通信販売協会 三浦千宗 氏
3月29日(金) CM デジタルによるリアル集客の可能性 関連記事
アイリッジ 金箱 彰夫氏/セブンネット 梁木 孝次氏/オプト 久米田 晶亮氏

※セミナー日程・テーマは変更する場合があります。
研究会メンバー向けには開催日・内容確定後にFAXおよびメールにてご案内します。

>>研究会について詳しくはこちらをご覧ください。

>>2017年度開催スケジュールはこちらをご覧ください。

テキスト・グラフィックス(技術系)【TG
DTP・プリプレス、カラー・画像処理、ドキュメント管理などに関する技術動向や先端事例を紹介します。
クロスメディア(デジタルメディア系)【CM
デジタルメディアを中心としたメディア知識/多メディア活用・ビジネスモデルの事例を紹介します。
印刷マーケティング(市場系)【PM
プリントメディア、印刷市場の動向を考える上で、関係の深い各界の第一人者にご登壇いただきます。

詳しくは、研究会のご案内をご覧ください。

過去の開催予定

2017年度

2016年度

2015年度

アプリレス、ゴーグルレスで利用できるWeb AR/VR

AR(拡張現実)は新たなユーザー体験を提供し、印刷物の効果をより高める技術として注目され、取り組む印刷会社も多い。しかしながら、利用するにはアプリのダウンロードが必要なことからユーザーからは敬遠されることも少なくない。エイシス株式会社は、2016年11月に設立されたベンチャー企業で現在の従業員は8名と小所帯ながら、Webデザイン、Webシステムの企画、開発、運用を行っている。柱となっている事業がWebAR、WebVRである。JAGAT印刷総合研究会において代表取締役の齋藤瑛史氏に取り組み状況を伺った。

アプリレス、ゴーグルレスが強み

一般的にARやVRを利用するにはヘッドセットやARグラスを身に着けるか、スマホの場合は、アプリをダウンロードして利用することになる。しかし、ヘッドセットを購入するには費用がかかるし、メガネをかけている人や髪形を気にする人には敬遠されがちである。また、アプリのダウンロードについては、最近アメリカで行われた調査では、スマートフォン所有者の最近1か月の新規アプリインストール数の平均はほぼ0であった。そして、1日に使用するアプリ数の平均が約3であった。したがって、スマートフォンにたくさんのアプリが入っていても普段使うものは非常に限定されている。かつ、アプリの8割から9割は一度使われただけで削除されている。

また、開発者側の視点からすると、どんどん登場する新しいデバイスへの対応やAndroidとiOSのどちらにも対応し、かつOSのバージョンアップに対応し続けるというのはかなりの開発負荷である。

これらの課題をクリアするものとして、当社が力を入れているのがWebAR/VRである。アプリをインストールする必要がなく、そしてヘッドセットを装着することもなくARやVRの体験が可能である。

WebVRのサンプルとして「寿司ぽっぷ」というゲームを紹介する。渋谷のスクランブル交差点の3D空間を舞台に空から降ってくるお寿司に視線を当てて地面に落とさないようにするという簡単なゲームである。3D空間のデータとシステムを組み合わせてWebブラウザ上でより気軽にVR体験することができる。

WebARのサンプルとして、「ウェブモン」というゲームを紹介する。マーカーであるカードをかざすと、ARコンテンツとしてモンスターが現れる。それを自分のキャラクターとして登録し、別のカードをかざすと敵役のモンスターが現れ3Dで対戦がはじまる。

多くの人にリーチ可能で拡張性が高い

WebAR/VRのメリットを整理する。一つ目は多くの人にリーチ可能であること。当社の事例ではアプリインストール型と比べて数倍のアクセス数となった実績がある。アプリをインストールするためにパスワードを入力したり、指紋認証したりという手間と新たなアプリを入れるという心理的障壁はかなり大きい。QRコードを読み取るだけで簡単にアクセスできるというWebARのメリットは大きい。

二つ目は開発や保守が容易であること。iOSとAndroidの双方に対応したり、複数のVRコンテンツストアに対応するのは大変である。OSのバージョンアップやストアの審査への対応もある。Webで動作すれば審査はないので、VRコンテンツを状況にあわせて柔軟に修正することができる。

三つ目はWebならではの拡張性があることである。既存のWebサイトに組み込むことができ、ECサイトとの親和性が高い。また、ブックマークやSNSシェアなどWebの機能をそのまま利用できる。Webの新しい技術でAndroidではWebサイトからユーザーにプッシュ通知ができるようになる。Webの進化に合わせていずれはアプリと同等の機能が実現されるだろう。

活用事例としては、人気ミュージシャンのライブプロモーションにWebARが採用されたケースがある。ライブグッズにQRコードが印字されており、そのリンクからミュージシャンのグッズや本人たちの映像が再生されるなど、よりライブを盛り上げる演出がされている。
また、食品メーカーのキャンペーンでWebARの採用が検討されている。お菓子のパッケージにマーカーが印刷されていて、読み取るとキャラクターが出現する。キャラクターと写真を撮ったりSNS投稿すると抽選でプレゼントが当たるというものである。アプリ不要という点が高く評価されている。

さらに製品メーカーのパンフレットにおいても採用する方向で検討が進んでいる。パンフレットを渡した相手だけでなく社内でもコンテンツを共有してほしいので、アプリ不要は魅力的である。印刷物との親和性が非常に高いので、今後の動向に是非、注目していただきたい。

(研究調査部 花房 賢)

営業プロセスの見える化~結果管理から先行管理へ

案件ごとの収益の「見える化」に取り組む企業が増えている。厳しい受注環境のなか利益を確保するためには、より細かい単位での現状把握とすばやい対処が欠かせないからだ。一方で、営業活動については個々の営業担当者に委ねられ属人的になっていることが多い。 続きを読む

印刷ビジネスの動向と展望2018-2019

最新データと現時点で予想しうる2019年の与件に基づき2019年の印刷ビジネスを分析する。2018年までの状況を整理、来たる2019年の印刷市場に影響するだろう周辺関連トピックを洗い出し、市場動向を予想する。 続きを読む

「〇〇放題」の波はオーディオブックにもやってきている

音楽、雑誌、動画などで増えている定額制の波がオーディオブックにも広がっています。今回は、サブスクリプションでの提供やスマートスピーカーの普及によりユーザー数が増えているオーディオブックについて紹介します。

デジタルコンテンツの利用形態として広がるサブスクリプション

毎月一定の利用料を支払い、利用枠内で提供されているアイテムを制限なく利用できるサービス提供方式をサブスクリプションと呼びます。携帯電話事業者のソフトバンクが提供している「動画SNS放題」のCMを目にした方もいると思います(白戸家おとうさんが風呂敷に包まれてしまうやつです)。日本では「〇〇放題」という呼び方のほうがイメージしやすいかもしれません。

この〇〇放題型サービスは、Netflixやhuluなどの動画、AWA、Spotifyなどの音楽、dマガジン、ビューンなどの雑誌など、デジタル系サービスで広がっています。リアルでも洋服やバッグ、コーヒーなどで定額サービスが登場しており、人気を集めています。

ユーザーにとっては都度購入する手間がなく、たくさん利用すればかなりお得になる利点があります。サービス提供側にとっては毎月安定した収入が見込める、ファン育成に役立つといった利点があります。

オーディオブックでも定額制が増えてきた

最近ではオーディオブックでもサブスクリプション型で提供するサービスが登場しています。

オーディオブックとは、書籍をナレーターが読み上げた音声コンテンツを指します。昔はカセットテープやCDに録音されたものが本屋さんやCDショップで販売されていました。iPodなどの携帯音楽プレーヤーが普及してからはダウンロード販売、さらに最近ではストリーミング配信が一般的になっています。

音によるコンテンツは目や手を使わずに楽しめることから、「聴きながら何かをする」ことができるのが特徴です。オーディオブックを提供するオトバンクが2018年8月に公開した調査結果によると、オーディオブックを利用するシーンは移動中が58%ともっとも多く、ほか就寝前や家事の最中など何かをしながら読書する「ながら読書」が全体の9割を占めています。(オトバンクリリース

サブスクリプション型を提供しているオーディオブック提供サービスは下記のようなものがあります。

audioboook.jp(オーディオブックドットジェーピー)

オトバンクが運営するaudioboook.jpは、2007年からオーディオブック配信サービスを運営しているオーディオブック老舗です。2018年からは月額750円で対象書籍が「聴き放題」となるプランも導入されました。会員数30万人以上、作品点数2万点(2018年発表)で国内最大級のオーディオブック配信サービスです。

Flier(フライヤー)

フライヤーが運営するFlierは、2013年に開始したテキスト型の書籍要約サービス。「ビジネス書を短く要約する」という選書&要約モデルで短時間に情報を得たいビジネスパーソンを中心に利用者を増やしています。無料ユーザーは月20冊が利用できるほか、月額500円、月額2,000円の有料プランを提供。2018年からは書籍でテキストを音声で読み上げるAIを活用して自動読み上げの音声コンテンツを提供するサービスを開始しています(9割ほどの書籍で提供)。現在会員数18万人(2018年4月)、2016年よりメディアドゥ傘下になっています。

Audible(オーディブル)

アマゾンが運営するAudibleは、2015年からオーディオブックの定額サービスを国内で開始。2018年からはコイン制に移行。月額1500円で月1冊購入できるコインが付与されるほか、追加料金なしで楽しめるニュースや落語などのコンテンツを配信するAudible Stationを提供しています。AIアシスタントAlexaとの連携も進めており、「アレクサ、(コンテンツのタイトル)読んで」というとダウンロード済みコンテンツを再生できるようになっています。

2019年はオーディオブックがさらに伸びる期待も

オーディオブックはアメリカでは大きな市場で、2017年オーディオブック売上は前年22.7%増の25億ドル(約2800億円)以上あります(Audio Publishers Associationのリリース)。オーディオブックは世界的にも伸びており、2018年10月に開催されたフランクフルトブックフェアでもオーディオブックのカンファレンスが開催されるなど、成長分野として捉えられています。

国内ではそれほどの規模はまだないものの、スマホアプリでの利用が後押ししてオーディオブック利用者数は伸びてきています。

最近では前述のFlierのようにAI音声版の作品もあります。通常は声優やナレーターを起用するコストがかかりますが、自動化することで制作コスト削減やスピード化が期待できます。現在はビジネス書が中心ですが、将来的には小説などでもAI音声版が提供されていくでしょう。

またスマートスピーカーの影響も気になるところです。スマートスピーカーの普及が進むアメリカでは、オーディオブック利用者のおよそ4人に1人はスマートスピーカーで利用しているといわれています(前述APAリリース参照)。国内でもスマートスピーカーが増えていくのに合わせてオーディオブックの利用がさらに増えていく可能性があります。

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デジタルデータで提供されている書籍という意味ではオーディオブックも電子化された書籍です。テキストから音声にフォーマットを変えることで、視覚的な情報がなくなった代わりに「目や手を使わずに楽しめる」という新しい価値を提供しています。今後は電子書籍と同様に、新しいコンテンツの楽しみ方として広がっていくでしょう。

(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)

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